能登半島地震から半年
2024年元旦の16時10分ごろ、石川県能登地方を震源とするマグニチュード(M)7.6、最大震度7の地震が発生。日本の広い範囲で揺れを観測したこの地震は、能登半島を中心に多くの建物倒壊や大規模火災を引き起こした。
各スポーツ団体においては、震災直後からお見舞いのメッセージや義援金、試合会場における募金活動など、これまで多くの取り組みを実施。石川県能登地域の皆さんに「今できることを」と動き続けている。
7月1日で発災から半年となるこの時期、女子ソフトボールでもこの動きに追随するイベントが行われた。日本代表と国内トップリーグであるJDリーグが “能登半島地震復興支援チャリティーマッチ” を開催したのだ。

JDリーグ8チームのユニフォームが鮮やかにフィールドを駆ける-JournalーONE撮影
群馬県高崎市にある宇津木スタジアムに集まった827人の観客と、選手、関係者が一体となり、石川県能登地域の皆さんに元気を届けようと会場を盛り上げた。
女子ソフトボールと石川県の深い関係
「女子ソフトボールと石川県の関係は深い。私も何度も現地を訪れたことがあり、あの素敵な町並みが大変なことになったことに心を痛めている」と話すのは、女子ソフトボール日本代表の宇津木 麗華監督だ。
「被災地の輪島市には、ソフトボールの強豪校・門前高校があり、ソフトボールとの関係が深い地域。今回、このような取り組みで応援できることを本当に嬉しく思う」と話していた。

能登半島地震復興の取り組みを喜ぶ宇津木麗華日本代表監督-Jouurnal-ONE撮影
その門前高校をはじめ、石川県出身や石川県に縁のある選手が多く活躍しているJDリーグでも、シーズン前から石川県能登地域の皆さんに元気を届ける企画を行っている。
できるだけ多くの方にJDリーグの魅力を知っていただきたいと、2024シーズンスローガンを “推しのソ” に決定。

JD.LEAGUEテーマトレインで復興応援のポスターも掲出中-Journal-ONE撮影
5つのテーマを設定した。16チームから選ばれた50名の選手たちが、それぞれのテーマで魅力を伝えるコンテンツを発信。そのテーマのひとつ “石川県ゆかりの選手たちが地元に元気を届ける” ユニットが編成されている。
石川・能登への思いを込めて
イベント開催を前に、“推しのソ” でこのユニットを組む、大工谷 真波(ホンダリベルタ)選手、小西 陽菜(大垣ミナモ)選手ら、石川県に縁のある選手たちがマウンド前に登場。

石川県・金沢高出身の小西陽菜選手(左・ミナモ)も被災地への思いをマイク越しに語った-Jouurnal-ONE撮影
それぞれが、石川・能登への思いをマイクを通じて伝えると、スタンドからは大きな拍手が送られた。
続く選手紹介のセレモニーで華々しく登場した両軍の選手とスタッフと、観客の皆さんが能登半島地震の犠牲者の 冥福を祈って1分間の黙とうをささげた。

“推しのソ” を含むJDリーグ東地区選抜の選手は黙祷で冥福を祈った-Jouurnal-ONE撮影
JDリーグ東地区選抜のキャプテンを務めた門前高校出身の大工谷選手は、「いまだに連絡の取れない知り合いもおり、いつも門前の仲間たちや良くしてくれた人たちのことを心配している」と心境を語る。
「恩師からは『今はまだ現地に来るタイミングではない。頑張ってプレーして欲しい』と言われている。私たちアスリートができることは、活躍する自分たちの姿を見せ続けると共に、このような取り組みを通じて能登の皆さんのことをもっと思い起こしてもらうようにするだけです」と、復興を祈るTシャツを着てインタビューに答えてくれた。

門前高校出身の大工谷真波(ホンダ)が被災地への思いを話す-Jouurnal-ONE撮影
4番・センターでフル出場した大工谷選手は、チームを勢い付ける先制タイムリーヒットを放つなど活躍。後半戦に向けても、「プレーオフ進出はもちろん、優勝を目指してプレーすることで、能登の皆さんへ引き続き元気を届けたい」と話していた。