リーグ戦終盤ならではの戦い方に注目
女子ソフトボール “ニトリJDリーグ” 2024レギュラーシーズンも残り3試合。愛知県刈谷市の刈谷球場で10月20日(日)に行われたのは “タカギ北九州ウォーターウェーブ” vs “日本精工ブレイブベアリーズ” の試合。両チームともプレーオフに進出することはできないが、残りの試合数で勝ち星を1つでも多くつけるためにベストを尽くす。
日本精工の先発は、今シーズンまだ勝利のない山田 玲菜投手。昨シーズン、台所事情が苦しかった日本精工投手陣を支えたベテランエースが、今シーズンの初勝利をかけてマウンドに登る。日本精工打線は、初回から山田投手を援護して試合を優位に進めたいところだ。
前日、日本精工はリーグNo1の破壊力を誇る “SGホールディングスギャラクシースターズ” 打線を完璧に封じ込み、延長タイブレークの末に劇的なサヨナラ勝ちを収めて勢いに乗っている。
「リーグ戦終盤に入ると、勢いがあるチームが有利になる。試合の流れを作って、そのまま勝ちきってしまうケースが多い」と日本精工の森澤 隆行監督が話したとおり、この日の日本精工は、試合前から “勢いのあるチーム” のオーラが漂っていた。
勢いに負けないタカギ北九州の攻撃
そんな中、試合を先に動かしたのは タカギ北九州 だった。
1回裏1死から、2番・黒崎 瑞季選手がセンター前ヒットで出塁すると、3番・兼平 真咲選手がサードゴロを放ち、その打球が日本精工のサード・岡崎 仁美選手のグローブの下を抜けていった。
1死一、二塁となり、回ってきたのは4番・樋口 菜美選手だったが慎重にバッテリーが攻めていき、ここは四球で塁を埋める作戦。
1死満塁で、続く5番・佐藤 果歩選手はサードゴロを打ち、ホーム送球でフォースアウトで2死となりランナーが入れ替わるも、ここでなんとしてでも先制したいタカギ北九州はここからもチャンスを逃さなかった。
2死満塁から、6番・工藤 真依選手が四球を選択し押し出しで1点を先制。その後も7番・古庄 未久選手が死球をもらい2つめの押し出しで2点目を入れた。
日本精工の先発・山田選手は初回に2失点と良いスタートは切れなかったが、ここからの味方の援護を待った。
じわじわと攻め入る日本精工打線
日本精工の反撃はすぐに始まった。タカギ北九州の先発・今村 みなみ選手から、2回表1死に5番・小泉 向日葵選手がレフトソロホームランを放つ。「玲菜さんが久しぶりの先発だったので、絶対に打ちたいと思いました。」と話した小泉選手はホームに帰ってくると山田選手とハイタッチで喜び合っていた。
その直後、追加点を取りに行く日本精工は1死 6番・幸内 保乃香選手がサードに絶妙なセフティバントで出塁。チャンスを広げるも後続の7番・岡崎選手がセカンドフライ、8番・ “推しのソ” 弓納持 あみ選手がレフトフライに倒れ、チェンジとなった。
3回裏にも日本精工の攻撃は続いた。
この回の先頭、9番・矢藤 輝羅菜選手がセンター横を抜けてフェンスまで到達する2ベースヒットで0死二塁とチャンスを作る。
続く1番・桒原 伊代選手もお手本のような綺麗なセンター返しで更にチャンスを広げる。その直後に盗塁を決めて0死二、三塁と逆転のチャンスで重石 華子選手に回ってきた。
日本精工ベンチも応援曲に合わせて声を出し応援する中、重石選手は死球をもらい一塁へ。満塁とこの試合最大のチャンスが訪れたところで回ってきたのは3番・沢 柚妃選手。
独特なバッティングフォームで打った打球はレフト前に落ちて一気にランナー2人が返り逆転に成功した。 そして、レフトがホームに送球した隙を見てに一塁ランナーも一気に三塁へ進み更にチャンスは続く。
0死一、三塁で4番・宇野 このみ選手はショートフライに倒れるが、ここで回ってきたのは前の打席でホームランを放っている5番・小泉選手。追加点だけは避けたいタカギ北九州のピッチャー・今村選手だが、ここは小泉選手が意地を見せる。