2024年の日本陸上界を振り返る
気がつくと、2024年もあっという間に残り数日に。”パリ五輪”が開催された今年、”チームジャパン”は海外で開かれた五輪で、過去最多となる18の金メダルを含む43のメダルを獲得。その活躍に感動や、ポジティブなパワーをもらった人も多かったのではないだろうか。
陸上界でも、いくつもの「歴史的快挙」が達成された1年となった。今回は、2024年陸上界プレイバックとして、トップアスリートたちの素晴しい活躍の数々を振り返っていくことにしよう。
文句なしの年間MVPはやり投・北口
2024年、最も著しい活躍を残した陸上選手を考えるとき、女子やり投の北口榛花をおいてほかを挙げるわけにはいかないだろう。パリ五輪では、日本の女子フィールド種目において史上初となる金メダルを獲得。
秋にはWA(ワールドアスレティックス:世界陸上競技連盟)が世界最高峰のリーグ戦として主催する”ダイヤモンドリーグ”のファイナルに進出して2連覇を達成。昨年のブダペスト世界選手権優勝&ダイヤモンドリーグ・ファイナル初優勝によって手に入れた「やり投世界女王」の称号を揺るぎのないものにした1年となった。
圧巻のパフォーマンスと、競技に向かう真摯な姿勢、さらには見る者を幸せな気持ちにする天真爛漫な笑顔が魅力の北口は、すでに陸上界では、世界的な注目を集める存在であったが、「オリンピック金メダル」の獲得によって、日本国内でも知名度が急上昇。その一挙手一投足が注目されるようになっている。
12月19日に開催された”日本陸連アスレティックス・アワード”では、2024年に最も顕著な活躍を見せた競技者に送られる「アスリート・オブ・ザ・イヤー」を受賞。女子選手としては初めてとなる2年連続の選出となった。
表彰後には、「(あらゆるタイトルを獲ったことで)今後、目指すものがないんじゃないかと心配されていますが、全然そんな心配はいりません。自分の記録を伸ばしたい、ただただもっとやりを遠くに飛ばしたいという気持ちで、『夢の70m』に向かって頑張っていきます」と挨拶。世界で過去に5人しか到達していない、さらなる高みへの挑戦を明かしてくれた。
五輪は金メダル1を含め入賞11-戦後最高の成績残した陸上選手団
北口が金メダルを獲得したパリ五輪では、陸上の日本代表たちがトラックで、フィールドで、ロードでと、さまざまな種目で好成績を収めている。
個人種目では、男子110mハードルで村竹ラシッドが、五輪ではこの種目日本人初の決勝進出を果たすと、五輪での日本男子スプリント種目史上最高成績となる5位に入賞。男子走高跳では、2023年ブダペスト世界選手権8位の赤松諒一が、決勝で2m31の自己新記録を成功させ、五輪では88年ぶりの入賞となる5位の成績を上げた。
男子3000m障害では、三浦龍司が東京五輪に続く2大会連続入賞となる8位でフィニッシュ。男女マラソンでは、どちらも初の世界挑戦だった赤﨑暁と鈴木優花が、自己記録を大幅に更新して、ともに6位に入賞を果たしたほか、男子20km競歩では池田向希と古賀友太が7・8位に、また、男女混合競歩リレーでは、川野将虎と岡田久美子のペアが8位に入賞している。
男子リレーは2種目とも入賞を達成。4×100mリレーは坂井隆一郎、サニブラウンアブデルハキーム(予選は栁田大輝)、桐生祥秀、上山紘輝のオーダーで臨み、5位でフィニッシュ。