リーグ元年の最終戦に思う
日本代表選手はもちろん、各国のオリンピアンもプレーする国内リーグ「JD.LEAGUE(Japan Diamond Softball League)」。
リーグ元年となった、2022年シーズンの最終節(第15節)が、愛知県豊橋市と刈谷市、岐阜県大垣市、神奈川県横浜市で開催されました。
初代女王の座をかけてプレーオフ進出を狙うチーム、リーグ優勝を果たし決戦に向けた最後の調整を行うチーム、来シーズンの飛躍に向け有終の美を飾りたいチーム・・・
それぞれの目標に向かい、素晴らしいプレーを見せてくれました。
観客に最高のプレーを届けることがアスリートの使命ですが、JDリーグはそれだけが魅力のスポーツリーグではないんです!
地域のファンがアスリートを支え、アスリートが地域を支える。今回は観に行かないと分からないソフトボールが紡ぐ地域との絆についてレポートしていきます。
選手とのふれ合いも観戦の醍醐味
愛知県豊橋市で行われた試合後、同じ愛知県大口町がフランチャイズのTOKAIRIKA Cherry Blossoms(東海理化チェリーブロッサムズ)を中心とした、地元・中高生への「ソフトボール教室」が開催されました。
選手たちと地域の子ども達が、笑顔いっぱい楽しくソフトボールを通して心を通わせた素敵な時間を紹介します。
僅か20分程前に試合を終えたばかりの東海理化の選手たちがグラウンドに再登場!
今回は、対戦したSHIONOGI RainbowStokes(シオノギ レインボーストークス兵庫)の選手たちも参加する豪華な顔ぶれです。
先ずはお手本として、両チームの選手が一緒にシートノックです。
異なる2つのチームが一緒にシートノックを受ける貴重なシーン!
集まった8チーム50人を超える中高生の選たちは、お目当ての選手を間近で観ようと、それぞれのポジション脇を陣取り、真剣なまなざしでプレーを観察していました。
その後は、バッテリー、内野、外野に分かれて、中高生たちと選手たちが一緒に練習をする夢の時間が始まりました。
外野チームでは、先程の試合で見事な本塁打を放った東海理化の加藤亜美選手がリーダーとなって、基本トレーニングや守備のスキルアップを実践!
「先ずは、外野守備の基礎として私たちがいつも行っているトレーニングをやってみましょう!」と、加藤選手の掛け声に続き、選手がお手本を披露します。
股関節の強化と捕球のタイミングを取る練習を兼ね、大きく片足を踏み出して手をいっぱいまで伸ばし、投げられたボールを地面すれすれでキャッチするトレーニングです。
選手が簡単にやっているお手本を見た後で実際に中高生がトライしますが、中々難しいようです。。。
悪戦苦闘するペアに寄り添って優しくコツを教える山本 エンジェル選手。段々と中高生の緊張も解れてこの笑顔です。シオノギの選手たちも持ち前の明るさで子ども達とふれ合い、みんなのびのびと練習に取り組むようになってきました。
「次はバックホームの際の捕球の練習です!勢いよくダッシュしながらゴロを捕る難しい練習ですが、思い切って走って捕れる力を付けましょう。」と加藤選手。
7mほどの間隔に設置したコーンとコーンの間を全力疾走し、ゴロを捌く難しい練習に中高生はまたもや悪戦苦闘。。。
加藤選手と同じく、先程の試合で先制本塁打を打った吉田 奈々選手に「ナイスプレー!」「惜しい!もうちょっと!」と声を掛けられた中高生もどんどんやる気が溢れてきました。
「シオノギの選手も参加してくれたので、全員に目が行き届くことが出来ました。徐々に笑顔や元気が出てきたところで終わってしまって残念。今度は、もう少し時間を取って見てあげたいです。」と試合の疲れも見せずに笑顔で話してくれました。
投手組の練習に目を移すと、ひとりの投手につきっきりで教える選手の姿が。
