同じく東京2020にイタリア代表として出場したErika Piancastelli(エリカ・ピアンカステリ)選手も、本塁打を量産する豪快な打撃はもちろん、強肩捕手としてもチームに欠かせない存在だ。今シーズン、3年連続の個人タイトル獲得は逃したものの、本塁打・打点はチームトップ。SGホールディングスの勝利に欠かせない選手であることは変わらない。
さらに、2023シーズン後半戦から加入したKathryn Sandercock(キャスリン・サンダーコック)投手。ロサンゼルス五輪アメリカ代表への選出も期待される注目の若手右腕は、規定投球回数未到達ながらも負けなしの3勝、防御率0.75と衝撃デビューを飾った。今シーズンはカーヤ投手とのWエースを勤め上げて11勝4敗、防御率1.14の成績を残した。
各国の代表選手が集まる “超・銀河系軍団” に、昨シーズンから加わったのが日本代表の核弾頭を務める中川 彩音選手。今夏にイタリアで開催された ”第17回WBSC女子ソフトボール・ワールドカップ・ファイナルステージ2024” 金メダル獲得に貢献した中川選手は、ロサンゼルス五輪での3大会連続金メダル獲得に欠かせない選手。日本代表の中川選手も加えたリーグ随一のタレント選手たちは、3シーズン連続で安定した成績を残し、SGホールディングス最高位となる西地区2位を確保して「鬼門の1stステージ」突破に貢献した。
日本人選手たちの著しい成長
しかし、代表選手の活躍だけで最高位の2位を獲得したわけではない。加藤監督が掲げる「チームの底上げ」という課題に見事に応えた日本人選手たちの活躍こそが、今シーズンのSGホールディングス進化の主因なのだ。
先ずは、入団2年目の白石 千晴選手。リーグ戦前半からヒットを量産した白石選手は、途中まで西地区首位打者争いを演じる活躍を見せて超・銀河系軍団の一角を守り続けた。終盤にやや失速したものの、打率.314(西地区9位)、打点13(同10位)の成績は立派。プレーオフでもその思い切り良いバッティングを見せれば、SGホールディングス初のダイヤモンドシリーズ進出がグッと近づいてくるだろう。
次に注目するのは、今シーズン加入の望月 朱里選手だ。開幕節から中川選手、白石選手と共に外野の一角を担い、コンスタントに成績を残し続けた望月選手は、後半戦開幕節となった札幌ラウンドで爆発。強豪・ビックカメラ高崎戦で、先制ソロ本塁打を含む3安打猛打賞を放ちチームを勢い付かせた。2番打者として打率 .319(西地区6位)、また中川選手が勝負を避けられた後を打っての打点12(同16位)は、一発勝負で気の抜けない相手にとってはさらに驚異となるだろう。
他にも、堅実な守備に小技も走塁も上手いルーキーの川原 千賢選手、マスクを被らない試合でも代打の切り札として活躍した藤原 麻由捕手、一発長打が魅力の三原 千空選手、勝負強い打撃を見せる森田 あさひ選手など、適材適所で輝く日本人選手の活躍がめざましい。「チームの底上げ」を果たした日本人選手たちが、初のプレーオフ2ndステージを越え、ダイヤモンドシリーズへと導く原動力となることは間違いない。