庄村:「山本 由伸投手は、ここ金刀比羅宮に参拝に来たこともあるのですよ!」と、素敵な女性が現われて、ユニフォームを飾っているわけを教えてくれました。エプロン姿の素敵な女性は代表取締役の羽藤 裕子さん。「私が以前勤めていた会社(NTT四国)にも社会人野球があって、野球とソフトボールが大好きになったのです!」と、私たちを大歓迎してくれました。ヴェールズのこともいろいろと質問していただき、本当に嬉しかったです!
遠藤:創業は1914年! 現在の琴平校と同じ、金刀比羅宮の参道に教科書を販売するお店として開業したとのこと。それから110年となる中野屋さんですが、私たち女性が好きそうなカワイイ雰囲気のお店に、素敵な裕子さんに、“うどん学校”と進化の止まらない老舗のとっても明るい雰囲気に、思わず笑顔になってしまいます。
“入学” してうどんを食べるのはなぜ?
川口:讃岐うどん作り体験を始めたのは、1981年からと教えてくれた裕子さん。「当時は、早朝に仕入れたゆで麺をお昼にお客様へお出ししていたのです。本場のうどんを楽しみにされていたお客様から “不味い” とお叱りを受け、作りたてのうどんを食べていただこうと先代社長が考案したのですよ。」と、ファンの期待に応えるために発想した体験メニューだったのです。
庄村:うどん学校講師として、中野屋の三宅 一美さんがやって来ました。「みっちゃんと呼んで下さい! 今日は楽しく一緒にうどん作りを体験してね。」と、元気いっぱいの講義が始まりました。100人くらいが一度に受講できる大きな教室は、まるで大学の大教室みたいです! 家庭科室のような丈夫な机がズラリと並んでいて、本当に学校で授業を受ける気分になりますね。
遠藤:私はうどんをどうやって作るのかを知らなかったので、ホワイドボードに書かれた材料や配合率を見ながら学ぶことができて勉強になりました。特に、季節によって小麦粉や食塩水の投入割合が違うなんて、とても繊細な食べ物なんですね。川口さんと庄村さんが実際にうどんを作りますよ。早速、Instagram投稿用の撮影をしなければ!
楽しく学ぶ! 中野うどん学校 驚きのカリキュラム
川口:最初は、できあがった生地を包丁でうどんの太さに切る体験です。麺棒と手を使って生地を伸ばしていきます。難しかったのは切る作業で、包丁全体に均一に力を加えないと上手く切れません・・・ モチモチした生地の弾力に負けないよう、一気に包丁を入れていきます。「切ったうどんは後で実際に食べてもらいます。お二人が上手に切らないと、きしめんのようなうどんになっちゃいますよ(笑)。」とみっちゃんに言われ、俄然やる気になってきました!
庄村:続いてはいよいよ、小麦粉からうどん生地にしていく体験です。ボウルに入った小麦粉に食塩水を入れて、ひたすら捏ねていきますが・・・ この作業、結構キツいです。全身を使って両手にしっかりと力を伝えないと、上手く小麦粉と食塩水を混ぜ合わせることができないのです。最初は笑顔で捏ねていましたが、段々身体が熱くなってきて汗も出てきました。これ、トレーニングしているみたいです。
遠藤:川口さん、庄村さんが上手にお団子状の生地を作ってくれた後は、いよいよ生地を足で踏んでコシを出す行程に入ります。この作業は、私を含めて取材スタッフの皆さん総出の大作業となりました!
川口:最初から気になっていた入口にあった “カラオケ” の機械をセットし、タンバリンを持ってきたみっちゃんが、「音楽に合わせて楽しく、リズム良く生地を踏み込んでいきましょう! それではミュージックスタート!」と声を掛けると、教室内に私の好きなBTSの音楽が流れ始めました。音楽に合わせて生地を踏んでいくのですが、これも結構な重労働です。「開校当初は、座学でうどんの勉強が中心でしたが、やはり時代に合わせて楽しく体験するメニューに代えたのです。修学旅行生の皆さんも、喜んで体験していただいています。」と、裕子さんがタンバリンでリズムを刻みながら教えてくれました。
庄村:曲を代え、踏むメンバーを代えて数度、うどん生地を踏み込むと、徐々に弾力が強くなってきましたね。この作業が讃岐うどん独特の食感を生んでいくのですね。それにしても、みんなで音楽に合わせてタンバリンを叩きながら踊るようにうどん生地を踏む姿は、まるでカラオケボックスに居るかのよう! 裕子さん、みっちゃん、取材スタッフの皆さんと一緒になってはしゃいで本当に楽しかったです!
遠藤:みっちゃん先生のチェックを受けたうどん生地の出来映えは・・・ 「良くできました! これで皆さんもお家でうどんを作ることができますね。卒業おめでとう!」と、無事合格のお言葉をいただきました! 今日の出会いの感謝を色紙に込めてお渡しして、皆さんと記念撮影です。巻物状の卒業証書をいただきましたが、証書にはうどんの作り方が書いてあったり、掛け軸の棒は麺棒としても使えたりと、家に帰っても体験の思い出がいつまでも残るような工夫がされていることにも驚きました。