


八坂神社(祇園さん)
八坂神社の特徴・魅力
八坂神社の特徴
京都・四条通の東端に位置する八坂神社は、656年に高麗からの渡来人・伊利之が素戔嗚尊を祀ったことに始まるとされる古社。
かつて平安京成立前から疫病退散の聖地として信仰を集め、そして明治の神仏分離により「祇園感神院」から現在の名に改められた。
国宝の本殿は1654年、徳川家綱により再建された祇園造で、荘厳な檜皮葺きが特徴。そして、境内には重要文化財29棟が立ち並び、応仁の乱や大正期の修復を経て歴史を今に伝えている。
ちなみに、伝承では本殿下に「青龍の龍穴」が宿り、神秘的な雰囲気を漂わせている。
八坂神社の魅力
全国約2300社の八坂神社の総本社であるこの神社は、素戔嗚尊の守護霊が宿る場所として知られている。ここでの七不思議巡りは祇園信仰の深さに触れられる機会でもある。
また八坂神社は、縁結びや美容祈願のパワースポットとして特に女性に人気がある。たとえば、美御前社では美の女神に祈りを捧げたり、大国主社で因幡の白兎像に良縁を願うといった具合に。
ちなみに夜の舞殿に灯る提灯は、昼間とは異なる幻想的な光景が見られる。京都の風情を愛する人にとって、この八坂神社での祈願は心満たされるはずだ。
八坂神社へのアクセス
八坂神社への道のりは京都の風情を味わう旅の一部。市営バス206・100系統で「祇園」停留所下車、徒歩3分で西楼門へ。京阪祇園四条駅や阪急河原町駅から四条通を東へ徒歩10分、石畳の茶屋街を楽しみながら到着できる。
車利用なら京都市営円山駐車場(西楼門北側、徒歩1分)や周辺のコインパーキングが便利だ。
八坂神社の施設概要
本殿を中心に16の摂社・末社が並ぶ境内は、祇園造の国宝本殿が核となっている。
そして、内々陣と内陣に3間通しの棚を備え、外陣が四周を囲む構造は建築美の極みといえる。
また、西楼門(1497年再建、高さ9m)、南楼門、石鳥居、銅板葺きの舞殿や、唐草模様の彫刻塀が歴史的景観を彩る形だ。
これら平安時代の様式を伝える29棟の建造物は、訪れる者を歴史の深さを感じさせてくれるはずだ。
開門時間
境内は年中無休・24時間開放で、早朝の静寂から深夜の神秘まで参拝可能。また社務所は9時〜17時、祈祷受付は9時〜16時までである。ちなみに大晦日は23時に一時閉門するが、元日0時の初詣で再開される。
また7月の祇園祭期間中は夜間通行規制があるものの、境内は開放され、31日の夏越祓まで神事が続く。
本殿・舞殿
本殿には、素戔嗚尊(すさのおのみこと)、櫛稲田姫命(くしなだひめのみこと)、および、八柱御子神(やはしらのみこがみ)が祀られている。そして、祇園造の大屋根は礼堂と一体となり、荘厳な雰囲気を醸し出している。
そして、内部は一周できる構造となっており、青龍の龍穴が神秘的な空気が漂っている。
また、隣接する舞殿では、神輿の降ろしや祇園囃子の奉納が行われる。
御朱印・参拝料
御朱印は祇園社朱印を中心に13種。八坂紋結びのピンク台紙や青龍切り絵の限定版が人気。
授与所は9時〜17時対応。参拝は無料、祈祷は5千円以上で本殿昇殿可能。お焚き上げも受け付けている。
利用案内
祇園祭情報
祇園祭は、869年の御霊会(ごりょうえ)を起源とする、京都を代表する伝統的な祭り。これは毎年7月1日から31日まで1か月間にわたり開催され、日本最大級の祭礼として知られている。
祭りのハイライトは、ユネスコ無形文化遺産にも登録された「山鉾巡行」。前祭(さきまつり/7月17日)では23基、後祭(あとまつり/7月24日)では11基の山鉾が四条通を華やかに彩る。
さらに、宵山(よいやま/7月14〜16日・21〜23日)では、提灯の灯りと祇園囃子が夜の街を幻想的に包み込む。ここでは神輿渡御(みこしとぎょ)や粽(ちまき)の授与など、古くからの伝統行事も見どころのひとつとなっている。
注意事項
ペットの参拝はバック抱っこで可能だが、境内の清浄に配慮が大切。また、個人撮影は自由だが、商業目的の撮影は提携店以外禁止となっている。また、修学旅行の集合写真は事前連絡が必要となる。
それから、手水舎での飲食や提灯・彫刻への接触は禁止。敬意を持って参拝を行いたい。
八坂神社の近隣スポット情報
八坂神社周辺は、京都の歴史と風情が凝縮されたエリア。まず、徒歩約5分の「高台寺」は、豊臣秀吉の正室・ねねが建立した禅寺で、幽玄な庭園や夜間のライトアップが魅力。次に、舞台からの絶景と三重塔が魅力の清水寺は、徒歩約7分。
そして、祇園花見小路(徒歩約3分)や「二年坂・三年坂」(徒歩約8分)は散策に最適。
また、グルメでは、八坂神社から徒歩約5分の「祇園四条 鍵善良房」が、老舗の和菓子店として名高い。また、抹茶スイーツが人気の「祇園辻利 祇園本店」(徒歩約3分)は、濃厚な抹茶パフェや煎茶が観光の合間に最適だ。
あるいは、京都ならではの豆腐料理を堪能したいなら、「祇園 豆六小路」(徒歩約5分)で、湯豆腐や生麩の繊細な味わいが堪能できる。
スポット基本情報
スポット情報
- 住所京都府京都市東山区祇園町北側625
- TEL075-561-6155
- アクセス
① 東京都(東京駅) - 新幹線 約2時間15分(東海道新幹線「のぞみ」、京都駅下車) - 京都駅 - バス約15分(京都市バス「祇園」下車、206系統など) - 徒歩約2分/または、京都駅 - タクシー約10分
② 大阪府(大阪駅) - JR快速 約30分(JR京都線新快速、京都駅下車) - 京都駅 - バス約15分(京都市バス「祇園」下車、206系統など) - 徒歩約2分/または、京都駅 - タクシー約10分
③ 京都府(京都駅) - バス約15分(京都市バス「祇園」下車、206系統など) - 徒歩約2分/または、タクシー約10分
④ 兵庫県(神戸駅) - JR快速 約50分(JR京都線新快速、京都駅下車) - 京都駅 - バス約15分(京都市バス「祇園」下車、206系統など) - 徒歩約2分/または、京都駅 - タクシー約10分
- その他【営業時間】24時間(社務所:9:00~17:00) 【定休日】年中無休

- 取材・文:
- Journal ONE( 編集部 )