リーグワン開幕戦 決勝のトライを決めるカヴァイア タギヴェタウア選手・グリーンロケッツ東葛 Journal-ONE撮影
jone_logo
取材・文:
Journal ONE(編集部)
この記事は約5分で読めます。

国内最高峰のラグビーリーグ “JAPAN RUGBY LEAGUE ONE(ジャパンラグビー リーグワン、以下リーグワン)” の2022-23シーズンが開幕!各地で熱戦が繰り広げられました。

リーグワン 開幕戦 グリーンロケッツ東葛と近鉄花園ライナーズの一戦 Journal-ONE撮影

2019年に日本で開催された “ラグビーワールドカップ2019(以下、RWC2019)” は、世界中から多くのファンが観戦に訪れ、私たちもその熱気と選手たちの素晴らしいプレーに感動しました。
2021年1月、日本代表はもちろん各国代表選手がプレーし、RWC2019の熱狂をそのままに新リーグの1年目を華々しくスタートさせたリーグワン。しかし、新型コロナ感染症の影響で開幕戦を始め多くの試合が中止となるなど、万全の船出とはいきませんでした。

そのため2年目となる2022-23シーズンには、より大きな期待がかかります。なかでも最もこの日を待ち望んでいたのは、「ホストエリア」の皆さんではないでしょうか。
シーズンオフから選手たちとの交流を深め、プレシーズンマッチでも街を挙げて応援してきたホストエリアの皆さん。余り馴染みがないホストエリアという言葉ですが、プロ野球の “ホーム&ビジター”、サッカーJリーグの “ホーム&アウェー”、そしてリーグワン “ホスト&ビジター” と言えばピンとくるでしょう。

リーグワンには、「あなたの街から、世界最高をつくろう。」というVISIONがあります。
リーグを取り巻くすべてを、世界最高の名に相応しいクオリティに作りあげ、心躍る体験が、日常に溢れる風景を実現する。(リーグワンHPより)
これを実現するため、ファン、チーム、企業、そして地域がひとつになるというアイデンティティを作り上げようと、各チームの活動拠点となる地域をホストエリアとして定めているのです。各チームはその地域を自らのアイデンティティの一部とし、チーム名称に取り入れて戦っているのですね。

Journal-ONEではホストエリアに焦点を当て、皆さんのふれあいを中心にリーグワンの魅力を紹介していきます。
今回のレポートは、千葉県にある柏の葉公園総合競技場で行われた開幕戦(第1節)、グリーンロケッツ東葛がホストゲームで花園近鉄ライナーズを迎える一戦です。試合開始前から多くファンで賑わっています。リーグワン 開幕戦 グリーンロケッツ東葛と近鉄花園ライナーズの一戦 Journal-ONE撮影

グリーンロケッツ東葛のホストエリアには、何と8つの市が名を連ねているのです!
練習拠点を構える千葉県我孫子市や、柏の葉公園総合競技場がある柏市、松戸市、流山市、野田市、鎌ケ谷市、白井市、印西市と千葉県北西部(東葛エリア)全体でチームを盛り上げていこうとする珍しいチームなんです。

試合前にビールとソーセージで応援エネルギーを充電している皆さんに話を聞きました。
「負け続けてきたので、先ずは1勝!」「プレシーズンマッチでの好調をそのままに、ホストゲームで初勝利を!」と話す皆さんは、やはりホストエリアである我孫子市、柏市にお住まいのファンとのこと。全身、グリーンロケッツのチームカラー “GREEN” でコーディネートしたファンの皆さんが、試合開始前にさまざまなイベントやブース、キッチンカーのフード&ドリンクを楽しんでいます。
イベントには、以前レポートしたNECのオフィシャルチアダンス&チアリーディングチーム・NEC Sparkles(スパークルズ)のパフォーマンスも! スパークルが得意とするアクロバティックなパフォーマンスで、観戦に来ていた「あびこラグビースクール」の小学校2年生と3年生の皆さんのテンションが上がっていきます。
「週1回、グリーンロケッツのグランドで練習をしています。今日は、初勝利のためにみんなで応援に来ました。」と引率の山本 英之さんが話します。子どもたちが憧れるグリーンロケッツ選手たちの活躍を心待ちにしていたようです。リーグワン 開幕戦 グリーンロケッツ東葛と近鉄花園ライナーズの一戦 Journal-ONE撮影

