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スピリチュアルなものが好きな人はもちろん、そうでない人も、和歌山県の高野山は、知れば知るほど「行きたい場所リスト」に入ること間違いなし。この聖なる地では、他にはない独特の日本文化を知り、そこに住む人々と一段深いレベルでつながることができるでしょう。

宿坊に泊まって朝の勤行や護摩祈祷を体験し、真言密教の日本の祖、弘法大師が瞑想を続ける奥之院をお坊さんのガイドを聞きながら歩き、精進料理に舌つづみを打った私の体験をご紹介します。この体験談を読めば、私がおすすめする理由もきっとおわかりいただけるでしょう。

高野山とは

高野山は、真言密教の日本の祖、弘法大師がひらいた日本の仏教の聖地のひとつです。ここは高野山真言宗の中心であり、117の寺院があります。実は、高野山というのは山ではなく、僧侶とその家族が住む平穏な町を含めた、お寺の境内を指しているのです。 

高野山への1泊2日の旅

高野山は日本や、日本で暮らす人々について、そして文化を知ることができるまたとない場所です。高野山に住む人々は気さくで、英語を話せる僧侶もいるため、言葉が通じないことを心配する必要はありません。到着すると、まず迎えてくれるのが大門。高野山への入口であり、フォトスポットでもあります。

恵光院に泊まる

高野山に行ったなら、宿坊(お寺の宿泊施設)に泊まりましょう。高野山にある117のお寺のうち、51が宿坊を備えており、それぞれに特徴があります。

私がおすすめする恵光院は、英語が通じるので外国人でも宿泊しやすい宿坊。素晴らしい体験ができます。お寺に泊まるのは、ホテルに泊まるのとは勝手が違います。ですから、ホテルのようなおもてなしを期待してはいけません。仏教の習わしに従いましょう。日本らしい畳の部屋は清潔で居心地が良く、トイレと洗面所が付いています。恵光院では大浴場に入ることができますが、浴室付きのデラックスルームや陶製バスタブ付きの広い和洋室も新たに整備されていて、自分に合った部屋を選ぶことができます。

 

朝と夕には季節の野菜と高野山名物の胡麻豆腐(胡麻とくず粉から作った滑らかなお豆腐)を取り入れた、おいしい精進料理(仏教式のベジタリアン料理)をいただけます。

恵光院では、阿字観(瞑想)や朝の勤行、護摩祈祷、写経などの体験ができます。また、ここは人気の奥之院ナイトツアーの集合場所でもあります。

午後4時半、私は英語で行われた阿字観体験に参加。瞑想を通して、宇宙とつながる方法を教えてもらいました。私自身、日頃から瞑想をたしなむ者として、大いに期待して臨んだのですが、まさにその期待を裏切らない体験でした。お坊さんの説明は初心者にもわかりやすく、瞑想で集中を保つためのポイントを教えてくれました。恵光院の人たちはみな話しやすく、いろいろな質問にも丁寧に答えてくれました。

 

奥之院ナイトツアー

夕食後は、奥之院ナイトツアーに参加。樹齢数百年という大杉がうっそうと茂った厳かな墓地は、夜になると参道の左右に灯籠が灯り、いっそう静かで神秘的な雰囲気に包まれました。高野山の僧侶が案内するこのツアーでは、高野山の歴史や教え、その宗教上の意義などを説明してくれました。運がよければ、ムササビやホタルに会えることもあるそうです。締めくくりは、弘法大師が今も瞑想しているといわれる御廟へのお参りです。奥之院はきっと、朝日が木々の間を差し込む早朝に訪れるのもいいでしょう。  

 

 

高野山の夜明け

朝の勤行や護摩祈祷に参加したこと、私にとって忘れられない体験となりました。朝は早く6時半から始まりますが、参加するだけの価値は保証します。勤行では別の宇宙へと運ばれ、私の体の中でマントラが振動するのが聞こえました。護摩祈祷も魅力にあふれたもので、炎を見つめる私自身を自覚し、浄化されていく思いがしました。

 

総本山金剛峯寺

金剛峯寺は高野山真言宗の総本山です。広い寺内にある英語の解説を読みながら、弘法大師と高野山の歴史について学ぶことができます。美しく色鮮やかな襖絵と日本最大の石庭である蟠龍庭は、驚嘆にも値します。この石は、中央の建物を守護する2頭の龍を表しているそうです。 

 

 

 

壇上伽藍

金剛峯寺から歩いてすぐの壇上伽藍は、真言密教を学ぶために造られた神聖な場所で、いくつかの建物からなっています。ここには、本尊の大日如来をはじめ多くの仏像が祀られている根本大塔があり、内部そのものが立体の曼荼羅となっているのです。

 

角濱ごまとうふ

お昼におすすめなのが、角濱ごまとうふ。角濱は高野山の多くの寺院に胡麻豆腐を卸している名店で、最もおすすめしたい高野山みやげの一つです。最高の素材で作られた胡麻豆腐は滑らかで柔らかく、心も体も大満足。お昼の懐石は高野山の曼荼羅をイメージした、見た目にも舌にも、心にもおいしいランチでした。

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