先制のツーランホームランを放った下山選手は、「昨年ZOZOマリンで敗れて悔しい思いをしてから1年、やっとこの舞台に戻って来られた嬉しさと織機さんに勝てた喜びを感じています。」と万感の思いを話します。
「ダラス選手はインコースが得意なので、その得意球をワンチャンスで仕留められればチャンスはあるのかなと思って狙っていました。」と、強打者ならではのエースの決め球を打って勝利を呼び込む打撃が光る下山選手。その成長を問うと、「原田選手、バッバ選手にアドバイスをもらいながら、ミーティングで狙い球をしっかり話し合うことで、成果が出て成長したと思います。」と、チーム力でスキルアップしたことを教えてくれました。
個人賞争いがチーム内で熾烈を極めた後半戦でもあったレッドテリアーズ。「直接、話しをすることは流石にありませんが(笑)、自分の中では絶対に勝つという気持ちはありました。」と、本塁打王・打点王に輝いた要因には、チームで切磋琢磨する中で鍛えた精神力にもあるとのこと。
「相手は昨年王者のビックさん。私たちはチャレンジャーなので、初回からトヨタらしさを出して全員で戦っていきたいです。」と、素敵な笑顔で話してくれました。
「先ず下山さんのホームランで先制点を取れたことが大きかったです。投手陣も継投でピンチもありましたが、粘って攻撃に繋ぐトヨタらしい試合ができました。」と攻守で活躍した切石選手も会心の試合展開を振り返ります。
自身が放った2点目となるホームランについては、「下山さんのホームランで、気が楽になり打席に入りました。良いイメージ通りに打つことができました。」と、ディフェンスについても、「メーガン投手の好投が試合のリズムを作ってくれました。」と、攻守のキーとなる選手が生んだ勝負の流れを上手く勝ちに繋げられたと話す切石選手。
その流れを作ったリードについては、「テンポ良い試合を作れていたので、(右腕のメーガン投手から左腕の後藤投手にスイッチした場面では)球筋が逆になることを活かして、かわすのではなく攻めの配球を心掛けました。」と、掴んだモメンタムを離さないリードの妙を教えてくれました。
「今日のように楽しんでソフトボールをするのがトヨタらしさです。明日も、元気の良さでは負けないよう、明るくプレーすることで流れも来ると思います。今日のような展開にしていきたいですね。」と、明日への意気込みを笑顔で語る切石選手でした。
日替りヒーローを生んだ大声援に感謝 -豊田自動織機
完封で敗れファイナル進出に惜しくも届かなかった、シャイニングベガの永吉 慎一監督は試合後、「ここまで打てないとは思っていませんでした。トヨタさんは投手が豊富なので、どの投手が来ても苦戦すると予想はしていましたが・・・ プレーオフ後に “後藤投手で来るだろう” と発言したのも、起用を悩んでくれたらと思っていました。」と、メーガン投手を読み切って臨み、攻略できなかったことから試合を振り返り始めました。
メーガン投手攻略の糸口は、「どのボールを狙うかという戦略がキーになると思っていたのですが、そこを上手にアウトコースで勝負されました。」と、広い外のストライクゾーンを使って勝負したトヨタバッテリー配球の妙を振り返ります。
その中でも最終回、2死二、三塁と一打同点まで迫った場面を振り返ると、「昨年の結果(大平 あい選手が決勝のツーランホームランを放ち、レッドテリアーズを下した試合)、状態の良さを考えて大平選手を1番にしたり、(プレーオフの殊勲打を放った)森山選手を上位に据えるなど打線の変更も考えてはいたのですが・・・」と、日替わりヒーローで勝ち進んできたシャイニングベガの潮目を活かせなかったことを悔やみます。
そんな中でも。「最終回は代打陣が本当に粘ってくれた。どういう形でも良いから塁に出てくれと話をしていましたが、その通りにやってくれた。もう少し早く、この状況が作れていれば・・・」と、宮本選手、椛山選手の粘りと選球眼を褒めつつ、あと一歩まで迫った悔しさを滲ませた永吉監督。
対戦したレッドテリアーズの印象についても、「シーズン通しての戦い方に変化はないと思いますが、このダイヤモンドシリーズへの入り方。選手、ベンチ、全ての人たちの目の色が違っていました。やはり、こういった試合は勝ちたいと思った方が上に行ける。勉強になった試合でした。」と、レッドテリアーズのファイティングスピリットを賞賛していました。
プレーオフ(神奈川県川崎市)に続き、この試合も埼玉県朝霞市と、本拠地(愛知県刈谷市)から離れた会場に連日詰めかけた大応援団に対しては、「1年間応援していただき、本当に有り難うございました。こういった応援が、ヒーローのいないうちのチームに何十倍もの力を与えてくれたと思います。来年はまたチームを作り直して頑張って参りますので今後とも応援を宜しくお願いします。」と、最大限の感謝の気持ちを表わした永吉監督。来シーズンに向けた名将の新たなチーム作りが、JDリーグを更に盛り上げてくれる期待の高まるインタビューとなりました。