ラグビー日本代表 33名が決まり東京。丸の内での壮行会に臨むジェイミー・ジョセフヘッドコーチ、姫野和樹主将ら-Journal-ONE撮影
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取材・文:
Journal ONE(編集部)
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ラグビー日本代表 運命のメンバー発表

8月15日の朝10時前。台風7号の近畿地方直撃が迫る中、東京新宿区にある “ヒルトン東京” 4階・菊の間に集まったのは、テレビカメラ、各メディア記者など200名近くの報道関係者。

来る9月8日に開幕する “ラグビーワールドカップ フランス大会” に臨む、ラグビー日本代表33人のメンバーが発表されるとあり、その注目度の高さが覗えます。ラグビー日本代表 33名が決まり新宿 ヒルトン東京での会見会場に設置されたオフィシャルボール-Journal-ONE撮影

まだ記憶に新しい、2019年のラグビーワールドカップ日本大会で初のベスト8入りを果たした日本代表。“ONE TEAM(ワンチーム)” という日本代表のスローガンがその年の “新語・流行語大賞” に輝くなど、日本中にラグビーブームを巻き起こしてから4年。

その当時活躍した、リーチ マイケル選手(東芝ブレイブルーパス東京)、堀江 翔太選手(埼玉パナソニックワイルドナイツ)、姫野 和樹選手(トヨタヴェルブリッツ)らが選ばれる見通しですが、果たしてどうなるのか!

緊張感に包まれた運命のメンバー発表

アナウンスに紹介され壇上に姿を現わしたのは、日本ラグビーフットボール協会の土田 雅人会長、藤井雄一郎15人制日本代表ナショナルチームディレクター、そしてJamie JOSEPH(ジェイミー・ジョセフ)ヘッドコーチ。やや強ばった表情を見せる3人を見て、会場にいる報道陣も更に緊張感が高まっています。ラグビー日本代表 33名が決まり新宿 ヒルトン東京での会見会場に並んだジェイミー・ジョセフヘッドコーチ、土田日本ラグビー協会会長、藤井日本代表ディレクター-Journal-ONE撮影

発表を前に、土田会長は「ハイパフォーマンスユニオンとして認められるようになった現在、ワールドカップでの日本代表のプレーは、国内だけでなく世界からも注目が集まるようになった。ワールドカップメンバーは、日本代表としての自覚、桜のジャージーへの誇りを持って世界の頂に挑戦してくれると思う。8年間一緒にやってきたジェイミーを信じ、国内での強化試合が(1勝5敗と)厳しい結果に終わったとなったが、一生懸命やってきた選手たちを信じている。前回大会を上回る結果を期待して、協会としても全力でサポートしていきたい。」と、これから発表される日本代表に揺るぎない信頼と勝利への自信の溢れるコメントで会見をスタートさせました。ラグビー日本代表 33名が決まり新宿 ヒルトン東京での会見会場で挨拶する土田日本ラグビー協会会長-Journal-ONE撮影

続いて、藤井ディレクターがマイクを取ります。いよいよ運命の33名の発表です!

「前回のワールドカップ2019が終わってから長い道のりだった。コロナ禍で翻弄されながらも選手たちは切磋琢磨して、ここまでたどり着いた。その中で、選ばれた選手が選ばれなかった選手の分まで、日の丸を背負って戦ってくれると思う。それに見合う選手が選ばれている。」と前置きした後、やや早口で淡々とメンバーを順番に読み上げる藤井ヘッドコーチ。メモが追いつかない記者たちにメンバーを記載した紙が配られます。ラグビー日本代表 33名が決まり新宿 ヒルトン東京での会見会場でメンバーを発表する藤井雄一郎15人制日本代表ナショナルチームディレクター-Journal-ONE撮影

