“バスケ納め”が地域に根付く
10月から5月にかけて開催される日本の男子プロバスケットボールリーグ“B.LEAGUE(以下、Bリーグ)”のレギュラーシーズン。B1リーグに属する24クラブは、東中西の3地区に分けられ、自地区では4回戦総当たり、他地区では2回戦総当たりを行う。
2024年のラストゲーム、りそなグループ B.LEAGUE 2024-25のB1リーグ戦第15節は、冬休みに入ったこともあり、観戦するファンの中でも目立つのは小学生の子どもたちとその家族だ。大掃除、年賀状、初詣など、何かと忙しい年末年始だが、その行事の中に「バスケ観戦納め」という行事も日本に根付いていくのだろうか。
揃いの千葉ジェッツ・ユニフォームに身を包み、ワクワクした表情でJR南船橋駅から徒歩5分ほどの”LaLa arena TOKYO-BAY(ららアリーナ東京ベイ)”へと足を進めている家族連れを見て、ふとそんなことを考える。もちろん試合観戦、ホームチームの応援がメインなのだが、試合開始2時間以上前から多くのファンが集まり、アリーナ周りで“腹ごしらえ”をしながら楽しそうにファン同士が語り合う姿を見ると、さながらバスケファンの忘年会のようだった。
新ホームに強い千葉ジェッツふなばし
この試合前まで17勝8敗(勝率.680)でB1東地区3位に付けるのは、ららアリーナ東京ベイをホームアリーナとする”千葉ジェッツふなばし”。2024年7月にオープンした新たなホームアリーナでの戦績は10勝3敗と圧倒的な強さを誇る。
この圧倒的な勝率に貢献しているのは、やはり常時集まる1万人のファンの声援だろう。千葉ジェッツ期待のホープである金近 廉選手や、小川 麻斗選手も「1万人のファンの前で…」と、大観衆が彼らのモチベーションを上げているというコメントを寄せていることからもその効果は明らかだ。
昨シーズンまで8年連続でBリーグのベストファイブに選ばれ、Bリーグでの通算アシスト数は歴代1位という成績を持つ富樫 勇樹選手に、日本人2人目のNBAプレーヤー、渡邊 雄太選手が加わり話題性と人気はリーグ随一。加えて、最新の巨大スクリーンや照明、音響を駆使した試合を盛り上げる演出も観客の心を躍らせる。フライトクルー(チアダンスチーム)”STAR JETS“の華やかなパフォーマンスや、ファン自らが参加できるイベントをいくつも用意するなど、運営側の創意工夫も毎回1万人を集める貴重なリソースとなっている。
西地区の強豪・島根スサノオマジック
昨シーズンは32勝28敗で”B. LEAGUE CHAMPIONSHIP(以下、プレーオフ)”進出を逃したものの、ここ数年で西地区の強豪チームへと成長しているのが“島根スサノオマジック”。リベンジを誓った今シーズンは、早々に安藤 誓哉選手、Nick Kay(ニック・ケイ)選手という主力2選手との契約継続をするなど万全を期して臨んでいる。
この試合前までB1西地区2位につける島根スサノオマジックの成績は、16勝9敗(勝率.640)と千葉ジェッツとほぼ互角。アウェイでは5勝6敗と負け越しているものの、前日は85-81とアウェイの島根スサノオマジックが僅差で千葉ジェッツに勝利した。
1Qから逆転、また逆転の好ゲームを演じた両チーム。後半の3Qで一気に主導権を握ったかに見えた千葉ジェッツを、4Qに怒涛の攻撃を見せた島根スサノオマジックがひっくり返した展開だった。
このモメンタムを活かして島根スサノオマジックが連勝か?新アリーナで圧倒的な勝率を誇る千葉ジェッツが雪辱なるか?2024年の”バスケ納め“はスターティング5発表からアリーナの雰囲気は一気にヒートアップしていく。