秩父宮ラグビー場 ─ 日本ラグビーの聖地が放つ、圧倒的な臨場感

東京の中心、青山の街並みに突如として現れる緑のグラウンド。1947年の開場以来、「西の花園、東の秩父宮ちちぶのみや」と並び称されるこの場所は、ただの競技場ではない。そこでは、選手の息遣いが聞こえ、タックルの衝撃が肌に伝わる。そして、観客とフィールドの距離が限りなく近い、まさにラグビー観戦の極みだ。

秩父宮ラグビー場の特徴・魅力

秩父宮ラグビー場の特徴

戦後間もない1947年、女子学習院の跡地に「東京ラグビー場」として生まれた。そして1953年、秩父宮雍仁（やすひと）親王の遺徳を偲び、現在の名に改称。そして、日本で唯一のラグビー専用球技場として、早明戦、リーグワン、神宮外苑花火大会など、数々の歴史を刻んできた。その天然芝のフィールドは選手の足音をそのまま伝え、バックスタンド最前列はグラウンドまでわずか数メートル。そうしたネットもフェンスもない開放感が、ここを聖地たらしめている。

秩父宮ラグビー場の魅力

最大の魅力は「近さ」だ。まず、東スタンド最前列に座れば、選手の汗が飛び散るほどの迫力。そして、西スタンドの屋根付き席からは、戦術全体を見渡せる。たとえ、ラグビー初心者でも、衝撃の連続で一瞬にして虜になる。そこにある神宮外苑のいちょう並木を抜け、スタジアム通りに足を踏み入れる瞬間から、もう試合は始まっている。

秩父宮ラグビー場へのアクセス

都心の一等地にありながら、驚くほど便利。専用駐車場はないため、公共交通機関が絶対王道だ。

• 東京メトロ銀座線「外苑前」駅 3番出口より徒歩5分（正面入口まで最短）
• 東京メトロ銀座線・半蔵門線／都営大江戸線「青山一丁目」駅より徒歩10分
• JR中央・総武線「千駄ヶ谷」駅または「信濃町」駅より徒歩15分

試合日には外苑前駅が混雑必至。よって、少し歩いて青山一丁目駅からアプローチするのも賢い選択だ。
詳細アクセスは公式サイトで確認を。

秩父宮ラグビー場の施設概要

2025年11月現在、老朽化が進む現施設は最後の輝きを放っている。2027年末に新スタジアムへの移行が予定されており、今が「旧秩父宮」の最後の観戦チャンスだ。

開場時間

イベントにより開場時間は異なる。通常試合日は開場2時間前。最新情報は公式イベントページで。

利用可能施設

売店（3-5ゲート付近）、トイレ、クラブハウス。そして、屋外テニスコートが7面（別管理）。

収容人数

最大25,194人（2025年現在）。新スタジアムはラグビー開催時約15,547人、コンサート時約25,047人とコンパクトで快適な設計に生まれ変わる。

フィールド仕様

天然芝（現在）。新スタジアムは人工芝。加えて、全天候型密閉屋根付きへ移行予定。

設備

夜間照明（鉄塔式1,000ルクス）、大型映像装置、電光掲示板。そして、新スタジアムでは最新の音響・照明が導入される予定だ。

座席表

西スタンド（メイン）が屋根付きで快適。そして、東スタンド（バック）は選手との距離が最も近い。また、南スタンドは10列目以降が屋根あり、北スタンドは立ち見エリアとなっている。
最新座席表PDFは公式座席案内を参照されたい。

秩父宮ラグビー場のその他詳細情報

神宮外苑再開発の一環で、2027年12月末に新スタジアム（神宮第二球場跡地）が第1期オープン予定。老朽化した現施設は2027年シーズン終了後閉鎖予定。人工芝＋屋根付きで、天候を気にせず観戦できる次世代スタジアムが誕生することとなるだろう。

利用案内

試合・イベント観戦のチケットはチケットぴあ、ローソンチケット。それからリーグワン公式などで販売。

予約方法

試合チケットは各プレイガイドでオンライン購入。そして、シーズンシートはリーグワンチーム公式サイトから。

利用料金

試合により異なる（指定席3,000〜10,000円程度）。ちなみに、神宮外苑花火大会は別途有料席設定あり。

注意事項

・専用駐車場・駐輪場なし。公共交通機関必須。
・再入場不可（試合による）。
・飲食物持ち込みは制限あり（ペットボトルはOKの場合が多い）。
・雨天時は屋根なし席に注意。ポンチョ持参推奨。

秩父宮ラグビー場の近隣スポット情報

神宮外苑のど真ん中。試合前後に立ち寄れるスポットが目白押しだ。

• 明治神宮野球場（徒歩3分） ─ 野球とラグビーのハシゴ観戦が可能
• 国立競技場（徒歩10分） ─ 日本スポーツの中心地
• 神宮外苑いちょう並木（すぐ隣） ─ 秋の黄金ロードは必見
• 外苑前・青山エリアのカフェ＆レストラン ─ 試合後のディープな語らいに
• 日本青年館ホテル ─ スタジアム至近のオフィシャルホテル

秩父宮ラグビー場は、ただの会場ではない。78年の歴史が息づく、日本ラグビーの心臓部だ。今のうちに、この距離感、この空気を、肌で感じてほしい。そして2027年末、新生秩父宮がまた新たな伝説を紡ぎ始める。その日を、グラウンドの芝生のように、鮮やかに待ちたい。