発表された日本代表メンバー

先ずはフォワード。プロップには、稲垣 啓太(埼玉パナソニックワイルドナイツ)、クレイグ・ミラー(埼玉パナソニックワイルドナイツ)、シオネ・ハラシリ(横浜キヤノンイーグルス)、具 智元(コベルコ神戸スティーラーズ)、垣永 真之介(東京サントリーサンゴリアス)、ヴァル アサエリ愛(埼玉パナソニックワイルドナイツ)の6名が選出。ラグビーワールドカップ日本代表メンバーに選出された "笑わない男" 稲垣啓太選手(埼玉パナソニックワイルドナイツ)-Journal-ONE撮影

フッカーには、堀江 翔太(埼玉パナソニックワイルドナイツ)、坂手 淳史(埼玉パナソニックワイルドナイツ)、堀越 康介(東京サントリーサンゴリアス)が名を連ねます。

ロックは、ジェームス・ムーア(浦安D-Rocks)と、フランカーでもあるジャック・コーネルセン(埼玉パナソニックワイルドナイツ)。

フランカーは、ベン・ガンダー(埼玉パナソニックワイルドナイツ)、姫野 和樹(トヨタヴェルブリッツ)、福井 翔大(埼玉パナソニックワイルドナイツ)、リーチマイケル(東芝ブレイブルーパス東京)の4名。フォワード陣は、合計で15名となりました。ラグビーワールドカップ日本代表メンバーに初選出された 福井翔大選手(埼玉パナソニックワイルドナイツ)-Journal-ONE撮影

続いてバックス。スクラムハーフは。齋藤 直人(東京サントリーサンゴリアス)、流 大(東京サントリーサンゴリアス)、福田 健太(トヨタヴェルブリッツ)が順当に選ばれ、スタンドオフには、フルバックでもプレーできる小倉 順平(横浜キヤノンイーグルス)と、李 承信(コベルコ神戸スティーラーズ)、松田 力也(埼玉パナソニックワイルドナイツ)の3名が並びます。ラグビーワールドカップ日本代表メンバーに初選出された 李承信選手(コベルコ神戸スティーラーズ)-Journal-ONE撮影

センターには、リーグワン新人王の長田 智希(埼玉パナソニックワイルドナイツ)に中野 将伍(東京サントリーサンゴリアス)、中村 亮土(東京サントリーサンゴリアス)、ディラン・ライリー(埼玉パナソニックワイルドナイツ)の4名。ラグビーワールドカップ日本代表メンバーに初選出された長田智希選手(埼玉パナソニックワイルドナイツ)-Journal-ONE撮影

ウイングには、ジョゼ・ナイカブラ(東芝ブレイブルーパス東京)、シオサイア・フィフィタ(花園近鉄ライナーズ)、セミシ・マシレワ(花園近鉄ライナーズ)、レメキ ロマノ ラヴァ(NECグリーンロケッツ東葛)と、フルバックの松島 幸太朗(東京サントリーサンゴリアス)が選ばれ、こちらも合計で15名…と、3名少ない30名のメンバーの発表となりました!ラグビーワールドカップ日本代表メンバーに初選出されたジョゼ・ナイカブラ選手(東芝ブレイブルーパス東京)-Journal-ONE撮影

選考基準を説明するジェイミーHC

「今日はここに来られてうれしい。いつもサポートありがとう。」と、集まった報道陣に対して会見を無事に迎えることのできた感想を述べたジェイミーHC。「ハードワークしてくれた選手たちに感謝したい。メンバー外となった選手たちにも本当に感謝している。その選手たちがいなければ、今はない。」と、代表合宿に参加して懸命にハードワークをしてきた全ての選手たちへの感謝を伝えます。ラグビー日本代表 33名が決まり新宿 ヒルトン東京での会見会場で選考理由を話すJamie JOSEPH(ジェイミー・ジョセフ)ヘッドコーチ-Journal-ONE撮影