今日は、「我孫子ホストタウンDay」と称し、8市の先陣を切って我孫子市が試合を盛り上げていくようです。特設ブースで我孫子市マスコットキャラクター “手賀沼のうなきちさん” と共にファンとの交流に大忙しなのが、我孫子市市民協働推進課の飯塚 寛明さん。
「8市ともども、心を込めて応援します!」と飯塚さん。グリーンロケッツ東葛を切っ掛けに8市での交流もどんどん深めていきたいと話す飯塚さんも、開幕戦を待ちわびているファンのひとりです。リーグワン 開幕戦 グリーンロケッツ東葛と近鉄花園ライナーズの一戦 Journal-ONE撮影

試合開始前には、スパークルズのパフォーマンスはもちろん、ホストエリアを代表して我孫子市長の星野 順一郎さんも応援に駆けつけました。
「スポーツは子どもたちを笑顔にする素晴らしい力があります。グリーンロケッツ東葛のホストエリアとして8市みんなで、グリーンロケッツ東葛を盛り上げて地域を元気にしていきたい。」と星野さん。「今日は目の前で初勝利を見せて欲しい!」と熱い応援でファンと一体となっていました。リーグワン 開幕戦 グリーンロケッツ東葛と近鉄花園ライナーズの一戦 Journal-ONE撮影

リーグワン開幕戦 グリーンロケッツ東葛と近鉄花園ライナーズの一戦 Journal-ONE撮影

3,150人の観衆が見守る中、14:31に試合が始まりました!
「みんなの声が本当に良く聞こえた。」とグリーンロケッツ東葛のキャプテン・レメキ ロマノラヴァ選手(LEMEKI Lomano Lava)が話せば、「たくさんの観客を見て、ウォームアップ中からワクワクした。選手同士の声が聞こえないくらいの歓声だった。」と花園近鉄ライナーズのジャクソン・ガーデンバショップ選手(Jackson Garden-Bachop)もスタンドと一体となった熱いプレーを連発します。リーグワン 開幕戦 グリーンロケッツ東葛と近鉄花園ライナーズの一戦 Journal-ONE撮影

前半開始5分、15分とグリーンロケッツ東葛が立て続けにトライをあげると、27分と42分には花園近鉄ライナーズがトライを返す一進一退の手に汗握る攻防が続きます。
前半15分に初キャップで嬉しい初トライをあげたグリーンロケッツ東葛のクリスチャン ラウイ選手(Christian Laui)は、ホストエリア・柏市にある日本体育大学柏高校出身。「お世話になっている多くの人たちが応援に来てくれているのは知っていた。感謝の気持ちをトライという形で見せることができて本当に良かった。」と試合後に語っていたように、ホストエリアのファンの力が選手を後押しします!リーグワン 開幕戦 グリーンロケッツ東葛と近鉄花園ライナーズの一戦 Journal-ONE撮影

リーグワン 開幕戦 グリーンロケッツ東葛のクリスチャン ラウイ選手 Journal-ONE撮影

前半を19-15とグリーンロケッツ東葛のリードで折り返して迎えた後半3分、グリーンロケッツ東葛がトライで点差を広げると、今度は花園近鉄ライナーズが反撃開始!
「(今季から1部に昇格し、)本来いるべき場所に戻ってきた。」と花園近鉄ライナーズのキャプテン・野中 翔平選手が話したとおり、全選手がトップリーグでも持ち前の攻撃力を発揮して12分と15分に連続でトライをあげ、逆転に成功します。
しかし、ホストエリアの大きな歓声を背に受け、リーグ戦初勝利(プレーオフ、不戦勝を除く)に燃えるグリーンロケッツ東葛は、21分に再逆転のトライをあげると、30分にもトライを重ねて突き放します。リーグワン 開幕戦 近鉄花園ライナーズの野中翔平選手 Journal-ONE撮影

