川口：いよいよ最後の石段 “御前四段坂” にやって来ましたよ! この133段の石段を登ると、いよいよ御本宮が見えてきます。やったぁ! ついに785段目の御本宮に到着しました。私たち3人がチームを代表し、これからヴェールズの必勝を祈願するご祈祷をお願いしたいと思います。

凜とした空気に心が澄む -金刀比羅宮 御本宮

遠藤：江戸時代から、“一生に一度は、こんぴら参り” といわれ、現在も年間400万人もの人たちが参拝に訪れる “金刀比羅宮 御本宮”。時折雨の降る少し寒いこの時期ではありますが、冬の寒さだけではない凜とした空気が漂います。

川口：今日のご祈祷をお願いするにあたり、金刀比羅宮の総務部長で禰宜の請川 誠之（ともゆき）さんにご案内していただけることになりました。清潔感ある白衣に紫色の袴が鮮やかな神職装束の請川さんの側に居ると、凜とした空気が一層引き締まった感じになります。

御本宮（北側から）

庄村：「みなさん、ようこそ金刀比羅宮へお越し下さいました。」と、柔らかで優しい口調ではなしかける請川さんに、私たちの緊張が和らいだことがわかると、「金刀比羅宮の神様は、何に御利益のある神様だと思いますか?」と、早速の質問タイムです。

遠藤：家内安全? 商売繁盛? 恋愛成就? と3人でいろいろな願いを出していきますが、請川さんは、「家内安全にも御利益がありますし、恋愛成就にも御利益があります。でも、一番御利益があるのは?」と笑顔で質問を続けます。御本宮に来るまで、丸亀城天守からの景色や、石段から振り返った琴平の景色を思い出して、海の神様かな? と聞いてみると、「そうです、金刀比羅宮があるこの象頭山は昔から海を行き交う船が安全に航行できる目印の役割を果たしていました。御本宮は、船の神様、海の守護神として崇められているのです。」と、その理由を教えてくれました。

金刀比羅宮 禰宜の請川 誠之総務部長と

川口；海の神様なのに、恋愛成就などのお願いも聞いてくれるのですか? と質問すると、「主祭神の大物主大神（おおものぬしのおおかみ）は、国造りの神様として、農業、工業、商業すべての産業開発、 方除（ほうよけ）、治病、造酒、製薬、禁厭（まじない）、交通、航海、縁結びなど世の中の幸福を増し進めることを計られた人間生活の守護神として尊崇されています。大物主大神を主祭神とする神社は幾つかあって、それぞれに主な守護の役割が違うのです。その中で、金刀比羅宮は航海の守護が主となっているんですよ。」と、請川さんが分かりやすく説明してくれました。守護の範囲がとても広い神様であることに驚きです! 二刀流どころではありませんね。

庄村：ご祈祷をお願いするにあたって、ホームページで案内されているお願いごとの例だけでも家内安全、商売繁盛、会社繁栄･･･と、何と21通りもありました! 他にもお願いことをご祈祷頂けるということで、私たちは伊予銀行ヴェールズのJD.LEAGUEプレーオフ進出リーグ戦祈願をお願いすることにしました。

ご祈祷の順番を待つ間緑黛殿

遠藤：ご祈祷の順番を待つ間、“緑黛殿” で請川さんとお話をさせてもらいました。「ソフトボールは良く知らないので教えて下さい。」と話す請川さんに、ヴェールズがオリンピックの金メダリストたちや、世界各国のトップ選手が競うトップリーグで活動していることを話すと、とても興味深く聞いてくれました。

川口：私たち3人が愛媛県でも四国でもない土地からやって来てプレーしていることにも驚かれていました。「静岡に、鹿児島に、秋田! 皆さん遠くから集まってトップリーグで活躍しているのですね。頑張って下さいね。」と優しく励ましていただき、本当に嬉しかったです。

決意も新たに必勝祈願 -金刀比羅宮 ご祈祷

庄村：いよいよご祈祷の時間となりました。お祓いを受け “南渡殿” の長い廊下を歩き、ついにご祈祷していただく “御本宮” にたどり着きました。とっても緊張します。

川口：神職さんにヴェールズの名前、私たちの名前を読み上げていただき、大物主大神様に必勝をお願いします。金色に輝く大きな御幣（ごへい）でひとりひとりの背中を触れていただくと、本当に何か力が湧いてくるように感じます。兎に角、チームのみんなが怪我なく、納得のいくプレーを全力でできるように一生懸命お祈りしました。