投打の要がルーキーを牽引し経験値が上昇 – 西地区6位(4勝14敗)
「若いチームは、経験を積みながら成長するしかない」と、シーズン前に話していた日本精工ブレイブベアリーズの森澤 隆行監督。昨シーズン、最も苦しんだ台”所事情”をてこ入れすべく、左右三枚の新人選手を獲得。長丁場のリーグ戦を安定した戦力で戦うことのできる、バラエティ豊かな投手陣に整備した。
これで終わらない日本精工ブレイブベアリーズは、新人選手を三遊間に起用すると共に、打撃に専念させるべく主砲の重石 華子選手をファーストにコンバート。重石選手の後を継ぐ扇の要には、大垣ミナモから移籍した森澤監督の愛弟子・桒原 伊代捕手と打撃の良い小泉 向日葵捕手を据える布陣で今シーズンに臨んだ。
大胆な選手起用で若い選手たちに経験値を積ませる一方、主戦に成長した “推しのソ” 後藤 明日香投手、攻守で安定したプレーが魅力の沢 柚妃選手がチームを牽引。これにより、鈴木 りりか投手、石原 瑠々投手のルーキー左腕コンビや、岡崎 仁美選手、矢藤 輝羅菜選手のルーキー三遊間が躍動。様々な経験を積み、後半戦でのさらなる飛躍を期待させるプレーを随所に魅せた。
昨年の調子を取り戻したい投手陣
ゴールデンルーキーたちが、勇猛果敢にJDリーグの強力打者たちに立ち向かう中、昨シーズンに日本精工ブレイブベアリーズを支えた、山田 玲菜投手、“推しのソ” 小栗 巳緒乃投手が相手チームに攻略される想定外の試合展開が多い前半戦となった。
元々、試合を作る制球力と投球術を持ち、完投できるスタミナもある両投手。短いイニングで結果が出せずに悔しい前半戦となっただけに、捲土重来を期す想いはどの選手よりも強いはず。
サマーブレイクでマインドセットしつつ万全な調整ができれば、終盤まで接戦に持ち込み1点差で逃げ切る日本精工ブレイブベアリーズの勝ちパターン”粘りのソフトボール”が見られるゲームも増えるだろう。
母の日の前日、強打のSGホールディングスを相手に3回途中5失点と打ち込まれた後藤投手が、翌日の伊予銀行ヴェールズ戦に再び先発。庄司 奈々投手との投手戦を制して涙の完投勝利を果たした。
昨シーズンの経験を糧にチームの勝利を誰よりも渇望する後藤投手は、精神的にも大きな成長を遂げている。接戦に強い日本精工ブレイブベアリーズらしい試合を一試合でも多くファンに届けるためには、後藤投手のギアももう一つ上げていきたいところだ。
後藤投手が1試合を投げきるラウンドが増えれば、左右にそれぞれが特長ある投球術を持つ投手陣を起用する、森澤監督の手腕も冴えてくるに違いない。
主力の覚醒が待ち遠しい打撃陣
キャプテンの沢選手、ポイントゲッターの重石選手に続き、今シーズンの中心選手として期待されている“推しのソ” 弓納持 あみ選手の覚醒も待ち遠しいところ。
広い守備範囲を誇る外野守備では安定したプレーを続けている弓納持選手だけに、内外野の間へ力強い打球を打ち分ける卓越したミートバッティングにもう一段磨きがかかれば、チームの得点力は一気に上がってくる。
主砲・重石選手への厳しいマークを牽制する意味では、走者を置いた場面での勝負強さ。思い切り良いスイングで長打が期待できる小泉選手へ繋ぐチャンスメーカーとしても、日本精工ブレイブベアリーズ打線で期待されている役割はとても大きい。
太陽誘電ソルフィーユから移籍の宇野 このみ選手、新人・岡崎選手とタレントが揃ってきているだけに、沢選手、重石選手と共に打線の核として弓納持選手が加われば、前半戦で貫いた失点を臆せずに攻める投手陣にも良い流れをもたらすだろう。
後半戦の開幕は9月7日から!
いよいよ待ちに待った後半戦。日本精工ブレイブベアリーズは、四万十スタジアム(高知県四万十市)での交流戦に登場。“全日本総合女子ソフトボール選手権”開催による2週間のリーグ再中断をはさんだ後は、愛知県豊田市での交流戦最終節を戦い、滋賀県甲賀市で開催されるホームゲームへと臨むことになる。