Wheelchair Rugby Freedom×AXE合同練習in高松市 -Journal-ONE撮影
TwitterFacebookLinePinterestLinkedIn

2016年のパラリンピック・リオデジャネイロ大会、東京2020と2大会連続の銅メダルに輝いた “車いすラグビー”。その魅力をレポートする企画! 今回が4回目となりました。

チーム「AXE」の密着取材を通じて、競技の魅力はもちろん、選手や皆さんが楽しく取り組む姿や、車いすラグビーを応援する地域の皆さんの優しさにもふれてきたこの企画。この記事では、車いすラグビーをより楽しく観戦するためのポイントをご紹介します。

取材に伺ったのは、うどんやオリーブで知られる四国・香川県の高松市です!埼玉県が活動拠点であるAXEの密着取材に四国まで?と、不思議に思われるかもしれませんが、同じ四国の高知県を活動拠点とするチーム「Freedom」との合同合宿のレポートなのです。

今回、初めてお話を聞くFreedom! チームの皆さんの紹介レポートも是非読んで下さいね。Wheelchair Rugby Freedom×AXE合同練習in高松市 -Journal-ONE撮影

合宿会場となった高松市国分寺B&G海洋センターアリーナは、JR高松駅、高松空港、そして “こんぴらさん” で有名な金刀比羅宮(ことひらぐう)のちょうど中間くらいに位置する高松市立橘ノ丘総合運動公園にある体育館です。車いすラグビー FreedomとAXEの合同合宿 金刀比羅宮 Journal-ONE撮影

車いすラグビー FreedomとAXEの合同合宿 Journal-ONE撮影

会場に向かう道中、ところどころにうどん屋さんの看板が出てきます。さすが “うどん県“ 香川ですね。

合宿や遠征の楽しみのひとつ “ご当地グルメ” もレポートしたいところですが、3日間にわたって行われる初日の午後練習に間に合うべく駐車場で待っていますと、AXEの選手たちが集まり始めました。

合宿前のお話を少し

最初にお話をしたのは、乗松 隆由(たかゆき)選手。実は前日に乗松さんのTwitterを見ていた編集部。「人生でのドライブ最長距離。モチベあがらぬ」というシュールなツイートと共に投稿されたマップの所要時間は “有料道路で9時間30分”! さぞかしお疲れのことだろうとご挨拶にいったところ・・・「昨日に高松に入って、早速有名なうどん屋 “うどんバカ一代” に行ってきました!」と、いつもと変わらぬ明るい笑顔に安心しました。車いすラグビー FreedomとAXEの合同合宿 うどんバカ一代の釜バターうどん Journal-ONE撮影

続いて来たのは、峰島 靖選手! 峰島さんもいつもと変わらず、テキパキとラグ車(ラグビーの競技用車いす)や着替えをまとめて移動に備えています。そして、若干お疲れの様子で現れたのは・・・ 山口 貴久選手です。「俺、1時間しか寝ていないよ・・・ ずっと運転して何とか間に合った。」と言いながら愛車からラグ車を出しています。

えっ?そんな体調でハードワーク大丈夫なんですかね?と聞くと、逆に頭はスッキリしています。集中力が高まっているなぁ~」と、パラリンピック・リオデジャネイロ大会銅メダリストのアスリートは、長時間運転も苦にならないようですね。Wheelchair Rugby 2016リオパラリンピック銅メダル 山口貴久選手(AXE) -Journal-ONE撮影

こういった長距離遠征には、皆さん慣れているようですね。

「遠征は年に何回かありますが、自家用車でここまで遠出するのはなかなか大変ですよ。」と乗松さん。「さまざまな地域から体験会や、講演、学校訪問のお誘いを頂きますが、飛行機などで行く場合もありますからね。」と普及活動に尽力されている峰島さんが言えば、「行く先々のご当地グルメも楽しみですよね。」と山口さんも長距離遠征のお楽しみを教えてくれます。

