1946(昭和21)年から毎年、各都道府県持ち回り方式で開催されている国内最大の総合スポーツ大会・国民体育大会(以下、国体)。
2022年の国体・本大会は、10月に栃木県で3年ぶりに開催されます!
コロナ禍により、2020年、2021年と2年続けて中止となってしまいましたが、その分もあって今年は選手や関係者の皆さんだけでなく、応援する私たちにとっても楽しみな大会です。
その栃木県での国体・本大会への出場権をかけて、各地では早いところでは4月からその戦いが始まっていることを知っていますか?
Journal-ONEでは、「いちご一会とちぎ国体」はもちろん、地域の代表を争う熱い戦いが繰り広げられるブロック大会に注目!
冬季大会、本大会に分かれて行われる競技のうち、本大会の種目のひとつである「ソフトボール」の成年女子の部に焦点を当て、各県選手の皆さんや大会を運営する関係者の方々を通じ、スポーツが紡ぐ人と人との絆を紹介していきます。
ソフトボール成年女子の部は、東京2020金メダリストを含む日本代表選手が多く出場する注目の競技です!
加えて、世界最高峰のソフトボールリーグ「JD.LEAGUE」で活躍している選手、平日フルタイムで社業に携わりながら活動を行う社会人リーグの選手、部活動で日々腕を磨く大学生と様々なバックボーンを持った選手が頂点を目指して戦います。
日本を代表するトップアスリートと、一般の社会人や大学生が力を合わせて競技する姿を見ることの出来る貴重な大会なのです。
ソフトボールの本大会(栃木県大田原市で開催)へ出場するには、北海道、東北など全国9箇所で行われるブロック大会を勝ち進まなければなりません。
今回は、2022年8月27日(土)~28日(日)に清流・揖斐川が流れ、美しい山々に囲まれた岐阜県揖斐川町で開催された、東海地区ブロック大会から、国体の魅力をお伝えしたいと思います。
2022年10月8日(土)~10日(月)の本大会を取材した、国民体育大会が盛り上がる理由の記事も是非ご覧下さい。
東海地区では、主催県の岐阜県を始め、愛知県、三重県、静岡県の4チームがトーナメント戦を行い、優勝したチームだけが本大会に出場できる狭き門!
今回は、注目の一戦として愛知県vs静岡県の試合を紹介していきます。
愛知県にはJD.LEAGUEに所属する多くのチームがあります。
JD.LEAGUE西地区で首位を独走する「トヨタ レッドテリアーズ」、同じく西地区で上位に位置する「豊田自動織機 シャイニングべガ」と「東海理化 チェリーブロッサムズ」、東地区の「デンソー ブライトペガサス」の4チームがあるんです!
しかも、東京2020で金メダルに輝いたソフトボール日本代表15選手のうち、6選手を輩出したことも記憶に新しいですよね。
今回の愛知県選抜の指揮を執るのは、ご自身も現役時代に北京オリンピックで金メダルに輝いた馬場 幸子監督です。
「今年はトヨタが幹事チームとなっているため、私が監督をすることになりました。“ふるさと選手制度” を使って郷土のチームに合流するデンソーさん以外のJD.LEAGUEのチームと中京大学の選手で選抜チームを編成しているんです。」とのこと。
ドリームチームという長所もありますが、急造チームでもあるため調整の難しさを伺うと、
「日本代表(8月に開催された日米対抗ソフトボール2022)やJD.LEAGUEでお互いを知っている選手ばかりですし、中京大学の選手も年齢が近いので早々に打ち解けて良い雰囲気で調整できていますよ。」と笑顔で話してくれました。
東京2020で日本中の注目を浴びた後藤 希有選手を始め、日米対抗ソフトボール2022で日本代表として活躍した石川 恭子選手、伊波 奈々選手、切石 結女選手、中川 彩音選手といった有名な選手が集うチームの目標は勿論、全国制覇ですが・・・
「リーグ戦と違って、トーナメント戦は何が起こるか分からない緊張した試合が続きます。先ずは目の前の試合に全力で臨みます。」と現役時代に大舞台で活躍した馬場監督の引き締まった表情がとても印象に残りました。
一方の静岡県は、2022年7月9日(土)に行われた静岡県予選で、JD.LEAGUEの「NECプラットフォーム レッドファルコンズ」を破って静岡県代表を勝ち取った日本女子ソフトボールリーグに所属する靜甲株式会社を中心にしたチームで戦いに臨みます。
実は静岡県、国体ならではの制度・ふるさと選手制度を活用して、ひとりの大物選手を招請していたのです!オレンジ色が鮮やかな静岡県のユニフォームに着替えたその方は・・・
そう!東京2020金メダリストで、元トヨタ レッドテリアーズ所属、Journal-ONEのレポーターをしていただいている山崎 早紀さんです!
ふるさと選手制度とは、国体独自の参加資格。居住地である現住所や勤務地以外に、ふるさと登録の出来る都道府県から国体に参加できる制度。卒業した小・中・高等学校いずれかの学校が所在する都道府県の代表として、成年種別の選手のみを対象としています。
昨シーズンで現役を引退された山崎さんが、この制度を活用してこの大会のみ現役復帰され、しかも元チームメイトが主力の愛知県と真剣勝負をする貴重なシーンは本当に楽しみでなりません。
これも、国体でなければ観ることの出来ない魅力のひとつですね。