延べ9万人が来場した学園祭
冬の足音が聞こえてくる11月、日本中の大学は学園祭という一大イベントで盛り上がる。有名タレントを招いたイベントなどで集客を狙う大学が多い中、大学の特色を活かした催しを中心に、毎年10万人近くの来場者を集める東京農業大学。
東京農業大学らしい名称 “収穫祭” と銘打った学園祭は、世田谷(東京都)、厚木(神奈川県厚木市)、北海道オホーツク(北海道網走市)という三つのキャンパスで行われる。キャンパスそれぞれが異なる地域や研究テーマで工夫を凝らした収穫祭を開催しているが、収穫祭に注目したJournal-ONE編集部は、世田谷キャンパスの様子を取材しようと小田急線経堂駅に降り立った。
装飾から漂う期待感
改札を抜けると、その直ぐ右手には “農大通り(経堂農大通り商店街)” というゲードから始まる商店街が見える。長さ380mの飲食店などを中心に多くの店舗が並んでいる農大通りは、文字通り東京農業大学世田谷キャンパスへ向かう徒歩ルートであると共に、学生向けの店や東京農業大学にまつわる装飾やイベントも行われる。
農大通りを抜け、閑静な住宅街を抜けると見えてくるのが東京農業大学のキャンパス内に通じる “経堂門”。正門と並び収穫祭ウェルカムゲートとなる経堂門の入口には、学科ごとに作られた横断幕がズラリと並び多くの来場者を出迎えていた。
各学科の特長が一目で分かる色鮮やかな横断幕や、100周年を迎えた造園科学科が設えた庭園のようなオブジェが期待感をさらに膨らませてくれる。
開門前から並ぶ来場者の中で、「子どもが(東京農業大学に)通っているのがきっかけで、毎年来ています」というご夫婦に出会った。子どもさんが展示している模擬店や展示会場に行くのかと聞くと、「お目当ての模擬店があるんです。学園祭とはいえ、収穫祭はとても興味深いブースがたくさん出ていて面白いですよ」と、収穫祭の見どころを教えてくれるほど、この催しを隅々まで楽しんでいることを教えてくれた。
“食”を改めて考える機会に
「収穫祭の経緯をさかのぼると、実は運動会だったのです」と教えてくれたのは、東京農業大学企画広報室の寺谷 広介室長。以前、東京農業大学北海道オホーツク硬式野球部が、地域とのふれ合いを大切にしながら大学日本一を目指す強豪チームであり続ける理由をJournal-ONEが取材した際にお世話になった方だ。
大学のホームページを見ると、収穫祭の前身は “遠足会” だったと説明がある。遠足会を行なった際に余興として運動競技などの催しが行われたそうだが、その後に “運動会” という名称で開催。1941(昭和16)年から現在の “収穫祭”という名称に変わり今に至るとのこと。「その名残もあって、収穫祭の最終日には、体育祭が行われるのです。こちらも学生たちの熱量を肌で感じてもらえると思います」と、100年近く続く東京農業大学生たち最大のイベントについて説明してくれた。
今年の収穫祭のテーマは「明日を創る農」。今回、東京農業大学北海道オホーツク硬式野球部を取材したご縁もあり、”一般来場者の方が知らない収穫祭” から “食” について改めて考える機会をいただいたJournal-ONE編集部。収穫祭前日の世田谷キャンパスから、色々な方の話しを聞くことができた。
豊受大神宮奉献式
“お伊勢さん” と親しまれている伊勢神宮。正式には “神宮” といい、皇室の御祖先の神と仰ぎ、日本国民の大御祖神として崇敬を集める天照大御神をお祀りする皇大神宮(内宮)と、衣食住を始め産業の守り神である豊受大御神をお祀りする豊受大神宮(外宮)を始め、14所の別宮、43所の摂社、24所の末社、42所の所管社がある。