特にどういった依頼が多いのかを聞いてみると、「コロナ禍で回数は激減してしまいましたが、企業からの要請も増えてきた気がします。」と峰島さん。「雇用を促進させる仕組みが進んだり、SDGs、東京2020の開催などで、障がい者に目を向ける機運が高まってきたことが要因かもしれませんね。社内(日興アセットマネジメント)で働く障がいを持つ同僚を観る機会が増えたように感じます。この競技にかかわらず、アスリート雇用契約をするパラ選手も増えてきましたしね。」と山口さんも周囲の変化を肌で感じているようです。

乗松さんはAIGジャパン・ホールディングス、峰島さんはメットライフ生命保険のアスリート雇用選手。山口さんもアスリート雇用から通常勤務になりましたが、日興アセットマネジメントの正社員。多様な雇用契約でパラアスリートをサポートする企業が増えていることは、とても素晴らしいことですね。Wheelchair Rugby 2022 World Games Low Point Tournament日本代表 乗松隆由選手(AXE) -Journal-ONE撮影

羽賀 理之(まさゆき)選手も合流し、本日のメンバーが揃ったAXE。施設に入って練習の準備ですが、羽賀さんがサプリメントを摂っています・・・と思ったら、ラムネを食べていますね。

「頸椎を損傷すると、血糖値の低下が起きる場合があるんです。そのため、練習前や途中に糖分を摂取することは大事なことなんですよ。」と羽賀さんが教えてくれます。

「頸椎損傷者には “あるある” の話ですよ。」と山口さんも経験を口にします。

「日本代表の試合などはトレーナーが摂取を促してくれるのですが、AXEの練習やミニ大会ですと自分で管理しないといけないので・・・ 摂取し忘れてしまって急に視界が狭くなり(ブラックアウト)、力が入らなくなることがあるんです。」と羽賀さんが自己管理の重要性を説いてくれました。

また、「チョコレートは血糖値が爆上がりする分、低血糖になったときのギャップが激しくなるんです。ですので、ラムネやゼリーなどが適当なんですよ。」と羽賀さん。なるほど、差し入れはラムネかゼリーですね!Wheelchair Rugby 2016リオパラ・東京2020パラ銅メダル 羽賀理之選手(AXE) -Journal-ONE撮影

いよいよ合宿が始まります

普段なかなか聞けない話で盛り上がりましたが、いよいよ合宿が始まるようです。今回の主催チームである、Freedom代表の渡邉 翔太選手が円陣を組んだ選手たちに、今回の合宿の予定を説明します。冒頭で紹介したとおり、Freedomは同じ四国・高知を活動拠点にするチーム。

Freedomの皆さんをフィーチャリングしたレポートも公開しましたので、是非読んで下さいね。Wheelchair Rugby Freedom×AXE合同練習in高松市 -Journal-ONE撮影

スケジュールなどを確認したあと、会場を手配していただいた香川県高松市 文化・観光・スポーツ部スポーツ振興課の藤澤 直子さんと、岡田 麻里さんが紹介されました!

スポーツイベント誘致の係長を務める藤澤さんに合宿開催の経緯を伺いますと、「高松市は東京2020に向け、屋島中町にある屋島レクザムフィールドを主会場に、パラ陸上の大会や合宿誘致に取り組んできましたが、今後は、他の競技にも拡大し、引き続き、パラスポーツの推進やパラリンピアンとの交流事業を実施していきたい。車いすラグビーは今回初めての招致なので来ていただいて本当に嬉しい。」とのこと。

東京2020のホストタウン、共生社会ホストタウンとして、台湾のパラ陸上競技を受け入れたレガシーはさまざまなパラスポーツに広がっているのですね。

「今回、同じ四国で活動するFreedomさんとの橋渡しを、高知県障がい者スポーツセンターの北村所長にお願いしました。日本代表キャプテンの池 透暢(ゆきのぶ)選手のプレーを間近でみる機会は貴重です!」と、この合宿を心待ちにしていた藤澤さんでした。Wheelchair Rugby Freedom×AXE合同合宿 誘致に尽力した高松市の藤澤直子さん-Journal-ONE撮影

観戦ポイント その1:選手ひとりひとりのチェアワークに注目

8の字に走るウォーミングアップ、ボールを使ったパス練習といった今まで見てきたルーティンに続き、さまざまなバリエーションのチェアワーク練習は見応えありです。

TwitterFacebookLinePinterestLinkedIn