「今年はワールドカップへの大きなチャレンジの年。前回のワールドカップからコロナ禍でラグビーができない日々もあったが、その中でも強豪チームとの対戦を重ねるなど準備はしてきた。ワールドカップでは絶対に勝ちたい。2019年で結果を出した自信もある。」と、来月に迫ったラグビーワールドカップ フランス大会への決意を述べる一方で、「今日は、33人の代表メンバーの発表を予定していたが、(フィジー代表との一戦で)けが人なども出て、今の時点での判断が難しいため30人の発表とさせていただく。(直近の国内強化試合5試合は)残念な結果にはなりましたが、現代ラグビーではレッドカードは仕方ない。イングランド※でも出た。」と、後日3名を追加発表することになった経緯を話します。※8/12のイングランドvsウェールズのテストマッチで、主将のOwen Farrell(オーウェン・ファレル)選手が受けた “危険なタックルに関するレッドカード”リポビタンD2023| JAPAN vs サモア| レッドカードで退場となたリーチ マイケル選手(W杯2019メンバー)-Journal-ONE撮影

1勝5敗に終わった国内でのテストマッチを踏まえ、どういう準備が出来たのかという問いには、「高いレベルのチームと戦えたこと。リーグワン終了後、5週間休んですぐにニュージーランド代表(オールブラックス フィフティーン)と戦えたのはよかった。インテンシー、スピードなど、そのすべてがダメだったわけではなく、ケガ、コロナ、レッドカードなど、色々など不測の事態で対応できたことが良かった。」と答えたジェイミーHC。

「専門性の高いポジションであるフロントロー(プロップ、フッカー)の9人、SH(スクラムハーフ)の3人、SO(スタンドオフ)の3人。ワールドカップのルール上、半分近いこれらのポジションが自ずと決まってしまう。」と、選考の幅が狭い中での苦心の選択であったことを説明しつつも、「このメンバーで、しっかりと勝つ。試合に勝つ。先ずはトップエイトに残る。ワールドカップは何が起こるかわからないが、(誰がチームを率いていたとしても変ることの無い)早く動き、ボールをどんどん動かすアタッキングラグビー、ジャパンラグビーを、地域の気候や相手などに合わせて見せ続けて結果を示したい。」と、フランス大会に向けての抱負を力強く話してくれました。ラグビー日本代表 33名が決まり新宿 ヒルトン東京での会見会場で選考理由を話すJamie JOSEPH(ジェイミー・ジョセフ)ヘッドコーチ-Journal-ONE撮影

期待と不安の一問一答

7月8日から8月5日にかけ、日本各地で国際マッチを行ってきた日本代表。強豪揃いの対戦相手とは言え、その戦績(1勝5敗)や試合内容をを見ると、史上初のベスト4以上入りへの視界が良好ではありません。ラグビーファン、日本国民が持つ期待と不安を代表し、記者団からは様々な質問がジェイミーHCに向けられます。

Q:30名までの発表となった選手たちのケガの状況と、選考期限は?

「Warner DEARNS(ワーナー・ディアンズ)、Amato FAKATAVA(アマト ファカタヴァ)、Pieter LABUSCHAGNE(ピーター“ラピース”・ラブスカフニ)など、ケガの回復具合を見ながら最終的にはヨーロッパツアーに行く前に決める。LO(ロック)のファカタヴァは良い選手。ディアンズ選手も21歳とまだまだ若い将来性ある選手たちのケガは残念だ。」ワールドカップ日本代表 の国際マッチで大活躍したAmato FAKATAVA(アマト ファカタヴァ)選手はフィジー戦のケガで代表に漏れる-Journal-ONE撮影

Q:キャプテンに指名した姫野選手への期待は?

