今季初勝利に向け
女子ソフトボール “ニトリJDリーグ” は第4節。愛知県名古屋市にあるパロマ瑞穂野球場で行われた金曜日のナイトゲームは、共に本拠地を愛知県に置くチーム同士の「地元対決」。試合前から話題を呼ぶ一戦に相応しい好ゲームとなった。
ホームチームの “東海理化チェリーブロッサムズ” は開幕から勝ち星がなく、このホームゲームで悲願の今季初勝利を狙う。試合前には東海理化は二之夕(にのゆ)裕美(ひろよし)社長が激励に訪れ、エースの “推しのソ” 永谷 真衣投手と、怪我で戦線を離脱している4番の吉田 菜々選手を激励する場面も。
対する前シーズン覇者の “トヨタレッドテリアーズ” は、開幕から東西16チームで唯一の7連勝と好調を維持している。
5月の爽快な陽気となったこの日、東海理化は “推しのソ” 田畑 七海投手、トヨタは石堂 紗雪投手。どちらが勝っても “JDリーグ初勝利” となるこの試合にかける両チームの選手たちの熱い戦いが始まった。
今季初勝利への執念が序盤を制す
初回から両投手の好投で静かな立ち上がりを見せたこの試合。先制したのは初勝利に執念を燃やすホームチームの東海理化だった。
2回表、トヨタの「日本代表コンビ」である下山 絵理選手と、”推しのソ” 切石 結女選手がヒットを放って1死一、三塁と先制のチャンスを掴むも田畑投手が連続三振を奪ってピンチを脱すると、その裏に試合が動く。
東海理化の地元・愛知県出身の松葉 寧々選手が豪快に中越ソロ本塁打を放って先制点!初勝利に執念を燃やすチームに勢いを付けた。
さらに二死から、元川 環選手、阿出川 美夢選手の下位打線がヒットを放って追加点のチャンスを作るが、石堂投手が後続を抑えて最少失点で凌ぐ。
チャンスを作り続けたトヨタが中盤ついに逆転
毎回のように得点圏に走者を進めたトヨタだったが、試合中に元川捕手、江渡 祐希投手コーチと常に対話を重ねていた田畑投手は、低めにボールを集める丁寧な投球を見せて要所を締める。
しかし、試合巧者のトヨタは5回表二死から澤田 望愛選手が四球と盗塁で得点圏まで進むと、打席に入るは3番のキャプテン・鎌田 優希選手。昨シーズンは2番打者としてチーム最多の犠打数をあげた “For the team” の打撃から一転。クリンアップとして中前に同点適時打を放って試合を振り出しに戻す。
するとこの日、2打席連続で安打を放っている4番・下山選手に左中間に逆転の適時二塁打が生まれ、中盤のワンチャンスでしっかりと逆転に成功した首位・トヨタ。
抑えは日本代表・エースが
こうなると、先発・石堂投手に初勝利をプレゼントしたい馬場 幸子監督は、次の回から迷わず “日本のエース” 後藤 希友投手をマウンドに送る。
反撃したい東海理化は、円陣で大きな声を出して気合いを入れて後藤投手に立ち向かうも、この日も安定した投球を見せる後藤投手は危なげなくアウトを重ねていく。