ここからが正念場
女子ソフトボール “ニトリJDリーグ” の第10節サンデーマッチ。今シーズンも残すところ8試合となり、東西の地区優勝争いはもちろん、プレーオフ進出をかけた順位争いも熾烈を極めている。
一方で、プレーオフ進出の可能性を失ったチームにとっても、この時期の一戦一戦は重要だ。来シーズンに向け、若手に経験を積ませるチームもあれば、チーム最高成績を目指してベテランと若手が一体となって戦うチームもある。
どんな状況であっても、応援してくれるファンのために、JDリーグチャンピオンになるために最高のパフォーマンスを見せ続ける選手たち。栃木県足利ラウンドで行われた、大垣ミナモ(東地区6位 6勝15敗)と東海理化チェリーブロッサムズ(西地区8位 4勝17敗)の一戦は、両チームのモチベーション高いプレーで見ごたえのある戦いとなった。
エース左腕に好調打撃陣が襲い掛かる
東海理化先発は、エース左腕・”推しのソ” の永谷 真衣投手。自身2勝目をかけてマウンドに上がるも、須藤 麻里子新監督の下で意気上がる大垣ミナモ打線が初回から襲いかかる。
1回裏、先頭の瀬戸口 梨乃選手が内野安打で出塁すると、盗塁と犠牲フライで2死三塁と先制のチャンスを作る。続く4番・内田 小百合選手が四球を選んで、迎えるは一発長打もあるLindsay Thomas(リンジー・トーマス)選手。初回から大量失点もあり得るピンチを迎えた永谷投手だったが、内角のチェンジアップでトーマス選手を見逃し三振に切って取り、軽快にマウンドを降りる。
続く2回裏、この回先頭のキャプテン・近本 和加子選手が、アウトコースのボールを逆らわずにライト方向に弾き返すと、この打球がフェンスオーバーとなりあっという間に1点を先制する。
さらに3回裏、2死無走者から内田選手、トーマス選手が四球を選んで追加点のチャンス。ここで打席に入った前の打席でホームランを打った近本選手を申告敬遠した永谷投手は、2死満塁とピンチを迎えるが7番・西野 希美選手を三振に仕留め、最少失点で味方の援護を待つ。
継投スタイルを貫き無失点
一方の大垣ミナモの先発も、エース左腕・”推しのソ” の中山 日菜子投手。今シーズンいまだ勝ち星のない日本代表候補は、自身初勝利をかけてマウンドに上がる。
その中山投手から先制点を奪いたい東海理化は2回表、1死から5番・小西 彩未が選手、6番・須藤 祐美選手の連続安打でチャンスを掴む。しかし、初勝利へ執念を燃やす中山投手は、このピンチを二者連続三振で切って取り主導権を渡さない。
4回無失点と先発の役割を果たした中山投手だったが、”須藤監督の継投采配” は決断早く、5回から三堀 茉莉愛投手にマウンドに送る。この起用に三堀投手がこの回を無失点に抑える好投を見せ、監督の期待に応えた。
最少得点差ではあったが、ここまで流れは完全に大垣ミナモの展開。すると6回、必勝継投の仕上げに昨日延長8回を投げ抜いたSamantha Show(サマンサ・ショー)投手をマウンドに送り、逃げ切りを図った。
終盤の好機をものにした東海理化打線
サマンサ投手の代わり端、6回表の先頭打者 “推しのソ” 上村 奈実選手が四球で出塁すると、3番・貝沼 晴香選手もレフトライン際に安打を放ち1死一、二塁と同点のチャンスを作り出す。
2死ながらも二、三塁と逆転のランナーを得点圏に進めた東海理化は、ここまで全打席安打と当たっている5番・小西選手を迎える。大垣ミナモバッテリーは勝負を選択し、両軍応援団が声援を送るこの日一番の盛り上がりを見せると、声援に後押しされた小西選手。