西地区王者がいよいよ登場
女子ソフトボール “ニトリJDリーグ” は、レギュラーシーズンから盛り上った2024シーズンも残すところ3試合。東西16チームの頂点を決めるノックアウトラウンド “ダイヤモンドシリーズ” を残すのみとなった。
決戦の舞台となるパロマ瑞穂野球場（愛知県名古屋市）では、11月15日（土）に準決勝2試合が行われ、11月16日（日）にはいよいよ日本一を決める決勝戦が行われる。
先ず、準決勝の第1試合に満を持して登場するのは、西地区を三年連続で制した（26勝3敗、勝率.897）、昨年の年間王者・”トヨタレッドテリアーズ“。ディフェンディングチャンピオンとして、ダイヤモンドシリーズを初開催となった地元・愛知県で迎えるアドバンテージは計り知れない。
等々力で掴んだ名古屋行のキップ
一方、王者・トヨタに挑むのは、ワールドカードから下克上を狙う “ホンダリヴェルタ”。東地区4位（18勝11敗、勝率.621）から進んだ11月9日のプレーオフ1stステージでは、西地区3位（20勝9敗、勝率.690）の ”シオノギレインボーストークス兵庫” と緊迫した投手戦演じる。エース・Jailyn Ford（ジェイリン・フォード）投手が、被安打2、13奪三振の完封劇を見せて3年連続でプレーオフ初戦を勝ち抜いた。
翌日に行われたプレーオフ2ndステージでも、西地区2位（20勝9敗、勝率.690）の “SGホールディングスギャラクシースターズ“ を相手にジェイリン投手が連日の熱投。この試合は、内外野のトップリーグならではの高いレベルのプレーを見せたホンダ守備陣との見事な連携で、リーグ屈指の打撃力を誇るSGホールディングスを1失点に抑えて名古屋行のキップを掴み取った。
二連覇へ向けて好位置からダイヤモンドシリーズに臨むトヨタと、崖っぷちから何度もピンチを乗り越えてここまで辿り着いたホンダ。対照的な両チームの対戦は、勝敗はもちろんその戦い方にも注目が集まるところだ。
Journal-ONE編集部では、過去のデータと今シーズンのリーグ戦の戦い方を踏まえ、ダイヤモンドシリーズ準決勝・トヨタ vs ホンダの展開を予想してみた。
進化を求め続ける絶対王者
2022シーズンのダイヤモンドシリーズ準決勝、アメリカ代表の大エース・Monica Abbott（モニカ・アボット）投手、東京2020を機に日本代表・エースに駆け上がった後藤 希友投手を擁し、万全の体制で臨んだ一戦。”豊田自動織機シャイニングベガ” を相手に投手陣が奮闘したが、延長タイブレークまでもつれた試合はまさかの完封負けとなった。
日本代表でも正バッテリーの後藤と切石-Jouurnal-ONE撮影
続く2023シーズン、日本のエースとして更なる成長を遂げた後藤投手と、ロサンゼルス・オリンピックで投げ合うであろうアメリカ代表の次世代エース・Megan Faraimo（メーガン・ファライモ）投手の新・二枚看板で勝ち進んだトヨタ。決勝では、大型補強で加入した東京2020金メダリストの原田 のどか選手、日本代表の正捕手となった “推しのソ” 切石 結女捕手、日本代表の4番を任された下山 絵里選手など打撃陣の活躍もあり、前年王者の “ビックカメラ高崎ビークイーン” を決勝で下し、JDリーグでの初優勝を果たした。
ビックカメラ高崎を下し2023シーズン日本一に輝いたトヨタ – Journal-ONE撮影
2024シーズン開幕前、「主砲が抜けた打線のピースをどう組み替えていくかが最大のポイント」と開幕前に課題を挙げた馬場 幸子監督。東京2020でもアメリカ代表の銀メダル獲得に貢献したBubba Nickles（バッバ・ニクルス）選手は、トヨタでも強力な得点源としてクリンアップの一角を担っていた。バッバ選手が抜けた大きなピースを埋めるに、馬場監督は選手たちに進化を求めてシーズンを戦った。
