松本:続く温室は “インコのスイレンプール” というゾーン。オレンジ色や黄色がまぶしい、可愛いインコたちがたくさん飛んでいます。「この鳥は、コガネメキシコインコという種類です。このゾーンではインコたちに餌やりをすることができます。(取材の時間だった)朝の始まりが最も活発ですので、餌やりには良い時間帯ですよ」と副島さんに教えてもらって温室内に入ります。
大塲:きゃぁ!餌の入った小さなカップを手に取ると直ぐに、たくさんのインコたちが集まってきました。松本さん!頭や肩にたくさん鳥を乗せて重くないですか?
松本:羽の音に少しびっくりしましたが、とてもおとなしくて可愛いですよ。たくさん肩に乗っていますがとても軽いですね。「鳥の身体は飛ぶために軽い構造になっていて、食べ物の消化も早いのです。」と副島さん。
大塲:確かに朝ご飯の時間なのか、インコたちが入れ替わり立ち替わり頭や肩に乗ってきます。インコたちがくちばしを上手に使ってごはんを食べているところを直ぐ近くで観察ができる。鳥たちを可愛がるだけでなく、こういった生態を学べるのも子どもたちにとってはとても良い体験になると思います。
愛情表現豊かな掛川花鳥園のアイドル
松本:大きなピラルクが泳ぎ、オオオニバスが何枚も浮かんでいる水槽は学校のプールより広く、まるで海外の自然公園に来ているかのようです。コガネメキシコインコたちに別れを告げて、掛川花鳥園のアイドルに会いに行くことにしましょう!
大塲:ここ “ハシビロコウの森” は、その名の通り「動かない鳥」として知られる絶滅危惧種のハシビロコウが住んでいるお部屋です。どん!と真ん中に存在感のある青みがかった灰色の大きな鳥が立っています。この子の名前は「ふたば」、掛川花鳥園のアイドルとしてテレビなどにも良く登場する人気者です。
松本:あれ?動かない鳥と聞いていましたが、私たちが入ると直ぐにくちばしをカタカタさせてこちらを向いています。先ほどのフクロウたちは人間に興味が無いと聞いていましたが。
大塲:「くちばしをカタカタさせるのは、クラッタリングという愛情表現です。他にも愛情表現としてお辞儀もするんですよ」と教えてくれた副島さんが、飼育ゾーンに入ってお辞儀をすると・・・なんと!お辞儀のお返しをしてきました。副島さんにお辞儀をするということは、ふたばは副島さんが好きなのですね。
松本:ハシビロコウ・ふたばの飼育を担当している副島さんを見て、直ぐに愛情表現をするとは!あれ?ということは、ハシビロコウは目で相手を見分けているのでしょうか?
大塲:「外見や声で判断しているようです。飼育ユニフォームを着ている時は視認しているのですが、私服を着た私ですと分からないようです」と、教えてくれた副島さん。「日本に12羽しかいないハシビロコウは、ペアリングが難しく繁殖も殆ど例が無いのです。こういった日々の飼育を通じて、徐々に分かってくることもあるので、来場した皆さんに分かりやすく生態を説明する展示もしています」と、ふたばを見学するゾーンに展示されたクイズを見せてくれました。
松本:ゆったりとしたハシビロコウの動きを見ているだけで、とっても癒やされた気分になります。実際に見てクイズなどで楽しく学ぶと、ハシビロコウに親近感が湧いてきます。一生懸命にワラを掴んで巣を作っている姿など愛情表現が豊かなハシビロコウをいつまでも見ていたい気持ちになりますが、次の鳥も紹介したいので、またゆっくり会いに来ますね。
ファルコンズとファルコンの初セッション
大塲:ふたばとお別れした後は、”オオハシとトキの水辺” にやってきました。水辺にいるフラミンゴはすらりとした長い脚が特徴的ですね。一本足でスマートに立っている姿を思い起こしますが、中には脚をたたんで座っている子もいます。すると、副島さんが「あの座っているような仕草は、踵を付いている姿なのです。フラミンゴやシギは脚と思われている真ん中付近が踵になっていて、普段は人間で言う”つま先立ち”した格好で立っていることになるのです」と教えてくれました。実はフラミンゴって、脚はそれほど長くなかったのですね(笑)。