先程の試合で先発した東海理化のエース・永谷 真衣選手です。投球動作から足の踏み出しまで、中高生と丁寧に確認しながら投球の極意を惜しみなく教えていました。
「全体的にレベルが高くて驚きました。ソフトボールを始めてまだ半年しか経っていないという子も本当に上手で、つい専門的な話になってしまいました。」と永谷選手。
「始めたばかりで投球にクセがあったので、今修正した方がもっと上手くなるかなと思って。時間が足りなくて、もっと他の子も見たかった~」と、名残惜しそうに中高生達を見つめていました。
「実は、オフ期間の方がこういったふれ合いの時間が多いのです。」とクリニックを終えた加藤選手が話します。
翌日の最終戦終了後には、「今シーズンは試合数が多く、駆け抜けた1年でしたが、選手としてチームとしての課題が沢山見つかりました。応援してくれている会社やファンの皆さんに報いられるよう、シーズンをひとつひとつ振り返りながら、レベルアップに励んでいきたい。」と確りとした口調で更なる活躍を約束してくれました。
愛媛県のチームを愛知県の皆さんが応援で支える
愛知県から遠く離れた愛媛県松山市をフランチャイズとするIYOBANK VERTZ(伊予銀行ヴェールズ)。
勝利を目指してグラウンドに向かう選手たちをパフォーマンスで鼓舞するのは、豊橋市・豊川市のメンバーを中心に活動するチアリーディングチーム「ファニーズラブ」。
年中から小学1年生までのちびっ子たちが、素敵な衣装で愛媛県名産のミカンをイメージさせるポンポンを振って、選手たちの登場に華を添えました。
このチームは、「ファニーズディーバ・ファニーズ」という小学2年生から中学2年生で活動している“お姉さんチーム”もあり、別の時間に素敵なパフォーマンスも披露していました。
ファニーズラブ責任者の竹本法子さんは、「今回、このようなイベントにお声かけ頂き、本当に有り難うございます。多くの観客がいる球場に足を踏み入れることが初めての子も多く、想い出に残る一日となりました。」と話してくれました。
また試合中は、愛知県豊橋市に近い岡崎市から、人間環境大学付属岡崎高等学校の吹奏楽部とチアリーディング部の皆さんが応援に駆けつけて、ブラスバンドの生演奏とチアリーディングで伊予銀行の勝利を願い、懸命の応援を行います。
なぜ岡崎市の高校が、愛媛県の伊予銀行を応援するのかな?
「(伊予銀行と)同じ愛媛県松山市にある学校法人河原学園さんの所属学校なんです。愛媛県から遠い豊橋でこんなに素晴らしい応援を頂けることは嬉しい限りです。」と伊予銀行の片山 章GMが教えてくれました。
ホームとは遠く離れた地域の皆さんの応援で、この日の伊予銀行15安打14得点と打線が爆発!投げては須永 小晴投手が、今シーズン初勝利を完投で飾りました。
「素晴らしい応援のおかげで、初回からチャンスを確実に点に繋げていくというチームが目指す理想的な試合展開が出来て良かった。」と秋本監督。
「まだまだレベルアップが必要なチームですが、若くて元気の良い選手ばかり。今日の須永のようにまだまだ成長する余地のある選手達と更に上を目指していきます。」と来シーズンに向けたチーム強化の抱負も語ってくれました。
人間環境大学付属岡崎高等学校の生徒たちと、伊予銀行の選手たちも試合後に交流!
日本各地で開催されるJDリーグでは、チームの所属地域に関係なく地域交流が行われていることに触れ、スポーツを支える新しい風を感じることが出来ました。
10月24日(月)を以て、レギュラーシーズンの全日程を消化したJD.LEAGUEファーストシーズン。いよいよ初代女王の座を決める、ダイヤモンドシリーズが11月12日、13日に開催されます!
東地区優勝のBicCamera BEEQUEEN(ビックカメラ高崎ビークイーン)、西地区優勝のTOYOTA RedTerriers(トヨタ レッドテリアーズ)への挑戦権をかけた、11月5日、6日にはプレーオフも見逃せません!