ラグビーワールドカップ2023まであと半年!
2023年9月8日からフランスで開催される、“ラグビーワールドカップ” まであと半年!
前回の2019年の日本大会で大いに盛り上がったラグビー人気の勢いそのままに発足した、国内最高峰のラグビーリーグ “JAPAN RUGBY LEAGUE ONE(ジャパンラグビー リーグワン、以下リーグワン)” の2022-23シーズンも後半戦に入り、熱い戦いが続いています。
リーグワンは、日本はもちろん、世界の強豪国で代表を務める一流選手たちのパワー、スピード、テクニックを間近で見られる絶好の機会であり、各チームの個性豊かなスカウティングや戦略などにも見所がある試合が続きます。
そんなチームを支えているのは、活動拠点となるホストエリアの地域の人たちです。
今回は、地域密着でラグビーを盛り上げる千葉県・松戸市の活動と、応援を背に受け全力でプレーするNECグリーンロケッツ東葛の試合をレポートします。
グリーンロケッツ東葛のホストタウン・松戸市
都心で働く人たちのベッドタウンの印象が強い松戸市ですが、江戸幕府15代将軍 徳川 慶喜の弟で、1867年の “パリ万国博覧会” に将軍名代として派遣された徳川 昭武の別邸 “戸定邸” や、“東漸寺” など、徳川家ゆかりの観光地としても有名です。
その松戸市が、 “流山市/松戸市ホストタウンDay” として開催されたNECグリーンロケッツ東葛 vs リコーブラックラムズ東京の会場で、グリーンロケッツ東葛を “食” で応援するPRを行いました。
先ずは、松戸市の特産品である “矢切ねぎ” と “あじさいねぎ” を先着120名の来場者に無料配布する大盤振る舞い!会場早々から多くのファンが駆け付け、競技場前の特設ブースは終始賑わいを見せていました。
試合前のセレモニーでチームにもねぎを贈呈したJAとうかつ中央の秋元 篤司さんは、「ホストタウン松戸の特産品である、”矢切ねぎ” と “あじさいねぎ” を選手たちにも是非食べてもらいたいです。」と県内トップの産出額を誇る地域の食で、『スポーツをする人』を支える取り組みを紹介してくれました。
また、試合を観戦するファンにも嬉しい企画も好評でした!
ラグビー観戦に欠かせないビールのお供として人気だったのが、”あじさいねぎ” を使った餃子風パン(300円税込)です。手を汚さずに片手で食べられますし、ボリュームもあるのでお昼ご飯にも最適のようで・・・ 用意した100個は売り切れてしまいました。
お子さんや女性のラグビー観戦には、松戸産のいちご “やよいひめ” も販売です。酸味が少なくすっきりとした甘さが特長の品種 “やよいひめ” ですが、より美味しく食べながら観戦いただきたいと、コンデンスミルクのカップ付きという嬉しいサービスも!
今回の “ねぎPR” を企画したJAとうかつ中央の佐々木 貴史さんは、「松戸のネギは、熱を通すことで糖度がぐっと上がってとても甘くて美味しいんです。ねぎのPRはもちろん、様々な加工品に取り入れもらってもっと多くの方に食べて貰いたい。」と、今回の取り組みに掛ける意気込みを話してくれました。
松戸市役所 農政課の山川 元基さんと杉崎 慶太さんも、法被を纏ってノベルティの配布に大忙し。「農産物とスポーツが繋がるストーリー。最初はなかなか想像できませんでした。ラグビーファンは本当に様々な世代がいらっしゃるということが良くわかりました。ラグビーファンの皆さんに楽しんでいただけるPRが出来て良かったです。」と、スポーツと農産物のコラボレーションに手応えを感じたようです。
『スポーツを観る人』も松戸の食で支えていく。グリーンロケッツ東葛のホストゲームが益々楽しみになってきますね。
地域の共生社会実現に繋がる「食×スポーツ」
松戸市の食の取り組みは、特産品PRだけでは終わりません。
「生産者を取りまとめるJAとうかつ中央の皆さんと、民間で松戸のネギを使った商品開発をしている皆さんに加え、松戸の社会福祉法人で食品製造販売をしている皆さんにも出店いただきました。」と話すのは、松戸市役所 総合政策部 政策推進課の臼井 薫さんです。
「このブースをきっかけに、食をテーマに頑張っている団体を横断的に繋げることで、新しい共生社会に向けての取り組みが出来るのではないかと期待しているんです。」と続ける臼井さん。なるほど!それでブース名にSDGsが冠されているんですね。
「松戸市には商品を販売している障がい福祉サービス事業所が、23施設あるんです。今日は、そのうちの2施設からグリーンロケッツ東葛の応援に来ました。」と話すのは、浦野 匡介さん。
知的障がいを持つスタッフ17人ほどが豆腐やラスクなどを作っている事業所 “豆のちから” の支援員をされているとのこと。
「今回の出店で、松戸のねぎやイチゴなど、地域の食材を扱う方々と知り合うことが出来ました。今後は、地場産品を取り入れた松戸市ならではの商品も考えていきたいです。」と、ラグビーを通じて地域の絆が深まったことを嬉しそうに話してくれました。
