「みんなが大量得点を取ってくれましたので、自分の投球に専念できました」と、強力打線の爆発を称えるのは、上野投手です。

早めの回からの継投となったことについては、「（早めの継投は）予定通りです。今日は全然自分のボールを投げることができませんでした」と、やれることはやったものの最後まで修正できなかった想外の投球に苦笑いを見せる上野投手。

「どのチームも日本一を目指して日々ソフトボールに取り組んでいるので、明日は意地、プライド、執念など色々なものがぶつかりあう一戦になると思います。私たちも負けないようにしっかりと臨んできたいです」と、明日への備えを話してくれました。

アジア大会決勝で右方向への見事な先制アーチを放った内藤 選手は、今日も同様に放った先制のスリーランホームランについて、「（右方向へは）狙っているわけではないのですが（笑）、ゲッツーにならないように外野へ強い打球を打つことを心がけました。上手く芯に当たってくれました」と、繋ぐ意識で放った貴重な一発を振り返ります。

「ジェイリン投手は、外角に丁寧に投げている印象でした。その情報を次の打者に伝えて、何とかみんなが打ってくれました」と話す1番打者の市口選手。自身も5回にダメ押しのスリーランホームランを放った場面は、「打ったのは低めでした。甘い球が来たら思いっきり引っ張ろうと思っていました。3-2でしたのでとにかく食らいつこうとバットを振りました」と、同じくケースバッティングが功を奏したと振り返ります。

「リーグ戦終了後から3週間、みんなで相手投手の対策を立てながらバッティングを強化してきました。それが成果として繋がったと思います」と、爆発した打線の要因を教えてくれた市口選手。

「今シーズン最後の試合となるので悔いの残らないよう、全力で戦っていきたい」と市口選手が決勝への抱負を語れば、「あと1試合しかないので、全員総力でソフトボールを楽しんでプレーしたいです」と内藤選手も笑顔で話してくれました。

最後までチームカラーを出し切る -ホンダ

攻守の要・木村選手は、「初回に3点を先制され、モチベーションを維持するに難しい試合となりましたが、勝つという強い思いを持って1点ずつ返すホンダの粘り強いソフトボールができたと思います」と試合を振り返り始めます。

ホンダにとっては厳しい展開となった内野ゴロのイレギュラーについて、前日の雨の影響を受けたグラウンドコンディションについて尋ねると、「影響が無かったと言えば嘘になりますが、状況は両チームとも同じなので･･･ 事前にコミュニケーションを取っていれば防ぐことのできたミスはあったと思います。そんな中でも、とにかく今までやって来たことを思いきり出そうと声かけをして守っていました」と話してくれた木村選手。難しいバント処理を含め5つの守備機会を全て攻撃的に守り切り、自らのプレーと共にリズムを作り続けたことを教えてくれました。

2つの犠飛でクリンアップとしての役割を果たすなど、1点ずつ返す粘り強いリヴェルタの戦いを見せてくれた打線においても、「濱村投手、上野投手ともコーナーワークと緩急で勝負をしてくることは分かっていました。アウトコースを中心に狙い球を絞っていこうと情報を共有して臨んだ結果だと思います」と、ビークイーン投手陣から5点を取ったポイントを振り返ってくれました。

「今年は真岡での最後の活動でしたので、日本一を目指していましたが残念ながら目標を達成することはできませんでした。来年は上位進出をするためにはミスを無くし、アリーとジェイを援護できるような繋ぐバッティングに磨きをかけて行きます」と、力強く来期への決意を宣言してインタビュー会場を後にしていきました。

プレーオフ、このダイヤモンドシリーズと共に予想できない点を取り合う展開が続いた加藤監督は、「（今日は）先制点が欲しい中、初回に内藤選手の素晴らしいバッティングで3点を先制されてしまったとおり、立ち上がりから向かってくるビックさんの打線を抑えることが出来ませんでした」と、日本代表の4番も務める内藤選手の見事なスリーランホームランを称えつつ、「内野へのアンラッキーな打球が続き、ことごとく得点に繋がってしまいました」と波に乗れなかったディフェンス面を振り返ります。

「キャプテンの下村選手、副キャプテンの大川選手を中心に、選手たちが本当に主体性を持って勝ちにこだわるソフトボールをやり切ってくれました。最後は自分の力不足で、選手たちの背中を押してあげられなかったことを申し訳なく思います。全てはチームのためにと取り組んでくれた選手たちに感謝します」と、選手たちを労いました。

続く準決勝2試合目では、西地区2年連続優勝の “トヨタレッドテリアーズ” と、昨年のダイヤモンドシリーズ同一カードを延長で制して決勝まで勝ち進んだ西地区2位の “豊田自動織機シャイニングベガ” が対戦。勝ち上がったチームがJDリーグ2代目女王の座をかけ、翌日のビークイーンとの決勝戦に臨みます。