日本一への一発勝負が始まる
2024レギュラーシーズンが終了した、女子ソフトボール “ニトリJDリーグ“。11月に入り、いよいよ日本一を目指す過酷なノックアウトラウンドが幕を開ける。
11月10日(日)、神奈川県川崎市にある等々力球場で行われるプレーオフ2ndステージは、2024レギュラーシーズンを東地区2位(21勝7敗1分、勝率.750)で通過した “ビックカメラ高崎ビークイーン“ と、西地区2位(20勝9敗、勝率.690)で通過した “SGホールディングスギャラクシースターズ“、そして勝率の高い3位(21勝8敗、勝率.724)チームである東地区3位の “戸田中央メディクス埼玉” の進出が確定している。
これに前日に行われるプレーオフ1stステージを勝ち上がったチームを加えた、計4チームが「負けたら終わり」の一発勝負に臨む。その第1試合は、東地区悲願の初優勝を果たした “日立サンディーバ” が待つ、ダイヤモンドシリーズ準決勝(開催地:愛知県名古屋市)に駒を進める戦いは接戦必至。東地区2位のビックカメラ高崎か?東地区3位の戸田中央か?
Journal-ONE編集部が、過去のデータと今シーズンのリーグ戦の戦い方を踏まえ、プレーオフ2ndステージの展開を予想してみた。
2年ぶり王者復活へラストスパート
2022シーズン24勝5敗(勝率.828)、東地区を制した“ビックカメラ高崎ビークイーン“ は、ダイヤモンドシリーズ準決勝で日立を、決勝では豊田自動織機シャイニングベガを破り、JDリーグ記念すべき初代王者に輝いた。連覇をかけた2023シーズンも22勝7敗(勝率.759)で東地区を連覇。続くダイヤモンドシリーズ準決勝でもホンダリヴェルタの挑戦を退け、ダイヤモンドシリーズ決勝まで進んだビックカメラ高崎だったが、トヨタレッドテリアーズに破れて夢は叶わなかった。
今シーズン、東地区三連覇も逃したビックカメラ高崎であったが、その戦いは「見事」の一言に尽きる。その理由は、チームの屋台骨を支えた “オリンピック金メダリスト” 我妻 悠香捕手、市口 侑果内野手が引退し、チーム再建を図りながらの2位確保だったからだ。
2024シーズン開幕戦、ビックカメラ高崎はロサンゼルス・オリンピック日本代表の主砲・炭谷 遥香選手にマスクを託し、二塁手には若い遠藤 愛実選手、一塁手には高卒ゴールデンルーキーの井出 久美選手をスタメンに起用。昨シーズンから主力を張る、新旧の日本代表選手とのコントラストに期待と不安が混在する船出となるも、2022シーズン東地区最優秀投手である濱村 ゆかり投手の完封劇で制する。結局、開幕節3連勝を達成した新生・ビックカメラ高崎の戦いを見て、不安は杞憂に終わったかに思えた。
しかし、長いリーグ戦を常勝軍団として戦い続けることを許さない「戦国・東地区」。戦力強化で臨む下位チームに相次いで勝ち星を許したビックカメラ高崎は、開幕7連勝以上の連勝街道を走ること無く、日立、戸田中央と激しい首位争いを演じることになった。
リーグ戦も終盤に突入した9月29日(日)、昨年のダイヤモンドシリーズ決勝の再戦となったトヨタとの一戦に敗れたビックカメラ高崎は、ポストシーズンを見据えたラストスパートをかけた。
続く第11節、日立との “首位攻防戦” の先発マウンドに、3年ぶりの先発となる “世界のエース” 上野 由岐子投手を起用。この大一番に、9回1失点完投(結果は引き分け)と期待に応えた上野投手は、第12節の戸田中央戦にも先発して7回完封勝利。最終節の第13節も、大垣ミナモを相手に3週連続の先発完投を完封勝利で飾った上野投手の活躍で、ビックカメラ高崎は地力で東地区2位を確保した。
積極補強で初のプレーオフ進出
2022シーズン10勝19敗(勝率.345)で東地区最下位、2023シーズン15勝14敗(勝率.517)で東地区5位と、着実に力を付けてプレーオフの初舞台に登ってきたのは “戸田中央メディクス埼玉”。Journal-ONE編集部が2024シーズンを盛り上げるチームを予想したとおり、序盤から「戦国・東地区」のキャスティングボードを握った。