44歳、日本バスケ界のけん引者
2010年の来日から今シーズンで15年目を迎えた”日本バスケ界のけん引者”が、残り10試合余りで現役生活に別れを告げる決断をしている。
その人の名は、Jeff Gibbs(ジェフ・ギブス)選手。1980年生まれの44歳であるギブス選手は、日本男子バスケットボールプロリーグ B.LEAGUE(以下、Bリーグ)の最高峰であるB1の”越谷アルファーズ”に所属。44歳となった現在でも主力選手としてその存在感を見せつけている。

越谷アルファーズのジェフ・ギブス選手-Journal-ONE撮影
2004年から6シーズンをドイツでプレーをしたギブス選手は、2010年に来日。JBL(日本バスケットボールリーグ)のトヨタ自動車アルバルクに入団し、NBL(ナショナル・バスケットボール・リーグ)の2016シーズンまで活躍した。
その後、B.LEAGUE1部の栃木ブレックス(宇都宮ブレックス)、長崎ヴェルカ、サンロッカーズ渋谷を経て、今シーズンから越谷アルファーズに所属している。
これまで積み重ねたB1での通算得点数は3,567(2018年には日本通算5,000得点も達成)、リバウンド数2,439、スティール数448という輝かしい成績は、今も積み重ねているところだ。

ゴール下でのディフェンスにも定評があるジェフ・ギブス選手-Journal-ONE撮影
15年間(選手としては14年)、日本バスケット界に大きな功績を残したギブス選手は、今シーズン開幕直前の10月3日に引退を発表。多くの選手やファンから惜しまれながら間もなく現役生活にピリオドを打とうとしている。
ギブス選手の引退を惜しむ声
越谷アルファーズのホーム、越谷市立総合体育館で行われた第29節の”秋田ノーザンハピネッツ”戦。試合開始の二時間前から多くのファンが詰めかけた。
エントランスを入り、すぐ目に付いたのは「GIVE THANKS to GIBBS」と大きく書かれた、今シーズン最後となるホーム開催試合を告知するポスターだ。全ての選手、スタッフ、越谷アルファーズファンはもちろん、日本の全てのバスケットボールファンがギブス選手の功績を称え、別れを惜しむ5日間となるだろう。

“GIVE THANKS to GIBBS”と書かれたホーム最後を飾るポスター-Journal-ONE撮影
さらに観客席に向かう導線の一角には、ギブス選手のタペストリーが飾られたメモリアルな空間が用意されている。このタペストリーを買うこともできるが、来場したファンたちが次々に記念撮影を行っていた。
「一生懸命プレーしている顔はちょっと怖いけど、いつも優しい笑顔が大好き」と記念撮影をしていた小学一年生の女の子が教えてくれた。さいたま市から観戦に訪れた父娘は、アルファーズの熱狂的なファン。「アルファーズに影響を受け、娘はバスケットボールを習っています。ギブス選手の引退は本当に残念ですが、家族のために帰国する気持ちは分かります。これまで本当にお疲れ様でした」と、同じ娘を持つ父親としてギブス選手の心情をおもんばかる。
「長崎(ヴェルカ)にはやられてばかりでした。それが、最後に越谷に来てくれて本当に有り難うと言いたい」とギブス選手への思いを語るのは。越谷市内に進む親子4人連れの奥さん。アルファーズファン歴4年のご一家は、好敵手として味方として日本のバスケットボールを盛り上げてくれたギブス選手への感謝を忘れない。

ギブス選手の特設コーナーには別れを惜しむファンが絶え間なく記念撮影をしていた-Journal-ONE撮影
僕は感情的にならないのですが
試合後の会見、この日も4,014人の観客から大きな声援を受けてチーム3番目となる25分34秒をプレーしたギブス選手は、「僕はあまり感情的にならないタイプなのですが、シンプルに嬉しいです」と、その惜しむ声を聞いて感想を述べた。

試合後の会見でファンへの感謝を伝えるジェフ・ギブス選手-Journal-ONE撮影