「姫野は、チームをまとめるだけでなく、自分のプレーで引っ張っていくというパッションもある選手。時にはチームを頼ったリーダーシップを発揮してくれることを期待している。ワールドカップの期間中も選手たちを成長させていかねばならない。チームのパフォーマンスが上がっていく好事例は、ONE TEAMをスローガンに臨んだ2019年の日本大会。これまでリーチや堀江などの様々なキャプテンを試した通り、チーム内にはリーダーはたくさんいる。彼らが姫野をサポートしてくれれば。」リポビタンD2023| JAPAN XV vs All Blacks XV| 後半から投入された姫野 和樹選手(W杯2019メンバー)-Journal-ONE撮影

Q:今回の選考におけるこだわりは?

「スピード、スキルがジャパンラグビーの象徴。これまで、いろいろな選手を使ってきたが、個人個人のミスもあった。プレッシャーのかかる場面で選手が困惑した場面もあった。そういったときに経験ある選手たちがどう対処できるか?この部分を期待してメンバーを選んだ。フロントロー、SH、SOというポジションだけでメンバーの半分くらい決まってしまう。そのため、リーグワンではFB(フルバック)もやっていたLomano Lava LEMEKI(レメキロマノラヴァ)、Semisi MASIREWA(セミシ・マシレワ)、長田、Jack CORNELSEN(ジャック・コーネルセン)などの複数ポジションをカバーできる選手を選んだ。」ラグビー日本代表 W杯メンバーに選出されたSemisi MASIREWA(セミシ・マシレワ)選手のトライ-Journal-ONE撮影

Q:FBの山中 亮平が漏れたが、追加選考でも選ばれることは無い?

「山中は素晴らしい選手。しかし、FB以外のポジションをこなしていない。10番(SO)をリーグワンでも実践してくれていれば… FBは松島をレギュラーとして確定していて、マシレワ、レメキといった選手がカバーできるため選考しなかった。同じFBの小倉がメンバー入りしたが、彼はSOとしてもプレーできるため選んだ。」ラグビーワールドカップ日本代表メンバーから落選した中山亮平選手(コベルコ神戸スティーラーズ)-Journal-ONE撮影

今回の選考で注目される、ケガによる選手選考の遅れと、FB 山中選手の落選についての経緯と共に、国内でのテストマッチにおける “勝ち負け” だけでは分からない日本代表の現在の調子についても丁寧に説明するジェイミーHC。最後は、机上に置かれていたラグビーワールドカップ フランス大会のオフィシャルボールを持ち、記念撮影で笑顔を見せてくれました。ラグビー日本代表 33名が決まり新宿 ヒルトン東京での会見会場に並んだジェイミー・ジョセフヘッドコーチ、土田日本ラグビー協会会長、藤井日本代表ディレクター-Journal-ONE撮影

第2部でも選手たちが丁寧な対応

緊張感溢れる日本代表メンバーの発表会見に続いては、日本代表に選ばれた4選手が壇上に登場!それぞれが、引き締まった表情と時に見せる優しい笑顔で、日本国中の皆さんが知りたい “本当の気持ち” を丁寧に話してくれました。会場姿を見せたのは、キャプテンに就任した姫野選手、副キャプテンを担う流選手、リーチ選手、坂手選手の4選手です。ラグビーワールドカップ日本代表メンバーの発表会見に続いて、流大、リーチマイケル、姫野和樹、坂手淳史の4選手が壇上に登場-Journal-ONE撮影

「選ばれなかった選手たちの想いを引き継いで、日本のために全力で戦いたい。」と、最初に話したのは流選手です。チームリーダーとしての意気込みを聞かれると、「基本的には姫野がやることになりますが、(姫野が)頼りないのでサポートしていきます。自分なりのリーダーシップで(笑)。」と、会場の笑いを誘った流選手のコメントに、姫野選手を始めとする3選手の笑顔。ラグビーワールドカップ日本代表メンバーの発表会見に続いて、流大(東京サントリーサンゴリアス)選手がW杯への抱負を語る-Journal-ONE撮影

一方で、報道陣に話している流選手の今大会が日本代表活動の最後となる心情については、「確かに(日本代表でのプレーは)最後と決めていますが、自分自身のことは関係ない。国を代表して、勝てると思ってやっている今大会で結果を出すことしか考えていない。」と、一段と引き締まった顔で決意を話してくれました。

