三冠を狙い、更に強いチームに
最後に話を聞いたのは監督就任5年目を迎える村山 修次監督。「毎年日本一を目標にしていますが、昨シーズンはあと一歩届かない結果でした。 しかし初めて最後の舞台まで行けたので、冬の期間はあと一歩何が足りないのかチーム全体で話し合いました」と話した。
その中でも「日立のソフトボールでぶらさないところは守りつつ、何かを変えていかないと勝てないと思うので、その擦り合わせに時間を当てました」と日立サンディーバらしさを保ちながらも変化を加えていったそう。

冬の間に不足していることを鍛えてきたと話す村山監督ーJournal-ONE撮影
その変化の中には新加入選手の存在もあると言い「日立でプレーしたいと思って入ってきてくれた選手たちなので、新しい風を吹かせて今のチームに更に変化をもたらしてくれることを期待しています」 とコメント。
チームとしての変化を求めているなかで、昨年と今年とで戦い方は変えようと考えているのかを聞いたところ「大きく変えないとは思うのですが、変えないといけないとも思うので、今やっている攻撃的なソフトボールが更に相手に脅威を与えられるように、戦術や攻めの引き出しを増やしたいと思っていますし、選手にも増やしてくれとお願いしています」と明かした。

東地区優勝を決めた村山監督のガッツポーズ-Journal-ONE
そんな村山監督が思い描く2025シーズンは「理想は負けずに最後まで走り抜けることですが、そんなに簡単ではないので1戦1戦成長して強くなっていくチームになればと思います。バタバタしないで最終的にどこにいるのか、それが重要ですし、全部勝つに越したことはありませんが、負けが続いても最後にチームの目標を達成する気概を忘れずに、色々なことを想定しながらリーグを迎えたいです」と力強く話してくれた。
年々、各選手の注目度が上がっていく中で今シーズン、村山監督から見た注目選手を教えてもらうと「全員です。誰が何をやってくれるんだろうと思わせるチームなので、開幕前ですが役割が確定しているポジションは少ないです。ピッチャーや野手も誰が活躍しても驚かないですし、全員が同じ方向を向いてくれたら、ものすごいチーム力を発揮すると思うので、全員がヒーローになるチャンスがありますね。全員のモチベーションや集中力をいい方向に向けられるかが、今年のスタッフの役目だと思います」と少し表情を緩ませて話した村山監督。
「チームの目標はJDリーグの東地区連覇と日本一、全日本総合女子選手権大会(現・皇后杯)と国民スポーツ大会の三冠です。それを勝ち切るタフなチームでありつつ、日立のカラーで楽しく見ている人がワクワクするような試合をできるようにします」と最後は笑顔で今シーズンの意気込みを話し、日立サンディーバの魅力や期待を膨らます内容盛りだくさんの開幕前独占インタビューを終えた。

監督自身は選手を選ばないといけない立場で難しいと苦笑いーJournal-ONE撮影
会社から愛されるサンディーバ
日立サンディーバは会社からの応援も厚く、毎試合スタンドには大応援団が駆けつけているのが印象的だ。その期待に応え準優勝に輝いた昨シーズン、そして日本一を目指す今シーズンの開幕を控えた社内の雰囲気を、日立サンディーバの永井 洋子部長に聞いたところ「昨年の結果は選手、スタッフはとても悔しい結果だと感じていると思いますが、応援してくださる社員の方々からは “素晴らしい結果だ” という賛辞の嵐です」
「高みをめざし日々努力を重ね、23シーズンよりも良い成績でシーズンを終えたわけですから、本当にその通りだと思います。私自身も、決勝戦開始前のセレモニーを眼前にした時 “この場に連れてきてくれて本当にありがとう” と胸が熱くなりました。ただ一方で、時間の経過とともに “25シーズンこそ、日本一になって欲しい” という気持ちが強くなってきている雰囲気も感じていますね」とコメント。

ホンダに勝利して優勝が決まった本庄ラウンドーJournal-ONE撮影
会社から愛されるチームとしてソフトボール部はどんな存在なのかという質問には「少し前になりますが、ある役員が “日立は大きな組織なので縦割りになりやすい側面もあるけれど、サンディーバの活躍が各組織の共通話題となり組織と組織を繋いでくれるといいな、と思っているんだよね” と仰っていました。コロナが明けて、コミュニケーションの在り方が見直されている今、日立サンディーバが少しずつそういう存在になっているならば、嬉しいなと思っています」と話した。
