坂井隆一郎、サニブラウン、桐生、上山の走順に変更して臨んだ決勝では、ホームストレートに出るところまでは先頭争いに加わったが、最後にかわされ5位。しかし、37秒78とシーズンベストを再び更新する激走だった。
予選・決勝ともに中島佑気ジョセフ、川端魁人、佐藤風雅、佐藤拳太郎のオーダーで挑んだ4×400mリレーでは、予選で2分59秒48の日本新記録をマークすると、決勝では、これを大きく上回る2分58秒33を叩きだして6位でフィニッシュ。昨年のブダペスト世界選手権で、インドに更新されていたアジア記録を奪還している。
競歩は3種目で3つの入賞
メダルポテンシャル種目として期待が寄せられていた競歩は、男子20km競歩で、池田向希が前回の東京大会(銀メダル)に続いて7位(1時間19分41秒)、今回が初の世界大会となった古賀友太が8位(1時間19分50秒)に入賞。メダル獲得はならなかったものの、池田は競歩種目で初めて連続入賞を果たした選手となった。
また、今大会初めて実施された男女混合競歩リレーでは、川野将虎・岡田久美子のペアが、8位(2時間55分40秒)入賞を果たしている。
「坂」で見せ場つくったマラソンは男女とも自己新で6位に
美しいパリの観光名所を巡る一方で、「まるで壁」と関係者がおののいた急坂をはじめとして長々と続く勾配に、誰もが「五輪史上最も過酷」と称したコースで行われたマラソンでは、男女ともにその「坂」で、日本選手が注目を集めた。
男女ともに有力選手からも上位争いから脱落する選手が出てくるなか、男子は赤﨑暁が、女子は鈴木優花が、15km以降から30km付近まで続く「坂」の場面で、上位争いに加わる走りを披露したのだ。
終盤で突き放される形となったものの、どちらも最後まで良く粘り、夏の難コースでのマラソンにもかかわらず、赤﨑は2時間07分32秒、鈴木は2時間24分07秒と、ともに自己記録を大幅に更新する走りで6位に入賞。苦戦が続く日本マラソン界に光が差す結果となった。
入賞を逃すも世界選手権・東京大会につながる活躍
このほか、入賞には届かなかったものの、男子100mではサニブラウンが準決勝で、9秒96の自己新記録をマークした。この記録は、五輪日本人最高記録であるとともに、日本選手が世界大会でマークした最高記録。
福部真子と田中佑美(富士通)が揃って準決勝進出を果たした女子100mハードルでは、この2人がすべてのレースで従来の五輪日本人最高記録を上回るパフォーマンスを残したほか、福部は準決勝でこの種目で五輪最高順位となる5着でフィニッシュしている。
また、女子やり投では、優勝した北口とともに、上田百寧も決勝進出を果たし、トップエイトまで80cmに迫る10位の結果を残す躍進を見せている。
来年9月には、日本では2007年以来、東京では1991年以来となる世界選手権が国立競技場で行われる。すでに参加標準記録も発表され、今後は世界選手権を目指しての取り組みに拍車がかかっていくことになる。自国開催の世界選手権では、パリオリンピック以上のチームジャパンの活躍が大いに期待できそうだ。
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