レッドカードが2枚出た国内でのテストマッチを踏まえ、チームリーダーとレフリーとの試合中のコミュニケーションについての対応を聞かれた流選手。「レフリーとキャプテンの関係性はとても重要だと認識している。決して英語が堪能なわけではないが、通訳さんにも聞きながら残り1週間で準備していく。」と、積極的にコミュニケーションを取っていくための準備にも余念が無いよう。ラグビーワールドカップ日本代表に選出された流大選手(東京サントリーサンゴリアス)のパス配球-Journal-ONE撮影

「前回のワールドカップでは、当時27歳だった僕の他にベテラン選手と積極的にコミュニケーションを取る選手がいなかった。でも今回は、福井、斎藤、承信、長田など、先輩にモノをいう若手が増えて、チームが活性化しているなと思っている。長田は、部屋でゲームをやっていて負けると負け惜しみの言い訳をしてきますしね(笑)。」と、練習や試合だけでなくプライベートな時間でも、ベテランと若手のコミュニケーションが円滑である今回のチームを紹介してくれた流選手。

「レッドカードが出るのは選手が未熟だからで、レフリーが悪いということは全くない。かといって、15人がギリギリのところでプレーしている中で消極的になってはいけない。スマートに行く部分と、激しく部分はバランスを持って。ミスはしてはいけないが、恐れてはいけないということです。練習でどんどんスキルを駆使してチャレンジして、その中でミスがでないようにすることが大事ですが、こういった(ゲームのような)オフフィールドでいろいろな話をすることで、みんなの自信が高まればと思っているので。僕はオフの部分をフォーカスしたい。」と、チームの良い雰囲気が実際の試合に効果を発揮するという実例も併せて説明してくれました。ラグビーワールドカップ日本代表メンバーの発表会見に続いて、リーチマイケル(東芝ブレイブルーパス東京)選手がW杯への抱負を語る-Journal-ONE撮影

「ケガをして、自分のプレーができなくなって、手術をした後も苦しくて引退も考える程の地獄まで落ちた。それを考えると、今回自分が選ばれたのは奇跡。」と、自らか3回目のラグビーワールドカップ日本代表に選ばれた感想を聞かれたリーチ選手が話します。

レッドカードを受けた後、試合に出られない中でもメンバー外の選手と話をしたり、技術面の部分を見直し続けてきた。レッドを受けた瞬間は頭が真っ白になった。こういった経験を活かし、ダブルタックルでは高いところにタックルに行くケースがあるが、もう絶対にローしかタックルしないように取り組んだ。」と、後半に出場できない期間も成長し続けてきたことを話すリーチ選手。「自分がプレーした過去2回のスコッドと比べ、今回のメンバーは経験人数が多いし、体のサイズも大きく一番優勝の可能性がある。優勝を目指すのは当然だ。」と、今回のメンバーの実力を評すると共に、「チームの良いバランスに持っていくには、カラオケ、お酒、お笑い、ハードワークの4つの要素が必要。」と、他の選手が思わず笑ってしまうコメントを披露。ラグビーワールドカップ日本代表に選出されたリーチマイケル選手(東芝ブレイブルーパス東京)がレッドカード後に子ども達と笑顔で交流してマインドセット-Journal-ONE撮影

「オフでいい顔する選手たちが、グランド内でももっとリラックスしてプレーするほうが良いパフォーマンスにもつながる。僕たちも人間だから、自分の最高のパフォーマンスを発揮するためにもいかにリラックスするかが大事です。」と、まだまだチームの真の力が出ていない現状を教えてくれました。

