［ラグビー］冬の”花園”への道がスタート高校ラグビー3大タイトルの1つ、選抜高校ラグビーが埼玉県熊谷市で開催

2024年03月28日

甲子園ではなく、埼玉県の熊谷で行われる“選抜大会”

“選抜大会”といえば、”春の高校野球””春の甲子園”を思い浮かべる人が多いかもしれないが、3月は様々な競技で、高校日本一を決める選抜大会が行われている。

“全国高校選抜ラグビー大会“は毎年3月下旬、2019年ラグビーワールドカップの舞台となった埼玉の”熊谷ラグビー場”のある”熊谷スポーツ文化公園”で開催されており、ラグビー界では春の風物詩になっている。今年は3月23日（土）に1回戦が行われ、決勝戦は3月30日（土）に行われる。

全国高校選抜ラグビー大会の会場・熊谷スポーツ文化公園-斉藤健仁撮影

なお、熊谷スポーツ文化公園は1988年に開催された、さいたま博覧会の会場跡地を整備した県営公園で、ラグビー場のほか、彩の国くまがやドーム、陸上競技場などの施設もある。

さらに2021年からは”ジャパンラグビーリーグワン”の強豪で、堀江翔太選手ら、日本代表選手が多く在籍している”埼玉パナソニックワイルドナイツ”が、群馬県太田市から、練習場・クラブハウスを移転した。

高校ラグビーの3冠は “春の選抜” “夏のセブンズ” “冬の花園”

ラグビーの選抜大会は今年で25回目を迎え、すっかり高校ラグビーのカレンダーに定着した。さらに7月には長野・菅平高原で、夏のオリンピック競技にもなっている”セブンズ”（7人制ラグビー）の全国大会も行われている。各都道府県の代表と前年度優勝校の48校が出場し、こちらは今年で11回目を迎える。

もちろん、ラグビーの全国大会といえば年末年始、大阪の”東大阪市花園ラグビー場”で行われている”花園”こと、”全国高校ラグビー大会”が最も知られており、前回大会で103回目を迎えた。”春の選抜””夏のセブンズ””冬の花園”は高校ラガーマンの3大タイトルとなっている。

特に「聖地」である花園は、高校ラガーマンの憧れの舞台であり、「花園に出場する」、そして「花園で日本一になる」ことは、ラグビーをしている高校生にとっては、大きな名誉となっている。花園は各都道府県でトーナメントにより代表校51校（東京都、北海道は2校、そして大阪は2校と開催地枠1校の計3校が出場）が出場できる。

高校ラグビーを引っ張る強豪 “東福岡” “仰星” “桐蔭学園”

なお、高校3大タイトルすべてを獲得し”3冠”を達成したことのあるチームは「フェニックス」というチーム名で知られる展開ラグビーが武器の”東福岡”（福岡）、ファンには「仰星」と呼ばれる緻密なラグビーが持ち味の大阪の強豪校”東海大大阪仰星”（大阪）、そして継続ラグビーを武器とする東の横綱”桐蔭学園”（神奈川）の3校のみだ。

優勝7回を誇る東福岡は、コーチとして12回、監督として12回も花園に出場しているOBの藤田雄一郎監督（52歳）、東海大大阪仰星もOBで選手、コーチ、監督で、6回の花園優勝すべてに関わっている湯浅大智監督（42歳）、そして優勝4回の桐蔭学園は選手時代には本郷（東京）で花園を制している藤原秀之監督（56歳）がそれぞれ指揮を執っている。

Journal-ONE| 全国高校選抜ラグビー大会で1回戦敗退となった東福岡高校

全国高校選抜ラグビーで1回戦敗退となった東福岡高校-斉藤健仁撮影

この3校が2010年代に入る頃から高校ラグビー界を引っ張っており、2009年度以降の花園は、東福岡が6回、東海大仰星が4回、桐蔭学園が4回と、ほぼ3校が優勝を独占している。そして、東福岡が2014年度、2016年度、東海大大阪仰星が2015年度、そして桐蔭学園が2019年度に高校3冠を達成している。