女子ソフトボール 元日本代表監督の宇津木妙子さんが岐阜県飛騨市神岡町で速射ノック-Journal-ONE撮影
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女子ソフトボール界のレジェンドが通う町

世界中から観光客が訪れる “飛騨高山”。JR高山駅に近い “古い町並み” はもちろん、3,000m級の北アルプス(飛騨山脈)の麓にある日本屈指の温泉地 “奥飛騨温泉郷” などの観光地と隣接する岐阜県飛騨市。女子ソフトボール 元日本代表監督の宇津木妙子さんが岐阜県飛騨市神岡町でイベント ほど近い岐阜園高山市の奥飛騨温泉郷 山のホテルの雄大な露天風呂-Journal-ONE撮影

東京から東海道新幹線で名古屋へ向かい、高山本線に乗り換えて飛騨古川駅で下車。そこから更にバスで30分ほど山へ向かったところにある神岡町にも、神岡鉄道の廃線跡を走る “レールマウンテンバイク ガッタンゴー” など人気の観光スポットもありますが、かつて鉱山の町として栄えた神岡町も閉山と共に人口減少と少子高齢化が顕著になっている地域のひとつです。女子ソフトボール 元日本代表監督の宇津木妙子さんが岐阜県飛騨市神岡町でイベント ほど近い観光地である神岡鉄道廃線跡を活用したガッタンゴー-Journal-ONE撮影

この岐阜県飛騨市神岡町こそが、女子ソフトボール界のレジェンドが通う町。

私たちの記憶に新しい、オリンピック・東京大会(以下、東京2020)で金メダル!2008年のオリンピック・北京大会に続く2大会連続で世界の頂点に上り詰めた日本女子ソフトボールですが、世界No1の道のりには多くの人たちの努力と苦労がありました。その礎を築いた人こそが、今回の紹介するレジェンド “宇津木 妙子元日本代表監督” なのです。女子ソフトボール 元日本代表監督の宇津木妙子さんが岐阜県飛騨市神岡町で速射ノック-Journal-ONE撮影

2000年のオリンピック・シドニー大会で銀メダル、2004年のオリンピック・アテネ大会で銅メダル。 “宇津木ジャパン” と呼ばれた戦士たちは、監督自らが1分間に40本のペースで打ち続ける “速射ノック” で高い守備力と強靱な精神力を身に付け、絶対王者・アメリカに挑戦し続けました。

宇津木さんは、代表監督退任後も東京国際大学の特命教授や、同大学の女子ソフトボール部の総監督、公益財団法人日本ソフトボール協会の副会長、世界野球ソフトボール連盟の執行理事、一般社団法人日本女子ソフトボールリーグ機構(以下、JDリーグ)の副会長兼キャプテンを歴任し、ソフトボールの普及や人気拡大に尽力されているのです。

これらの活動に加えて日本各地を精力的に回り、ソフトボールを楽しむ人たちとの交流を行っている宇津木さんが、日本の真ん中・神岡町を訪れると聞き、急遽取材をさせていただくことになりました。

マラソンソフトボール!?

宇津木さんが会場入りする1時間前、会場となった飛騨市立神岡中学校グラウンドには。老若男女20名ほどの選手たちがウォーミングアップをしています。会場に掲げられた看板には “宇津木妙子杯マラソンソフトボール大会” の文字!女子ソフトボール 元日本代表監督の宇津木妙子さんが訪れた岐阜県飛騨市神岡町の中学校-Journal-ONE撮影

「コロナ禍で中断はありましたが、2013年(平成25年)から毎年開催しているイベントなんですよ。」と教えてくれたのは、このイベントを主催する(一社)飛騨シューレの代表理事・山田ゆかりさんです。

「こどもからお年寄りまでの選手が2チームに分かれ、全員が打ち終わると攻守が代わるという変則ルールなんです。今までは6時間かけて試合をしていましたが、昨今の猛暑対策もあって3時間に短縮しました。」と山田さん。それで “マラソン” という名前が付いているのですね!面白いイベントです。でも、その面白いイベントにどうして宇津木さんが参加されているのでしょうか…女子ソフトボール 元日本代表監督の宇津木妙子さんを招いた岐阜県飛騨市神岡町のスポーツクラブ代表の山田ゆかりさん-Journal-ONE撮影

「2000年のシドニーオリンピック開催時に、宇津木さんにインタビューさせていただいたことがきっかけです。」と、メディアの記者時代を振り返る山田さんは、「スポーツの場においてハラスメントや性暴力がなくならないこと。そしてそれを日本のメディアが報じないことを疑問に思っていました。それを解決するには、子どもたちに理想的なスポーツとの関わり方を伝えることが重要であると考え、この神岡町で活動をするようになったんです。」と続けます。なるほど、この活動に賛同した宇津木さんが、自らの名前を冠にしたソフトボールイベント開催を承諾し、毎年地域の皆さんと交流を深めているのですね。女子ソフトボール 元日本代表監督の宇津木妙子さんが訪れた岐阜県飛騨市神岡町でマラソンソフトボールに参加する地元の皆さん-Journal-ONE撮影

3世代が躍動するマラソンソフトボール!?

中学生からご年配の方まで、正に老若男女がひとつのフィールドで楽しそうにプレーする姿を観戦していると、スポーツの本質である “楽しく身体を動かす” ことの大切さに気付かされます。女子ソフトボール 元日本代表監督の宇津木妙子さんが訪れた岐阜県飛騨市神岡町でマラソンソフトボールに参加する地元の皆さん-Journal-ONE撮影

中でも、主審をされたり、打順や守備位置を指示したり、果ては試合中にもかかわらず途中でグラウンドを訪れた参加者にご挨拶したり… このスーパーウーマンは一体どなたなのでしょうか?

「私は、地元のソフトボールチーム “マドンナ” の監督で、この大会の運営お手伝いをしている者です!」と、自己紹介してくれた優子さん。73歳とは思えない溌剌颯爽なユニフォーム姿に驚いてしまいます。「マドンナは鉱山(神岡鉱山)で働く人たちの社宅で作られたママさんソフトボールチームなんです。マドンナの他にも幾つかチームがあったり、バレーボールのチームもあったりと、スポーツが盛んな地域でね(笑)。今は閉山して社宅が無くなり、チームもマドンナしか残っていませんが、周辺に住んでいる皆さんや私の娘たちの代、また娘の子どもたちの代までがプレーしています。私もまだまだ現役でプレーしています!」と、地域と共に3世代にもわたって歩んで来たチームの歴史を教えてくれました。女子ソフトボール 元日本代表監督の宇津木妙子さんが訪れた岐阜県飛騨市神岡町でマラソンソフトボールを運営する73歳の優子さん-Journal-ONE撮影

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