今シーズンを占う大一番!
昨日の大雨の影響で月曜日に順延となった、”戸田中央メディックス埼玉” と ”豊田自動織機シャイニングベガ” の好カード。観戦を待ち望んだ多くのファンにとっては恨みの雨となったが、試合展開は期待通りの白熱した一戦となった。
「交流戦をいかに勝ち越すか。ここでの戦いが今シーズンの結果に直結する」と、交流戦をリーグ戦における重要なポイントにあげたのは、自動織機の永吉 慎一監督。
「今年はチームの状態が中々上がらないので、東地区の強豪・戸田中央と当たる今日の試合は戦い方が難しい。もっと1番バッターが打ってくれてはなぁ(笑)」と、隣でテーピングする “1番打者” 須藤 志歩選手も「聞こえてますよ!」と切り返す試合前の自動織機ベンチには、まだまだ余裕が見える。
「チームの状態はまだまだ上向き。選手たちも勝ちながら、負けながら経験を積んで成長中です」と、好調のチーム成績にもまだまだ満足していないのは、戸田中央の福田 五志監督。
シーズン前、ここ朝霞中央公園野球場で行われたフレンドリーマッチを取材したJournal-ONE編集部が、東地区の台風の目と予想していたことをあげて、「(台風の目と)期待されているからには、頑張りますよ。今日は厳しい戦いになるだろうけど」と、試合前に笑顔で話してくれました。
パワーピッチャーが好投する投手戦
戸田中央・Georgina Corrick(ジョージナ・コリック)投手、自動織機の “推しのソ” Dallas Escobedo(ダラス・エスコベド)投手というリーグ屈指のパワーピッチャー同士の対戦。
両軍指揮官の予想通り、最後の最後まで1点を争う見応え十分の試合となった。
1回、2回と三振2つを奪って完璧に抑えたジョー投手とは対照的に、ダラス投手はナーバスな投球が続く。初回先頭のSahvanna Jaquish(サバンナ・ジェーキッシュ)選手を死球で出塁させると、”推しのソ” 土曜日の東海理化チェリーブロッサムズ戦で2打席連続本塁打を放った鈴木 鮎美選手にも四球を与えて無死一、二塁のピンチとなる。
1死後、”推しのソ” 糟谷 舞乃選手にも四球を与え、1死満塁といきなりのピンチを迎えるが、後続を力で封じて先制点を与えない。
膠着状態が続いた4回裏、再び戸田中央が粘ってチャンスを作る。1死から武富 沙耶選手、遠藤 澪選手が四球で出塁すると、福田監督は代打に佐藤 杏美選手を送る。「4年目を迎え、着実に成長している」と指揮官が期待する佐藤選手は、ダラス投手の決め球を何度もカットして粘りを見せる。5月24日の首位攻防戦(vsビックカメラ高崎ビークイーン)でも、レジェンド・上野 由岐子投手から粘って四球を選んだ佐藤選手は、この打席でも同様に冷静にボールを見極めて四球を選んでチャンスを広げる。
2死満塁と絶体絶命のピンチを迎えたダラス投手だったが、気迫溢れる投球でサバンナ選手を一飛に打ち取り4回を終えて無得点同士の投手戦が続いた。
小技で揺さぶる織機の攻撃
試合が動いたのは5回表、自動織機得意の小技を絡めた攻撃だった。
「チームになじもう、日本のソフトボールを学ぼうとする姿勢が素晴らしい」と永吉監督が評する、先頭のMakena Smith(マケナ・スミス)選手が四球を選んで出塁すると、すかさず代走に ”推しのソ” 梶原 沙希選手を送る。