アスリートが地元掛川を紹介! 「掛川城をバックに戦国武将の気分を味わう」遠州掛川鎧屋

アスリートが地元掛川を紹介!

来期も日本でのプレーを望むブレイク・プレストン選手‐山口パッツファイブ提供
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B3 山口パッツファイブのホームへ

ふらっと山口県に足を運んだのは3月16日。私は様々なスポーツを取材する”雑食系ライター”だが、特に「初めてのチーム」「初めての会場」は大好物だ。前後の予定も含めて考えた結果、バスケットボールのB3、”山口パッツファイブ”vs. “新潟アルビレックスBB”を見に行くことに決めた。

パッツファイブとは幕末に命がけで英国に渡って学び、帰国後は新国家の舵取りを担った伊藤博文、井上馨ら”長州ファイブ”に因んだもの。クラブは宇部市の俵田翁記念体育館をホームとしている。体育館は宇部興産(現・UBE)が費用を寄付して建設され、同社の経営者名を冠している。築66年(1959年竣工)と決して新しくはないが、きっちり手入れがされ、最大収容人員も3000人とそれなりに大きい。

山口パッツファイブのホーム・俵田翁記念体育館∸小野寺俊明撮影

山口パッツファイブのホーム・俵田翁記念体育館∸小野寺俊明撮影

県庁所在地の山口市や下関市、徳山(周南市)といった県内の主要都市からはやや離れているが、山口宇部空港からは2キロ足らずで、空港からタクシーに乗ると数分だった。

パッツファイブの創設が2021-22シーズンで、リーグ参入4シーズン目。今季は開幕から中下位に甘んじていたのだが、16日の試合を前に4連勝とプレーオフ圏内(8位)に届きそうなところまで浮上していた。

平均観客数は”B ONE”(2026-27シーズンからスタートする新しい2部リーグ)参入に必要な1500名に届いていない。ただ、人口16万人の宇部市で、「身の丈経営」のクラブが地域に少しずつ根付いている空気は確かにある。16日の観客数は1392名で、家族連れの多さが特に印象的だった。

試合後の記念撮影でも家族連れのファンが目立つ‐小野寺俊明撮影

試合後の記念撮影でも家族連れのファンが目立つ‐小野寺俊明撮影

コート内にも「何かが起きそう」な空気が漂っていた。

対戦相手の新潟は五十嵐圭、川村卓也と元日本代表の超大物が揃っている。山口はB1経験者が1人もいないものの、15日(○70-60)に続き、16日(○69-52)も難敵に連勝した。3月の10試合を8勝2敗で終えて、3月終了時点で、ついにプレーオフ圏内の8位に浮上している。

アメリカの大学から加入した新外国人

プレーオフ進出のカギとなる選手はブレイク・プレストン選手だ‐山口バッツファイブ提供

プレーオフ進出のカギとなる選手はブレイク・プレストン選手だ‐山口バッツファイブ提供

試合を見てすぐに気づいたのはブレイク・プレストンの力量だ。206センチ・109キロの24歳で、登録はスモールフォワード。ウイングのスキルを持ちつつ、ポストプレー、リバウンドといった「ゴール下で身体を張るプレー」も抜群だった。3月は10試合すべてで30分以上プレーし、1カ月平均16.2得点、16.5リバウンド、6.0アシストと圧巻のスタッツを記録している。

プレストンはNCAA・D1(ディビジョン1)のノースウェスタン大学から加入したフレッシュマン(=新人)だが、逆に言うと新人でなければこのレベルがB3に来ることはないだろう。そのプレーを見て、経歴をチェックしてすぐ思い浮かんだのは、当時B2だったファイティングイーグルス名古屋でキャリアをスタートさせたジョシュ・ホーキンソン(日本代表/現・サンロッカーズ渋谷)のこと。ナイスガイなところも含めて、この2人はよく似ている。

来期も日本でのプレーを望むブレイク・プレストン選手‐山口パッツファイブ提供

来期も日本でのプレーを望むブレイク・プレストン選手‐山口パッツファイブ提供

プレストンにチーム状態を聞くと「今はすごくスペシャルなことが起きていますし、大切なのはやり続けることだと思っています」という前向きな答えが帰ってきた。日本との相性はかなり良いようで、関係者によると来季もBでのプレーを希望しているとのこと。ただ確実に「山口より予算の大きいチーム」から引き抜きが来るだろう。

日本最大クラスの声量を持つ若き闘将

鮫島和人ヘッドコーチ(HC)は選手兼任で32歳。薩摩出身の若き志士が、長州バスケのトップで、昨季から指揮を執っている。彼もこの試合における「発見」だった。

バスケットボール業界の中でもポイントガード、HCは声が一般人の何割も大きい。とはいえ鮫島HCの「声量」は自分が知る限り日本のスポーツ界で最大。数字で図れるものではないが、指導者に不可欠な「パワー」「エナジー」を過剰なほどに持っている青年だ。

■記者プロフィール
大島 和人
1976年に神奈川で出生し、育ちは埼玉。本籍地は和歌山で、現在は東京都北区に在住する。2010年からライター活動を開始し、全国津々浦々に足を運んでいる。
主な取材対象はバスケットボール、サッカーだが、野球やラグビーも守備範囲。取材の疲れをスポーツ観戦でいやす重度の観戦中毒でもある。
軽度の「乗り物好き」でもあり、お気に入りの路線バスは奈良交通「八木新宮線」、沖縄バス「名護東線」と今はなき宗谷バス「天北宗谷岬線」など。
アクセス
俵田翁記念体育館
  • 山陽新幹線 厚狭駅 - 山陽本線(9分)- 宇部駅 - 宇部線(25分)- 草江駅 - 徒歩18 分
取材・文:
大島 和人( 日本 )
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