車いすラグビー| TOHOKU STORMERSの練習を取材 橋本勝也、中町俊耶、関卓也の3選手がリラックス-Journal-ONE撮影
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感慨深い “東北ライン” の復活

課題にフォーカスした反復練習で、“肩慣らし” が終わったストーマーズの選手たち。いよいよ、ミニゲームが始まりました!

「”東北ライン” とそれ以外で!」と、三阪選手の指示でチームが二つに分かれます。東北在住の庄子選手(宮城県)、橋本選手(福島県)と共にチームを組む2人の選手、熊崎 敬選手と岩淵 鋼選手は岩手県に在住するストーマーズの創設期メンバー。8月5日と6日に東京都江戸川区で開催された “第25回 車いすラグビー日本選手権予選 東京大会” では、新型コロナウイルス感染症拡大前以降、久しぶりのストーマーズ復帰という明るいニュースをもたらした二人なんです。車いすラグビー| TOHOKU STORMERSの練習取材 紅白戦で復活した東北ラインの連携強化-Journal-ONE撮影

「コロナ禍で県外に出ることが難しい中(日本で唯一感染者ゼロを岩手県が保っていた頃)、地元のツインバスケットボールで身体は動かし続けていました。」と話す熊崎選手ですが、日本代表の橋本選手の攻撃を抑えるハードなディフェンスの練習に息が上がります。しかし、苦しいながらも楽しそうな表情で黙々とフォーメーションを確認し続ける献身的な姿がとても印象的な選手です。車いすラグビー| TOHOKU STORMERSの練習取材 岩手県在住の熊崎 敬選手はコロナ禍で県外に移動できず、今季久しぶりの復活を果たす-Journal-ONE撮影

「正直、またこうやって車いすラグビーが出来るなんて想像できませんでした。」と、言葉少なげに恥ずかしそうに話してくれた熊崎選手ですが、練習に臨むその眼は終始充実感に溢れる力強い眼差しでした。車いすラグビー| TOHOKU STORMERSの練習取材 岩手県在住の熊崎 敬選手はコロナ禍で県外に移動できず、今季久しぶりの復活を果たす-Journal-ONE撮影

「やはり、車いすラグビーのぶつかり合うプレーは爽快感がありますね。」と話す岩淵選手も、ようやく戻ってきた日常の喜びを噛みしめています。「私も、地元のツインバスケットチームで身体は動かしていました。今や日本が誇る名選手に成長した橋本選手を活かせるよう、しっかりとサポートできるプレーが出来るよう頑張ります。」と、東北ラインの完全復活に嬉しそう。車いすラグビー| TOHOKU STORMERSの練習取材 岩手県在住の岩淵 鋼選手はコロナ禍で県外に移動できず、今季久しぶりの復活を果たす-Journal-ONE撮影

「実のところ、復活は無理なのかなぁと思っていました。それだけに、この “東北ライン” を見るとグッとくるものがあります。」と、庄子選手もチーム創設の象徴であるこの光景を再び目に出来る喜びを噛みしめていました。車いすラグビー| TOHOKU STORMERSの練習取材 岩手県在住の熊崎・岩淵両選手がコロナ禍以来の復帰となり感慨深そうに話す庄子健選手-Journal-ONE撮影

憧れの選手を慕って

「私が事故に遭って直ぐ、国立障がい者リハビリテーションセンター(埼玉県所沢市)で中町さんとお会いする機会があって、それで車いすラグビーを知りました。」と、教えてくれたのは若狭 天太選手。車いすラグビー| TOHOKU STORMERSの練習取材 秋田出身の若狭天太選手は中町選手を慕って入団した切っ掛けを話す-Journal-ONE撮影東北・秋田県出身で中学、高校、大学(大学は宮城県)と体操競技で活躍した若狭選手が、”東北” ストーマーズの中町選手と出会う偶然は何かに導かれた運命のようです。そして、タックルを受けても、身体を上手く使い、スピードを保ったまま次のプレーに直ぐに入ることの出来る若狭選手のバランス感覚は、体操で培ったボディバランスが活きているからなんですね!車いすラグビー| TOHOKU STORMERSの練習取材 体操選手としてならした秋田出身の若狭天太選手はボディバランスが抜群-Journal-ONE撮影

「当時、“これからどうやって生活していけば良いのだろう・・・” と途方に暮れていたときに、車いすで颯爽と現われて『大丈夫!何でも出来るようになるから!』って言って、サッと帰って行った中町選手の存在感に圧倒されたのです。あぁ~この人本当にカッコいいなぁって思い、私も車いすラグビーを始めたんです。」と、憧れの選手を追いストーマーズの門を叩いた若狭選手の笑顔は充実感に溢れています。車いすラグビー| TOHOKU STORMERSの練習取材 秋田出身の若狭天太選手は中町選手を慕って入団し、練習の合間にアドバイスをもらい笑顔-Journal-ONE撮影

「まだまだ勉強です。中町選手に少しでも追いつけるよう、側で色々なことを吸収していきたいです。」と話す若狭選手。チームの期待も背負い、三阪選手や庄子選手、そして憧れの中町選手から色々とアドバイスを受ける若狭選手の顔は真剣そのもの。持ち前の運動神経と旺盛な探究心で、あっという間にストーマーズに無くてはならない選手になっていくこと間違いなしです。若狭選手の今後の活躍に注目です!

「私も、国立障がい者リハビリテーションセンターにいる時に車いすラグビーの存在を知りました。中町さんのカッコいいプレーを見て、自分もやってみたいと思いました。」と話すのは、関 卓也選手です。ストーマーズでは希少なローポインターである関選手。練習序盤は練習に参加していましたが、途中からコート外でチームの動きを目で追うことが多くなりました。車いすラグビー| TOHOKU STORMERSの練習取材 貴重なローポインターの関卓也選手は肩痛の影響で休みながらの練習に-Journal-ONE撮影

「実は肩を痛めてしまい、現在リハビリ中なんです。日本選手権に間に合うように一生懸命リハビリしています。」と話す関選手は、茨城県鹿嶋市から片道3時間かけて今日の練習に参加しています。怪我が癒えない中、わざわざ練習にやってくる理由を聞くと、「地元ではなかなか練習をする機会が無くて、家の前の道路で自主トレをしています。都内に出るのも1時間半はかかるので、他のチームの練習に参加するのも難しいです。ですから、月に一度のチーム練習は本当に貴重な機会なんです。」と笑顔で答えてくれました。車いすラグビー| TOHOKU STORMERSの練習取材 貴重なローポインターの関卓也選手は肩痛の影響で休みながらの練習に-Journal-ONE撮影

無理ないように関選手をサポートしていたのは那須野 利喜さん、栃木県在住のメンバーです。「私は、宇都宮市内で障がいを持つ子どもたちの “放課後等デイサービス” で働いているんです。ですから、都内での活動には余り参加できないんです・・・」と、とても謙虚に話す那須野さんのお仕事は作業療法士。車いすラグビー| TOHOKU STORMERSの練習取材 貴重なローポインターの関卓也選手は肩痛の影響で那須野さんにマッサージを受けながらの練習-Journal-ONE撮影

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