皆さんこんにちは。TOKYO2020ソフトボール金メダリストの山崎早紀(トヨタ自動車)です。
昨シーズンで現役を退き、レポーターとして「日米対抗ソフトボール2022」を取材することになりました!
TOKYO2020からちょうど一年。あの戦いの地・福島県に戻ってきました。
昨年11月、日本女子ソフトボールリーグの決勝トーナメントでは、多くのファンの皆さんに応援を頂き本当に嬉しかった!今回は、日本で多くのファンに囲まれて試合が出来る久しぶりの代表戦です。
今回の取材は、ソフトボールの魅力を多くの方に知って頂くことは勿論、普段からソフトボールを応援して頂いている「福島県の皆さんに恩返し!」と言うテーマもあるんです。
福島駅周辺の観光地を取材して、一人でも多くの観光事業者さんとお話をしながら、福島の魅力もお伝えしたいと思います。
観光地を取材する記事も一生懸命書きましたので、是非こちらもご覧下さい。
福島駅からの車中、県営あづま球場に向かう道がとても懐かしく感じます。小高い丘の上に、大きな照明灯が突然見えてくると、あの時の高揚感が戻ってきますね。
初日は試合前日の公式練習から取材です。
先ずは正面玄関をバックに撮影!
綺麗な人工芝が敷き詰められたグランド。足を踏み入れる時は現役時と変わらぬ緊張感があります。一礼してグランドに入ると、早速懐かしい顔が目に入ってきました。
新生・日本代表の主軸・藤田倭選手(ビックカメラ高崎)です。
ユニフォーム姿で無い私を見て、少し驚かれていましたが・・・直ぐに近況報告などで盛り上がり、私の緊張も解れました。
TOKYO2020を一緒に戦った、原田のどか選手(太陽誘電)、市口侑果選手(ビックカメラ高崎)、川畑瞳選手(デンソー)、我妻悠香選手(ビックカメラ高崎)とも久しぶりの再会で本当に嬉しかった!
更に、TOYOTA RedTerriersから選出された切石結女選手、石川恭子選手、後藤希友選手、伊波奈々(いは なな)選手とTeam TOYOTAで記念撮影。
選手達とのメッセージフォトは、こちらの記事で紹介していますので、読んで下さいね。
すっかりOG会になってしまって、テンションが上がったところに、宇津木ヘッドコーチがお見えになったので、ご挨拶を兼ねて初めてのインタビューに。
「今回は(7月にアメリカで開催された)ワールド・ゲームズ11に続いて間もない代表戦ですが、新生・日本代表の調子は如何ですか?」
「ワールド・ゲームズ11では残念ながらアメリカに負けてしまって準優勝でしたが、新たな若い選手が国際試合を経験する良い機会でした。この日米対抗も、当然勝ちにはこだわっていきますが、全選手を試合に出して、選手達がどのようなパフォーマンスを魅せてくれるか期待したいですね。」と宇津木ヘッドコーチ。
私も国際試合に何度か出させてもらいましたが、やはりアメリカ戦は緊張感が違いますし、負けたくない気持ちも一際。独特の雰囲気の中で選手達が限界を超えるプレーを魅せてくれることを期待します。
「一方で、来日したアメリカ代表はメンバーをかなり入れ替えてきて、大学生中心の若いチーム編成になっていますね?」
「アメリカの大学生リーグの実力と人気は凄いものがあります。各国の一流選手達が腕を磨きにアメリカの大学リーグに所属して鎬を削っています。そこから次々と有望な選手が出てきて、その選手達を色々と試しながら2028年のロサンゼルス・オリンピックでのソフトボール復活を見据えてチーム作りを始めていますね。」(宇津木ヘッドコーチ)
両チーム共に2028年を想定した若い力のぶつかり合いになると予想されていました。
TOKYO2020で活躍した選手は勿論ですが、新たな選手とチームを作っていく過程が見られるのもこの大会の見所ですね。2028年のオリンピック決勝を想像して、今から選手やチームの成長を追い続けるのも楽しいと思います。
一方、アメリカ代表は・・・選手、スタッフ共に初代表が多いからなのか、ちょっとピリピリした雰囲気が感じられます。
日本のホンダに長く所属していて、TOKYO2020を含めて何度も対戦した良きライバルであるアリー・カーダ(Ally Carda)選手に話を聞こうとしたところ、スタッフの方に「何を撮っている?ビデオはNGだぞ!」と注意されてびっくりしましたが、カーダ選手のフォローで無事に取材できました。
日米双方のファンに向けたメッセージをボードに書いてもらって記念撮影!今大会の主将を務めるカーダ選手が若い選手達を引っ張っていくのだという強い思いが込められています。
取材終わりには、見学に来ていた地元4校の中学生選手達とも記念撮影。皆さん、私のことを覚えていてくれて本当に嬉しかった・・・
即席の質問コーナーでは、「ライズボールの攻略法は?」と言った技術的な質問から、「どうしたら、そんなに白い肌でいられるのですか?」なんて質問まで(笑)
現役時代は日焼け止めクリームが手放せなかったことを伝えると、皆さん大笑いで楽しいひとときとなりました。本当にありがとうござました。
さて、いよいよ翌日の第1戦の取材です。
直前練習の前に、東北3県の高校生チームと東京都の高校生チームの親善試合が行われていたので、こちらも取材!取材!
