しかし最後まで諦めないブラックラムズは76分、自陣22m付近のスクラムからパスを繋いで前進すると、FBのアイザック・ルーカスがワイルドナイツのディフェンスを切り裂き、フォローに入ったWTBの ネタニ・ヴァカヤリア選手にラストパスを通して2本目のトライ! 44-17と食い下がりますが、反撃もここまでとなりました。
試合後は、リーグ通算100キャップを達成したワイルドナイツの内田選手、ブラックラムズの柳川 大樹選手のセレモニーが行われ、ご家族やチーム関係者がその偉業を祝います。
自らの記念すべき試合にトライで華を添えた内田選手が、ファンへの挨拶で今シーズン限りの引退を表明すると。ワイルドナイツファンからは「ありがとう!」「まだまだ頼むぞ!」と、大きな声援を受けていました。
アクシデントでも開幕3連勝 –ワイルドナイツ
「とても良いパフォーマンスでした。試合前、インフルエンザではありませんでしたが数人の選手がコンディション不良となるチャレンジングな状態で選手たちは良くやってくれました。」と試合を振り返ったのは、ワイルドナイツのロビー・ディーンHC(ヘッドコーチ)です。
「内田選手は引退を表明したのは残念でしたが、今日、家族がいるホストゲームでトライも上げて祝福できたのは良かったです。(ディラン・)ライリー選手も50キャップ達成を素晴らしいプレーで迎えてくれました。おめでとう!」と、嬉しいニュースに笑顔でコメントしていました。
2トライを挙げる活躍を見せた、坂手 淳史キャプテンも、「内田選手の100キャップとディラン・ライリー選手の50キャップを祝福したいと思います。」と仲間の偉業を真っ先に称えます。「内田選手が引退を表明しましたが、シーズン前に表明した堀江選手と共に、まだまだ活躍してもらって、花道を飾りたいと思います。」と、昨シーズンの捲土重来を期していました。
続いて坂手キャプテンは、「プレーはワークファースト。とにかく動いて、全体的には良かった。開始早々からエリア取りをバックスが良くやってくれたので、フォワードが安心して前に出ることができました。これまでモールアタックが良くなかったので、選手たちか意見が出て課題克服に取り組んできました。それが結果として出て良かったです。」と、試合を振り返りました。
苦しい台所事情も前を向く -ブラックラムズ
「最初に、選手にとって100キャップは特別なこと。二人の選手(内田選手と柳川選手)におめでとうと伝えたいです。」と、両チームの功労者に賛辞を送ったのはブラックラムズのピーター ヒューワットHCです。
「(年末年始の)ブレイクで傷だらけの状態からの回復を目指します。けがなどで選手がいないシチュエーションですが、次の試合へ向けてリセットしたい。まだ3試合を終えたところで自分たちの絵もしっかりと見えています。選手が戻ってきますし、自分たちのプロセスを持って、次の試合へ向けて準備したいと思います」と、2024年での巻き返しを誓ってくれました。
フロントローの重責を果たす -ヴァルアサエリ愛選手
今シーズン初スタメン、しかも60分近くをフロントローで支えた日本代表のヴァルアサエリ愛選手は、「こういう時のために準備はしてきていました。さすがに最後は疲れましたね。」と笑顔で試合を振り返り始めます。
「ブラックラムズの力のあるフォワード陣を相手に、最初からしっかりとスクラムを組めました。」と、日本代表が揃うリーグ屈指のディフェンス陣の重責を果たせていることに触れつつも、「今週は、モールからのアタックにフォーカスして練習を続けてきました。この成果が出て2つのトライを挙げられたことが収穫でした。」と、前節のライナーズ戦で若干苦戦したモールからの攻撃が修正できたことを喜んでいました。
今シーズンへの自身の入り方については、「ラグビーW杯を経て、やはり精神的に成長できたと思います。もちろん、スクラムの精度と強さも磨かれたと思います。」とW杯を経てここまで3試合全勝に貢献できている要因を挙げるアサエリ選手は、「先週、今週と試合でのハードワークが続いたので、年末年始に身体を休め、また1/6からの試合に備えたい。」と今後の抱負も語ってくれました。
明日のXmasイブに向け、“アサエリサンタさん” の準備について尋ねると、「う~ん(笑)。スイッチ(ニンテンドー)のゲームソフトとか、ラジコンとか… うちは4人子供がいるので準備が大変です。」と嬉しそうに教えてくれました。
Xmas、年末年始で家族からパワーをもらい、正月早々の第4節・ホームゲームで迎え撃つ “トヨタヴェルブリッツ” 戦での引き続きの活躍が楽しみですね。
12月9日から、12月24日までの第3節を終えて、3戦全勝の “埼玉パナソニックワイルドナイツ” “東芝ブレイブルーパス東京” を筆頭に、“東京サントリーサンゴリアス” “コベルコ神戸スティーラーズ” “横浜キヤノンイーグルス” “トヨタヴェルブリッツ” “三菱重工相模原ダイナボアーズ” が1敗で続きます。