夏休みが明け熾烈な順位争いが始まった!
女子ソフトボール “ニトリJDリーグ” の第9節。オリンピックやワールドカップなどの国際大会が開催される夏場の約3ヶ月間、日本代表選手たちが活躍する “世界屈指のソフトボールリーグ” であるJDリーグは長いサマーブレイクに入る。
今夏の大きな国際大会 ”XVII Women’s Softball World Cup 2024 Finals(第17回 女子ワールドカップ ファイナル)” において、女子ソフトボール日本代表はライバルのアメリカ代表を下し見事に金メダルを獲得した。
2028年開催のオリンピック・ロサンゼルス大会で、正式種目への復活が決まった野球・ソフトボール。3大会連続の金メダルを目指す日本女子ソフトボール界は、早くも今年の3月に25人の選手を第1次国内強化合宿に招請。LA2028へ向けた始動した年のワールドカップで優勝したことは意義深い。
ここまでの日本代表活動で日の丸を背負った選手たちが、自身の心技体を磨き上げることはもちろん、送り出した各チームへその経験をどう還元するのか?チームが劇的な変化を遂げるサマーブレイクを経て進化したチームが、どういった戦いを見せてくれるかにも注目が集まる。
JAPAN左腕を擁するチームが激突!
東地区6位の大垣ミナモと、西地区6位のタカギ北九州ウォーターウェーブの一戦。チームの順位だけでなく、互いの左腕エースを日本代表に送り込んでいることも共通している。
大垣ミナモの “推しのソ” 中山 日菜子投手は第1次国内強化合宿に、タカギ北九州ウォーターウェーブの鹿野 愛音投手はそれに加えて日米対抗ソフトボール2024に招請された。
東日本震災復興チャリティマッチに続けて選ばれた鹿野投手は、JAPANのユニフォームを身にまとい、東地区のオールスター選手たちと対峙した。
驚異の集中力でJAPAN左腕を攻略
前半戦、上位チームに最後まで食い下がる粘りのソフトボールを見せてくれたタカギ北九州ウォーターウェーブ。しかし、その試合内容からは想像がつかないほど勝利から遠ざかっている。
投手陣が力投すれば、打線が得点を奪えない。打線が得点を奪えば、投手陣が踏ん張りきれない。投手陣が序盤に失点を重ね、打線が点を取り返すもあと一歩及ばない。投打の歯車がほんの少し噛み合わないだけで、気付くと最後の勝利から118日が過ぎて後半戦の開幕を迎えていた。
対する大垣ミナモの先発は、日本代表の第1次合宿に招請された左腕・中山投手。ゆったりとした流れるような投球フォームから繰り出す変幻自在のJAPAN左腕を、序盤から驚異の集中力を見せて試合を優位に進めたのは、タカギ北九州ウォーターウェーブだった。
2回裏1死、開幕スタメンに抜擢された工藤 真依選手が、思い切り良く振り抜いた打球は高々と左翼頭上を襲う。センターからレフト方向へ強く吹く風に乗った打球は、レフトポールを巻く本塁打となり、JAPAN左腕の中山投手から1点を先制した。
この試合から大垣ミナモの指揮を執ることになった、須藤 麻里子監督は中山投手にタイミングが合っているタカギ北九州ウォーターウェーブ打線に対抗するため、迷わず二番手の三堀 茉莉愛投手にスイッチ。この回の後続を三堀投手が無失点に抑え、新監督の期待に応えた。
集中力を保つ打線が間髪を入れず襲いかかる
前半戦、矢継ぎ早の連続得点がなかなか取れなかったタカギ北九州ウォーターウェーブ。後半戦に入り、その課題をしっかりと克服してきた。
3回裏、先頭の “推しのソ” 山根 悠夏選手が見事な流し打ちで安打を放って出塁すると、続く柏坂 志帆選手がバント、バスター、スラッグと三堀投手を揺さぶり四球で中軸に繋ぐ。
さらに頼れるキャプテン・兼平 真咲選手も力強いファールで粘った後に四球を選び、無死満塁と絶好のチャンスを作ると、ポイントゲッターの4番・樋口 菜美選手が三遊間を鋭く破る適時打を放ち、間髪入れずに追加点を取ることに成功した。