この企画に合わせ、今回初めて夜の浜参宮を行いました。ご存じの通り、神社の大切な行事の多くは夜に行われますが、静寂の中で心を落ち着かせて神様に奉仕するその雰囲気の一端を、夜の浜参宮で感じて頂ければ嬉しいです。
また、当日はこの時期(2月初旬)には珍しく、寒さも和らぎ波も穏やかで、満月も観ることが出来た素晴らしい天候に恵まれたことも良かったと思います。
私たちもこの企画に協力させて頂いて、色々と気付かされることがありました。日本の各地からお集まり頂いた参拝者の皆さんが、満足されていれば嬉しいです。
次回は、4月から12月の良い時期に実施できると良いですね。
- 今回は日本国内の方を中心とした体験となりました。
外宮、内宮の状況は分かりませんが、ここ二見興玉神社には新型コロナウィルス感染症が流行する前でも、余り外国人の方は参拝に来られていない印象があります。これから徐々に外国からの旅行者も戻ってくるようですから、これを機会に多くの外国人旅行者に参拝して頂きたいです。
Journal-ONEのイギリス人記者が興味深く夜の浜参宮をして頂いていたのを見て、二見地区の魅力がもっと海外に伝わっていけば、世界中の方に参拝頂けるのでは無いかと期待しています。
- 外国人の参拝者が少ないとは、どういった理由が考えられるのでしょうか。
神話にも出てくるように、日本では自然に神が宿るという考え方がありますが、それがどうも想像しづらいようですね。
二見興玉神社には、興玉神石を拝むための鳥居の役目を果たしている夫婦岩があるのですが、日本人ですとこの岩を見て夫婦や親子が寄り添っている様に見えるのですが、外国の方はそう見えないようです。
こう言った日本人の見えないものを想像するといった特性であったり、身の回りの自然に神が宿るという考え方を如何にわかりやすく説明できるかが大事です。
日本の名所旧跡を巡るだけで無く、日本人の心を理解して頂く場として神宮とその周辺地域に注目が集まると、もっと多くの外国人の方が訪れてくれるかもしれませんね。
- 夜間参拝だけでなく、早朝の参拝も気持ちが良いですね。
夜と同様、朝も心静かに波の音を聞きながら参拝して頂けます。心を清めて外宮、内宮に参拝する理にかなったしきたりだと思います。
夫婦岩の間から遠くに臨む富士山を観ることが出来るのも、空気の澄んだ早朝や夕方が多いので、その風景を拝まれるために参拝される方も多いです、
また、二見地域には個性ある旅館やお店なども多くありますので、夜も早朝も動きやすく散策にも良い場所では無いでしょうか。古式ゆかしい参拝のしきたりでめぐるお伊勢参りで日本の原点・伊勢で自然観を知って頂きたいです。
- 最後に、参拝にあたりこれだけは知っていて欲しいと言ったことを教えて下さい。
やはり、神に奉仕するためには「清める」大切さを知って欲しいですね。手を洗う、清潔にするといった気質も日本の神話から来ている風習ですし。
二見興玉神社は、身を清める神宮参拝の玄関口としての役割も果たしています。四季折々の風景が織りなす境内の雰囲気を楽しみながら、身を清めて外宮、内宮へと向かって欲しいですね。
インタビューを終えて
初めて来日した外国の方が最初に抱く日本の印象に「街がとても綺麗」という感想があります。身を清めることが根底にある日本人の気質が、活きているのかもしれませんね。
音羽さんのお話はとても分かりやすく、優しい語り口に時間を忘れて引き込まれてしまいました。
また、伊勢全体を “神宮参拝者をお迎えする町” と捉え、最初に身を清めるために参拝する二見興玉神社を神宮参拝の玄関口に例えた尚さんのお話もとても興味深いものがありました。
地域の思いで神社さんと一緒に実現した「古式ゆかしい参拝ルートでめぐるお伊勢参り」を知ってもらうこの企画。国内外から注目され、新たな参拝のきっかけになる素晴らしい取り組みですね。