初の連勝へ!グリーンロケッツ東葛 vs ブラックラムズ東京
前節(第9節 vs相模原ダイナボアーズ)で勝利し、波に乗るグリーンロケッツ東葛はこの一戦で初の連勝を狙います。対するブラックラムズ東京も前節に攻撃力が爆発し、調子が上向いているチームで接戦が予想されます。
快晴の下、2,550人の観客が詰めかけた柏の葉公園総合競技場では、序盤から激しい戦いが繰り広げられました。
前半6分にグリーンロケッツ東葛の#5 ルーク・ポーター選手がタックルの際に危険なプレーがあったと判断され、イエローカードでピッチに出る波乱の展開。少ない人数の隙を突いたブラックラムズ東京は、前半10分に#11 ネタニ・ヴァカヤリア選手のトライで先制し、15分にも#21 高橋 敏也選手のトライで14-0と畳みかけます。
追うグリーンロケッツ東葛も、20分に#2 佐藤 耀選手がモールで押し込む反撃トライを見せますが、25分、29分と立て続けにトライを許し、7-35と大きくリードを奪われて前半が終了します。
後半に入って早く点差を詰めたいグリーンロケッツ東葛は、相手陣内深く攻め込みますがあと一歩のところでブラックラムズ東京の硬いディフェンスに阻まれて得点には至りません。
更に、後半11分から一気に選手を入れ替え、フレッシュな状態で状況の打破試みるグリーンロケッツ東葛ですが、ブラックラムズ東京の勢いを止めることが出来ません。
試合巧者のベテラン、瀧澤 直選手、細田 佳也選手、田中 史朗選手を投入するも、流れを変えることが出来ずブラックラムズ東京に3トライ19失点を喫し、7-54の大差で敗れる結果となりました。
この試合、途中出場した細田選手がNEC100キャップを達成!試合後に、ご家族からの花束贈呈セレモニーに満面の笑みで応える姿が印象的でした。試合後の会見で、「行動で範を示す素晴らしい選手。」とレメキロマノラヴァ選手が賞賛したとおり、普段は黙々と献身的なプレーを続ける細田選手ですが、家族に向けた満面の笑みはグランドではめったに見ることの出来ない光景でした。
ホストタウン市民との交流イベントにも積極的に参加している細田選手。ここでも子供たちを前に優しい笑顔で交流する姿を見ることが出来ます。是非、お近くでイベントが行われる際には足を運んでみて下さいね。
またこの日、グリーンロケッツ東葛に摂南大学からアーリーエントリー制度で新加入した、ヴィリアミ・ルトゥア・アホフォノ(ルイ)選手も顔を見せていました。トンガ出身のルイ選手は、プロップやフォワードでもプレーできる万能選手!
「ホームゲームの雰囲気はとても良いですね。1日でも早くファンの前でプレーできるよう頑張りたいです。」と笑顔で語ってくれました。
試合後、ブラックラムズ東京のピーター・ヒューワットHCは「先週、グリーンロケッツも良い戦いで勝利していたので、ハードなゲームになると予想していた。十分に準備した結果、選手達たちはとても良いパフォーマンスを見せてくれた。特にディフェンスから流れを作るチームの良いところが出た。」と快勝の要因を挙げていました。
副将のマッド・マッガーン選手も、「ここまで、前半のディフェンスに課題があった我々だったが、今日は今季一番の出来だった。」と硬いディフェンスに手応えを感じていた様子。
順位を6位に上げ、トップ4が見えてきたことを聞かれると、「意識しない方が無理。これから上位チームとの対戦が続くので、全部勝つつもりで臨めば自ずと良い順位になるだろう。」とヒューワットHCは力強く語っていました。
一方、敗れたグリーンロケッツ東葛のロバート・テイラーHCは「ブラックラムズは、選手層が厚くとても良いチーム。」と健闘を称えるに留まり、完敗にコメントが出ない様子。
主将のレメキ選手も「ブラックラムズは強い。フォワードに攻撃を当てられ続け、体力が削られてしまった。前半からやりたいことが全く出来ず、常に後手に回ることとなり残念な展開になってしまった。」と、終始相手ペースで進んだ試合展開を振り返りました。
「次は続けてホームでの試合となる。強い東芝ブレイブルーパス東京との対戦だが、先週(秩父宮での相模原ダイナボアーズ戦)のような良い試合をホームでも見せられるようチャンスを活かしたい。」と次節への決意を語っていました。
スポーツに勝敗は付きものですが、『スポーツをする人』『スポーツを観る人』『スポーツを支える人』が一体となった素晴らしい雰囲気を楽しむことが大事。地域スポーツを心から楽しんでいるグリーンロケッツ東葛とホストタウンの関係は、これからも多くの人たちの笑顔を生み出す素晴らしい空間を作ってくれるのではないでしょうか。
ラグビーワールドカップ2023まであと半年。ラグビーというスポーツの盛り上がりを活かし様々な地域で行われる活動を今後も取り上げていきたいと思います!