「代表に選ばれたことを本当に嬉しく光栄に思う。皆さんの期待とプレッシャーを楽しみにプレーしたい。」と話すのは、キャプテンに就任した姫野選手です。自らのリーダーシップについては、「僕のラグビーに対する情熱、愛情が日本代表に必要とされているのだと思った。覚悟を持って臨んでいきたい。」と、しっかりと前を向いて力を込めつつ、「これから生きるか死ぬかの(ワールドカップ)デスゾーンに入っていく。幸いにも強化試合が1試合残っているので、自分たちのパフォーマンスをしっかり出して、本番に臨みたい。」と、最後の仕上げに向けた決意も話してくれました。ラグビーワールドカップ日本代表メンバーの発表会見に続いて、姫野和樹(トヨタヴェルブリッツ)選手がW杯への抱負を語る-Journal-ONE撮影

リーチ選手から、キャプテン姫野の高評価を聞き、一気に表情が緩んだ姫野選手は、「キャプテンのリーチにあこがれていた。そのリーチから “いいキャップ” といってもらって一選手として嬉しい(笑)。」と、子どものような笑顔を見せてくれた一方、「一緒に汗を流し、涙を流し、共に時間を家族として過ごしてきた。メンバーに選ばれなかった選手の想いも背負い、自分の夢を叶える場所であるワールドカップに臨む。そこで優勝して、日本にラグビーが必要だと皆さんに思ってもらうよう活躍したい。」と、様々な思いを背負い戦う決意を再び引き締まった表情に変えて話す姫野キャプテンでした。ラグビーワールドカップ日本代表のキャプテンに就任した姫野和樹(トヨタヴェルブリッツ)選手のキャプテンシー-Journal-ONE撮影

「チーム内でのメンバー発表の時間は、4年で一番タフだった。」と振り返るのは、坂手選手です。フィジー戦が終わってから直ぐに発表があったことを明かした坂手選手は、「選ばれた選手と選ばれなかった選手が一緒に過ごした時間を経て、自分を含めた全ての選手が目指す舞台であるワールドカップに臨む。今、現役でプレーしている世代、それより下の世代にとって心に残るようなプレーをしたい。」と、ワールドカップの舞台に登れない全ての選手の想いを背負ってプレーすることを誓いました。ラグビーワールドカップ日本代表メンバーの発表会見に続いて、坂手淳史(埼玉パナソニックワイルドナイツ)選手がW杯への抱負を語る-Journal-ONE撮影

「ラグビーはメンタルスポーツ。(これまでの準備の過程で)いいことも悪いこともあったが、練習でしっかりとチャレンジして自信をつけて本番に臨みたい。」と、まだまだ状態上がる日本代表への期待を促してくれました。ラグビーワールドカップ日本代表メンバーの発表会見に続いて、坂手淳史(埼玉パナソニックワイルドナイツ)選手がW杯への抱負を語る-Journal-ONE撮影

800人のファンの前での決意

新宿・ヒルトン東京での会見を終えた午後、東京駅を “借景” にした特設ステージが組まれた丸の内行幸通りには、日本代表 “桜のジャージー” に身を包んだ多くのラグビーファンが集まりました。その数何と881名!日本ラグビーフットボール協会が企画した「ラグビー日本代表BRAVE壮行会2023 #選手もファンもひとつになって世界へ」に出演する日本代表全選手とヘッドコーチが、ラグビーワールドカップ フランス大会に向けて決意表明の瞬間を待っているファンです。東京駅を借景にした特設ステージが丸の内内行幸通りに設定され、ラグビーワールドカップ日本代表BRAVE壮行会2023-Journal-ONE撮影

選手到着が遅れる中、応援サポーターとして壇上に上がった元ラグビー日本代表の五郎丸 歩さん、廣瀬 俊朗さんらが話しを繋ぎます。

「本当に凄い盛り上がりですよね!」と、多くのファンが集まる会場を見て話す廣瀬さんは、「(2015年大会前は)メディアもファンもこんなにたくさん居なくて、出発するときの羽田空港もひっそりとでしたよね。」と話せば、五郎丸さんも「飛行機降りるとき初めてスーツに着替えましたよね。それまでジャージーで(笑)。」と当時を懐かしそうに振り返ります。丸の内内行幸通りで行われたラグビーワールドカップ日本代表BRAVE壮行会2023でトークする廣瀬俊朗氏-Journal-ONE撮影