リーグワン 開幕戦 グリーンロケッツ東葛と近鉄花園ライナーズの一戦 Journal-ONE撮影

花園近鉄ライナーズもトライを返し、36-34という僅差で迎えたロスタイム。最後の攻防は息詰まる展開となりました。
花園近鉄ライナーズはラストワンプレーでの劇的な逆転を狙い、31フェーズもの波状攻撃を仕掛けます! 対するグリーンロケッツ東葛は、「こういったプレーを想定し、毎週ディフェンス強化としてボールにも触れずに走って、走って、タックルする練習を重ねてきた。」とレメキ選手が話したとおりのペナルティを犯さない精緻なディフェンスで耐え凌ぎます。リーグワン 開幕戦 グリーンロケッツ東葛と近鉄花園ライナーズの一戦 Journal-ONE撮影

結局、2点差というスリリングな展開を制したグリーンロケッツ東葛。ホストエリアでの開幕戦勝利を飾りました! 昨年13連敗を喫したグリーンロケッツ東葛は、入れ替え戦を除いては実に1,527日振りの勝利! ファンはもちろん、選手たちやチーム関係者の本当に嬉しそうな笑顔が印象的でした。

試合後に、ロバート・ テイラーヘッドコーチ(Robert Taylor)が「記念すべきリーグワンの開幕戦、ファンに勝利を与えることができて本当に嬉しい。逆転されてプレッシャーがのしかかってきたが、再逆転した選手たちを誇らしく思っている。昨シーズンと比べてたくさんのファンが来ていてくれて本当に嬉しかったし、勝利をもたらせて本当に良かった。」とホストエリアのファンに感謝の気持ちを伝えます。
花園近鉄ライナーズの水間 良武ヘッドコーチも「やっぱり、DIVISION1は違うなぁ。」とスタンドの熱気に感心しながら、「まだリーグ戦は始まったばかり。自分たちのプレースタイルを貫き、次節の “関西ダービー” で頑張りたい。」と奮起を誓っていました。リーグワン 開幕戦 グリーンロケッツ東葛のロバート・テイラーヘッドコーチ Journal-ONE撮影

リーグワン 開幕戦 グリーンロケッツ東葛と近鉄花園ライナーズの水間良武ヘッドコーチ Journal-ONE撮影

レメキ選手の「応援に来てくれたみんなの思いが伝わった。最後の必死のディフェンスでも、みんなの声が本当に良く聞こえた。これからも毎試合応援に来てくれれば、勝利も増えてくる。愛されるチームになるよう頑張るので応援してください。」というメッセージが、ファンと共に世界一のリーグを目指すリーグワンの2シーズン目の成果を物語っていました。リーグワン 開幕戦 グリーンロケッツ東葛のレメキ選手 Journal-ONE撮影

リーグワン 開幕戦 グリーンロケッツ東葛のレメキ選手 Journal-ONE撮影

2023年4月まで予定されている、リーグワン2022-2023シーズンのリーグ戦。2023年9月には、ラグビーワールドカップ2023がフランスで開催されます。日本を始めとする各国の代表選手たち、代表を目指す選手たちの素晴らしいプレーを皆さんの街で間近に見ることができるチャンスを見逃すことはできませんね。

Journal-ONEでは、今後もホストエリアの皆さんと選手たちのふれあいを通じ、リーグワンの魅力をレポートしていきますのでお楽しみに!

アクセス
柏の葉公園総合競技場
  • JR・東武アーバンライナー柏駅~バス
  • つくばエクスプレス柏の葉キャンパス駅~バス

 

おすすめ記事