平安時代中期の天文学者、安倍晴明公が祀られている晴明神社。京都市は上京区堀川通に位置し、晴明公の邸宅跡で御所から見て鬼門にあたる位置にある。

創建は寛弘4年（1007）で、一条天皇の命により晴明公の偉業を讃え、そのみたまを鎮めるために設けられた。応仁の乱や豊臣秀吉による都の造営、度重なる戦火によって縮小したが、氏子の努力により整備改修が進められ、昭和25年（1950）には境内地が拡張され復興が進んだ。

一の鳥居には、神社名や神様の名前ではなく、金色に輝く社紋「晴明桔梗せいめいききょう」が掲げられており全国的にも珍しい。「晴明桔梗せいめいききょう」は「五芒星ごぼうせい」とも呼ばれ、晴明公が創った陰陽道に用いられる祈祷呪符きとうじゅふのひとつである。

現在の本殿は明治38年に建てられた。境内の最も奥には晴明公をお祀りする本殿があり、「晴明桔梗せいめいききょう」が随所にあしらわれ、おごそかな雰囲気に包まれている。本殿の南側にいくと10の逸話が紹介された顕彰板があり、晴明公の伝説が紹介されている。

境内には楠の御神木があり樹齢推定300年にもなる。晴明井せいめいいは、晴明公が念力により湧出させた井戸で病気平癒びょうきへいゆのご利益があるとされ、湧き水を頂くことができる。

晴明神社せいめいじんじゃでは、厄除けや病気平癒びょうきへいゆなどのご祈願を受け付けている。特に厄除け祈願は、晴明公が平安時代の災厄を祓ったことに因み、多くの人々が訪れる。境内の授与所では、御祭神 安倍晴明あべ の せいめい公のご神前でご祈祷ご祈祷されたお守りやお札を授けている。