2015年に日本代表が南アフリカ代表を破った “ブライトンの奇跡” ! そこからファンが増えてきたことについても、五郎丸さんが「国立が埋まるんですからね。6万5千人ですよ。」と話せば、廣瀬さんも「僕らが秩父宮でやっていた時は、7千人くらいの観客数でした。いつも応援してくださっている方がいて。みんなで頑張って少しずつファンのみなさんも増えていって。今このような景色ができたのですよね。」とラグビーファンが増えたこの様子に感激しています。丸の内内行幸通りで行われたラグビーワールドカップ日本代表BRAVE壮行会2023でトークする五郎丸歩氏-Journal-ONE撮影

いよいよ日本代表の黒いチームバスが乗り付けるという演出で、ひとりひとり紹介されてステージに上がる選手たちにファンの歓声とボルテージはマックスに達します!ラグビーワールドカップ日本代表 33名が決まり東京・丸の内での壮行会に臨むジェイミー・ジョセフヘッドコーチ、姫野和樹主将ら-Journal-ONE撮影

皇居まで伸びる行幸通りの真っ直ぐな歩道いっぱいを埋め尽くした “桜のジャージー” 。丸の内が日本代表一色になった光景を嬉しそうに眺める選手たちを代表し、姫野キャプテンが「我々は歴史を変える準備はできています。歴史を変える自信があります。2019年よりもたくさんの感動や勇気を感じてもらえることを約束します!ともに戦いましょう」と、熱い決意表明を行い大きな拍手を浴びていました。ラグビーワールドカップ日本代表 33名が決まり東京・丸の内での壮行会で決意表明する姫野和樹主将-Journal-ONE撮影

追加招集は4人!翌朝にイタリアに発った日本代表

残る3人の代表選手が発表されたのは、3日後の8月18日。

ロックのヘル・ウベ(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)、サウマキ・アマナキ(コベルコ神戸スティーラーズ)、ワーナー・ディアンズ(東芝ブレイブルーパス東京)、フランカーのピーター・ラブスカフニ(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)の4人が名を連ねました。リポビタンD2023| JAPAN vs フィジー | 怪我から8ヶ月ぶりの復帰となったピーター・ラピース・ラブスカフニ選手[クボタスピアーズ船橋・東京ベイ]はまさかのレッドカードで札幌でのリーチマイケルに続く退場となった-Journal-ONE撮影

既に発表された30人に選ばれていた、ロックのジェームス・ムーア選手がコンディション不良により離脱し、最終登録メンバー33人となった日本代表は、その翌朝にイタリアへ向けて出発しました、

いよいよ姫野キャプテンの言う “デスゾーン” ヨーロッパに向かった日本代表は、8月26日(土)にイタリア・トレヴィーゾで、イタリア代表との強化試合を行い、フランスに乗り込みます!本番となる、W杯フランス大会は9月10日(日)から行われる日程は以下の通りです。※試合は日本時間

・9/10(日)20:00 日本 vs. チリ
・9/18(月)4:00 イングランド vs. 日本
・9/29(金)4:00 日本 vs. サモア
・10/8(日)20:00 日本 vs. アルゼンチンリポビタンD2023| JAPAN vs トンガ | 今夏初勝利を誓い国歌斉唱を行う日本代表の選手達-Journal-ONE撮影

Journal-ONEでは、ラグビーワールドカップ フランス大会の情報や、日本で応援するファンの皆さんの盛り上がりも紹介していきます! Instagram @journalone_official でも、皆さんの熱い声援が選手に届く企画を開催していきますので、#journalone を付けて応援メッセージや観戦シーンを投稿して下さいね!

 

アクセス
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