夜明けに神社の近くの海を前に立ち、山と神社の間から夫婦岩と海へと昇る日の出は、とても不思議な光景でした。この場所がいかに神聖で、なぜ多くの人が伊勢参りを始めるためにここを訪れるのか、容易に理解することができました。海を見つめながら、今無事に生きていることに、私は計り知れない平和を感じていました。この貴重な瞬間と、早朝の夫婦岩に映る美しい光は、二見に宿泊してこそ味わえるものでした。是非また訪れてみたいと思います。
かつての老舗旅館・賓日館で歴史を学ぶ
日の出を見た後は旅館に戻って、美味しい朝食をいただきました。私がビーガンであることを伝えていたので、それにも快く対応してくれました(卵など、食べられないものは全て事前にお伝えして下さいね)。岩戸館の名物は寄せ豆腐です。自家製の柔らかくておいしい豆腐と、地元のさまざまな食材を載せたトッピングは見た目にもとても美味しそうな逸品です。
朝食後、重要文化財の賓日館を訪れました。博物館になる前は旅館であった賓日館は、多くの皇族をお迎えしてきた歴史があるとのこと。現在もその豪華な部屋を見ることができ、年間を通して様々なイベントが開催されているんですよ。
五十鈴勢語庵の塩羊羹に舌鼓
二見に来たならば、”五十鈴勢語庵” の二見浦岩戸の塩ようかんは外せない旅の楽しみです。宿泊した “岩戸館”さんも絶賛する和菓子屋さんで、二見の塩を使ったようかんが有名です。歴史も古く、昔からこの地域でお菓子を販売していたそうです。
塩を混ぜることで、甘過ぎない絶妙な風味のようかんに仕上がっています。和菓子初心者の外国人の入門編としても最適ですし、あんこやようかんが苦手だという外国人の方にもおすすめです。
“無事に帰る” 願掛けのお土産を買うなら大洋堂
二見での土産をお探しの方、カエルが好きな方は大洋堂がオススメです。二見興玉神社の周辺には、カエルが神の使いとされていることから、カエルの像がたくさんあります。また、カエルは「帰る」と読み、旅の安全を祈願するシンボルでもあります。カエルは、「無事に帰る」と同じ発音なので、このような願が掛けられたんですって。
大洋堂には、あなたの知らないカエルグッズがたくさんあります。季節ごとにお土産の種類も入れ替わるそう。お守りや家に飾るための像もありますよ。
散策に便利な二見浦観光案内所
Wi-Fiの利用や観光案内をして欲しい場合は、二見浦駅と二見興玉神社を結ぶ道中にある”二見浦観光案内所” を利用することをオススメします。また、今回のツアーではここから伊勢神宮までの貸し切りバスが用意されていました。個人でこのコースを旅する場合ですと、二見浦駅から伊勢市駅まで列車で行けますので、ご安心を。
伊勢市駅周辺はランチが充実
伊勢市駅に到着したら、昼食やコーヒーブレイクをするのに最適な場所が幾つかあります。伊勢神宮への参道を散策しながらお店を探してみては如何でしょうか。伊勢に来たら、やはり “伊勢うどん” を食べずにはいられません。醤油出汁が効いた柔らかいうどんが特徴の伊勢うどん。
うどんを食べた後は、甘いものが欲しくなります。伊勢名物の ”赤福餅” は、お餅に甘くてなめらかなあんこをのせた和菓子。コーヒーやほうじ茶との相性は抜群です。伊勢神宮へ参拝する前に、赤福餅を食べるのもオススメしますよ。
伊勢神宮で神聖な空気を感じて祈る
伊勢神宮は、市内外にある125の神社を管理しているということを知らない方も多いのでは無いでしょうか。その中でも特に重要なのが、伊勢神宮の外宮と内宮です。外宮は豊受大御神(とようけのおおみかみ)をお祀りしています。内宮の天照大御神(あまてらすおおみかみ)のお食事を司る御饌都神(みつけかみ)である、衣食住、産業の守り神としても崇敬されているのです。
伊勢神宮の参拝は、まず外宮、次に内宮の順で参拝します。ツアーでは、今回に限り特別に神職さんの案内で神宮参拝することができました。
豊受大神宮(外宮)での参拝
自然に囲まれた外宮は、穏やかで、落ち着きと畏敬の念を感じさせてくれる場所でした。特にそれぞれにお祀りされている神社ではとても神聖な空気を感じ、高位の神々をお祀りしている場所は周囲を囲われ、隠されています。日本人は昔、写真を撮られることは魂を吸い取られることだと考えていたため、神様がいらっしゃる場所、即ち穢れを祓い浄化された場所では写真撮影が禁止されているのです。神職の方は毎日朝と夕の2回、御饌殿(みけでん)で行われる神事でお供えものを、神々に捧げるのだそうです。
いよいよ皇大神宮(内宮)での参拝
いよいよ内宮への参拝です。今回の訪問地の最後となります。内宮を訪れると、巨大な鳥居と全長100mのとても印象的な宇治橋が出迎えてくれます。この木造の橋も20年ごと執り行われる神事で建て替えられるんです。いわゆる “式年遷宮” ですね。案内してくださった神職さんによると、20年間で1億人以上の参拝者の方々が橋を渡るので、20年後には橋の上半分がすり減るんだそうです。凄いです!