世界トップレベルの日本女子ソフトボール
世界最高峰の選手たちが集まる女子ソフトボールの国内トップリーグ “ニトリJD.LEAGUE(以下、JDリーグ)” の2025シーズンがいよいよ4月12日(土)に開幕。
2026年に愛知で開催される“第20回アジア競技大会(以下、アジア大会愛知・名古屋)”で前人未踏の7大会連続金メダル、2028年にアメリカで開催される“第34回オリンピック競技大会(以下、ロサンゼルス五輪2028)”で3大会連続金メダル獲得を目指す日本代表選手がプレーしている。
開幕まで約2ヶ月、各チームでは日本一に向け戦力強化をすべくキャンプが始まっている2月中旬、静岡県静岡市を舞台に女子ソフトボールの新たな取り組みが行われた。
静岡県唯一のJDリーグチームが高校へ
JDリーグ全16チームで唯一、静岡県(掛川市)を拠点に活動しているチームがある。ICTシステム機器やそのソリューションを手掛けるNECプラットフォームズの女子ソフトボール部“NECプラットフォームズレッドファルコンズ”(以下、NECプラットフォームズ)だ。

地元連勝を期するNECプラットフォームズの選手たち-JournalーONE撮影
開幕に向けたチーム作りが本格化する中、NECプラットフォームズの選手が静岡県静岡市にある城南静岡高等学校・中学校のグラウンドを訪れた。昨シーズン、チーム最多の21試合に登板し6勝を挙げた山本 すみれ投手、東京オリンピック金メダリストの清原 奈侑捕手、パワーあふれるチャンスに強い打撃が持ち味の木村 友奏選手、地元・静岡出身の若きスラッガー本村 夏穂選手と主力選手4名の登場に、高校生ソフトボーラーたちの目はキラキラと輝いている。

NECプラットフォームズの先発・山本は静岡のご当地選手-JournalーONE撮影
待ち受けたのは、静岡市内の3つの高校で女子ソフトボール部に所属する高校生。会場となった城南静岡高校、藤枝順心高校、駿河総合高校から30名近い選手がそれぞれのユニフォームに身を包み、NECプラットフォームズの選手たちを待ち受けていた。
地元の子どもたちに貴重な経験を
世界トップレベルのアスリートと高校生が交流するこのイベント名は、“静岡ドリームセッション”。朝早くからお昼を挟み盛りだくさんなメニューを用意し、選手同士の交流だけでなく、指導する先生やコーチの方々、普段から子どもたちをサポートするご父兄も参加する珍しいイベントだ。

練習会と座談会を実施した新しい取り組みだ‐Journal-ONE撮影
今回、「地元の子どもたちに貴重な経験を」と“静岡ドリームセッション”に賛同したのは、静岡県静岡市に本社を置く“岸本工業会式会社(以下、岸本工業)”。1917年創業、国内外にも数カ所の拠点を持つ伝統ある金属加工メーカーの岸本工業が、女子ソフトボールに青春をかける地元の高校生たちになぜ目を向けたのか?
「私が小学生の頃に経験した今でも忘れられないできごとを、地元の子どもたちにも共有して欲しかったのです」と笑顔で話すのは、岸本工業の岸本直樹副社長だ。小学生の頃、地元・静岡のスポーツ少年団でテニスに熱中していた岸本少年が体験したのは、プロテニスプレーヤーから受けたテニスレッスンだったと言う。

岸本工業株式会社が協賛し、このプロジェクトを開始-Journal-ONE撮影
「具体的に何を教わったかは覚えていないのですが(笑)」と話す岸本副社長だが、「当時熱中していたスポーツのプロ選手と交流したという素晴らしい想い出や、一つのことを極めた人の素晴らしいパフォーマンスを目の当たりにした感動は、今でも自分の心の中に鮮明に残っています」と、社会人になり会社経営を極めている原動力の一つとなっていると教えてくれた。
静岡ドリームセッションは2部構成
現役選手と子どもたちのスポーツ交流は、グラウンドでの練習会やサイン会などが定番だが、静岡ドリームセッションは岸本工業協賛の趣旨を活かし、今までに見たことのないメニューを用意していた。
午前中の練習会では、トップアスリートたちがその高いパフォーマンスを維持するために、激しいプレーから身体を守るために行っているアップトレーニングを体験。怪我なく楽しくソフトボールに取り組めるよう、高校部活動でもできるメソッドを伝授する。
