獅子奮迅!エースの力投と強力打線で躍進の前半戦 – 西地区2位(12勝6敗)
2022シーズン4位(14勝15敗)、2023シーズン4位(17勝12敗)、プレーオフまであと一歩に位置するシオノギレインボーストークス兵庫が今シーズン躍進を遂げている。
MLB(米大リーグ)の大谷 翔平選手、JDリーグ ビックカメラ高崎ビークイーンの上野 由岐子投手に続き、野球・ソフトから1人ずつが選出されるWBSC年間最優秀選手に輝いた “男子ソフトボール界のレジェンド” 松田 光監督が率いて2年目のシーズン。レジェンド監督のチーム作りが早くも花開こうとしているのだ。
就任間もない昨シーズンの開幕戦で、「同じソフトボールとはいえ、男子と女子ではプレーが大きく異なります」と競技特性に言及した上で、「そうはいっても点を取らないと勝てないのは同じ。パワーピッチャーが多い西地区で勝つには、やはり力強い打撃力が必要です」と、チームの強化ポイントを話していた。
大谷 翔平選手と同じく、“二刀流” で世界を席巻した松田監督は、自らの打撃論をチームに落とし込むだけでなく、打撃投手として剛球を投げ続けることでチームの打撃力を劇的に向上させた。
小柄な選手が多いシオノギレインボーストークス兵庫だが、その特訓を受けた選手たちのスイングは一変。今シーズンも打率.251、本塁打17本と、プレーオフを狙う西地区のライバルたちと互角の成績を残している。
若手の成長にベテランの主軸も奮起する打撃陣
強力打線を支えるベテランの加藤 愛夢選手(打率.300、4本塁打、11打点)に繋ぐ、“小さな巨人” の活躍が目覚ましい。レギュラーに定着した田島 茉依選手(161cm)、水戸川 綾音選手(158cm)は、身長差20cm近い西地区の外国人投手たちにも力負けしない打撃を見せ、ここまで3割前後の打率をキープしてチームの躍進を支えている。
相手チーム、登板投手に合わせて打線を組み替える “レジェンド・マジック” に、タレント揃いの打撃陣も期待に応える。右打者では豪快なスイングが魅力の氏丸 陽南選手、“推しのソ” 白石 穂花選手、左打者ではベテランの戸村 美紅選手、代打の切り札・小路 茜選手が、状況に応じた最適解の打撃でチームに勢いをもたらしている。
力強いスイングが注目されている打撃陣だが、機動力も侮れない。“推しのソ” の新キャプテン・小林 美沙紀選手、中村 みなみ選手の快足コンビは、膠着した試合展開でも二盗三盗とアグレッシブな走塁を見せて勝ち越し点を演出。快足を活かした外野守備でも、失点のピンチを捕殺、刺殺して勝利に貢献するシーンは印象に残った。
タフネスエースをどこまで盛り上げられるか
シオノギレインボーストークス兵庫の躍進に最も欠かせない選手は、やはり今シーズンにトヨタレッドテリアーズから移籍してきた三輪 さくら投手だろう。
前半戦18試合中、16試合に登板した三輪投手は、リーグ唯一の100イニングスを超える投球回数を投げ、チーム全ての勝ち星12を挙げる獅子奮迅の活躍!防御率も西地区ナンバーワンを誇る鉄腕・三輪投手は、サマーブレイク中に開催された ”XVII Women’s Softball World Cup 2024 Finals(第17回 女子ワールドカップ ファイナル)” でも女子ソフトボール日本代表として、金メダル獲得に貢献した。
シオノギレインボーストークス兵庫の唯一の不安要素は、その三輪投手の気力と体力がリーグ最終戦まで持つかということ。打たせて取る投球スタイルが身上の三輪投手だけに、鍛え抜かれた打撃力同様、堅実な守備力でサポートし続けられるかに期待がかかる。
また、できるだけ投球回数を減らすために、“推しのソ” 福田 莉花投手の成長も注目だ。三輪投手同様、恵まれた体格から重いボールを投げ込む福田投手が、大エースの背中を見てサマーブレイク中にどこまで成長を遂げたのか。