若くて元気な未来のJAPAN候補達が、JAPANの先輩達の前で懸命にプレーする姿に感動です。特に、東京都の強豪チームに点差を付けられても、諦めずに真っ向勝負を挑み続けた、福島県郡山市から来た尚志(しょうし)高校のエースでキャプテン・立川玲那選手に話を伺いました。
「対戦相手は強くて敵わなかったですが、とても良い経験が出来ました。新チームになったばかりなので、皆で努力して上を目指したいです。」(立川選手)と確りとした口調で話してくれました。来年のインターハイが楽しみです。
試合開始3時間前、直前練習の合間に球場の外へ出てみると、既に球場の周りは、真っ赤なJAPANユニフォームを着たファンの方でいっぱいです。
開場前に、たくさんの出店でご飯を食べたり、福島各市町が出している観光紹介ブースを回ってみたりとそれぞれ楽しい時間を過ごされているみたいです。
私もケータリングを探しがてらお店を見て回っていると、ここでも多くの方から声をかけて頂き、記念撮影やサインをすることが出来ました。温かい福島のファンの皆さんに感謝です。
いよいよ試合開始!
日本代表の先発は試合前のメディアで最も注目を浴びていた後藤選手です。
その投球練習の1球目。球場にどよめきが起こります!やはり、生で見る後藤選手の球速はテレビ観戦では体感できないスピードがありますね。
試合後のインタビューで「(投球練習1球目の)どよめきは良く聞こえた。あれでまた一つギアが上がった。」と言っていたように、やはりファンの歓声が選手の力を更に引き上げてくれるのです。
選手とファンが一体となった球場の雰囲気は、見ていても心が熱くなります。後藤選手も中盤以降立ち直って、7回13奪三振の完投勝利で初戦勝利をもたらしてくれました。
第1戦のスタメンでやはり気になるのは後輩の2番レフト・石川選手。「今回はスピードのある選手を集めた」と宇津木ヘッドコーチが話していたその一人。
結果は3打数3安打の固め打ちで、盗塁も決めるなど、スピード重視のチームカラーを十二分に出す活躍をしてくれました!
試合は、4回に原田のどか選手のソロホームランで追いついた日本が、最終回に坂本結愛選手(日立)の三塁打で作ったチャンスに、我妻悠香選手の技ありヒットエンドランでサヨナラ勝ち!
代走・伊波奈々選手の絶好のスタートとタッチの下をすり抜ける絶妙のスライディングも見応えがありました。
「如何に点を与えず、如何に1点を取るかを突き詰めるのが日本のソフトボール」と仰っていた宇津木ヘッドコーチのチーム編成・起用・采配がズバリ当たった試合展開でした。
今回、ソフトボール初観戦のJournal-ONE編集部の方が、一緒に取材をして感じた初観戦記も公開中です。ソフトボールの生観戦の魅力が伝わる記事となっていますので、こちらも是非読んで下さいね。