いよいよ大詰め!東地区の激しいV争い
女子ソフトボール “ニトリJDリーグ” の第12節。群馬県高崎市にある宇津木スタジアムで行われた “ビックカメラ高崎ビークイーン” と “戸田中央メディックス埼玉” の一戦。
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逆転Vに望みを繋ぐビックカメラ高崎ビークイーン-Journal-ONE撮影
前日のナイトゲーム、”推しのソ” 勝股 美咲投手の完封劇で接戦を制したビックカメラ高崎は、この試合前の時点で18勝6敗1分。首位を走る “日立サンディーバ” の背中をピタリと追走し、逆転Vに望みを繋いでいる。
対する戸田中央は、この試合前の時点で17勝7敗。チーム初のプレーオフ進出に向け快進撃を続けると共に、東地区逆転Vに向けて負けられない重要な一戦。
アウェイゲームにもかかわらず、本拠地の埼玉県戸田市からは駆けつけた大応援団や、戸田中央に縁ある鹿島学園高(茨城県)ソフトボール部の皆さんが三塁側スタンドを陣取り、ホームのビックカメラ高崎に負けない賑わいを見せる試合前。
この大一番を前に、戸田中央の福田 五志監督は「今日の先発は、上野投手ですからね」と言葉少なに静かに闘志を燃やしていた。
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ビック・上野攻略に燃える福田五志監督(戸田中央)-Journal-ONE撮影
試合前のメンバー発表から高まる熱気
いよいよ試合開始が迫り、両チームのシートノックが行われるに併せてスターティングラインアップが発表されると、スタジアムの熱気と緊張感が徐々に高まってくる。
後半戦途中から組み替えた打線がハマり息を吹き返してきた戸田中央。その立役者である坂本 結愛選手が、定位置となった「1番・キャッチャー」でコールされると、戸田中央スタンドから大きな歓声が上がった。目下、東地区の三冠王(打率.486、本塁打8[2位]、打点31)も視野に入れている坂本選手の出塁を、続くタレントの揃った上位打線が返せるか。また、坂本選手の前に若手下位打線がどれだけ出塁を果たせるかが大きなカギになってくる。
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戸田中央勝利のカギを握る坂本結愛-Journal-ONE撮影
そして、先発投手に ”推しのソ” 増田 侑希投手がコールされると、戸田中央スタンドはさらに大きな歓声が上がる。ここまで8勝を挙げ、数々の大一番で力投しているエースの勝利を願う応援団の思いを背にマウンドに登る。
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戸田中央はエース・増田侑希を先発マウンドに送る-Journal-ONE撮影
対する地元・高崎の大応援団も、新旧日本代表選手を揃えたビックカメラ高崎ラインアップ発表に盛り上がりを見せる。
戸田中央・福田監督の予想通り、先発投手に ”世界のエース” 上野 由岐子投手がコールされると、スタンド全体から「うぉー」という地鳴りのような歓声と共に大きな拍手が送られた。
前節の首位攻防戦・日立戦で3年ぶりの先発マウンドを踏んだ上野投手は、2回の延長タイブレークを含む9イニングスを1失点で投げきる圧巻の投球を見せてくれた。地元・高崎で久しぶりとなる先発の雄志を収めようと、多くのファンがスマートフォンをかざして上野投手の投球を見守っている。
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上野由岐子(ビック)は2週続けて先発マウンドに登る-Journal-ONE撮影
対照的な表情を見せた両先発
この試合に臨む意気込みは両チーム同じではあったが、大一番でも落ち着いた表情でマウンドに向かう上野投手の振る舞いに目を奪われた。子どもからボールを受け取るセレモニーでは、じゃがみこんで笑顔で話しかけるなど、決戦に臨む直前とは思えない柔和な笑顔を見せる。
しかし、主審のプレーボールがコールされるとその表情は一変。外角を中心に精度の高い制球を見せて、戸田中央の強力上位打線を簡単に三者凡退に抑え、悠然とベンチに戻ってきた。
対する増田投手は投球練習から気合い充分。いつもの笑顔を抑えつつも、いつもの躍動感あるフォームからストライクゾーンにどんどんボールを投げ込んでくる。
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2試合連続本塁打中のビックカメラ高崎の核弾頭・藤田倭-Journal-ONE撮影