ラグビー リーグワン 優勝したクボタスピアーズ船橋・東京ベイの優勝報告会(船橋市役所)で笑顔を見せる根塚洸雅選手-Journal-ONE撮影
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取材・文:
Journal ONE(編集部)
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地元・船橋市との深い絆

“ラグビーワールドカップ” イヤーの2023年。9月から始まる夢の大舞台に向け、日本代表スコッド(代表36人+代表候補10人の集まり)が発表されるなど、盛り上がりを見せているラグビー。
日本代表の “桜のジャージー” を着る選手たちはもちろん、各国の代表選手たちが激闘を繰り広げた日本ラグビー最高峰 “JAPAN RUGBY LEAGUE ONE(以下、リーグワン)Division1” において、初優勝を果たしたクボタスピアーズ船橋・東京ベイが千葉県船橋市役所を訪れ、優勝報告会を行いました。ラグビー リーグワン 優勝したクボタスピアーズ船橋・東京ベイの優勝報告会(船橋市役所)-Journal-ONE撮影

「船橋でチームが出来て45年。“まさか” こう言った形で、優勝報告ができるとは・・・」と、スピアーズの石川充ゼネラルマネジャーが感慨深くスピーチ。創部以来の深い絆にようやく恩返しできたという喜びが伝わってきます。
松戸 徹船橋市長も、「創部45周年、当初から今日まで色々な人たちがラグビーへの思いを繋いで今回の優勝を成し遂げた。ルディケHC(ヘッドコーチ)をはじめとするフロントの皆さん、そして何と言っても私たちが想像し得ないような大変な練習を重ね、今シーズンの勝利を掴んだ選手の皆さんに心から拍手を送りたい。」と応えます。ラグビー リーグワン 優勝したクボタスピアーズ船橋・東京ベイの優勝報告会(船橋市役所)で笑顔を見せる石川充ゼネラルマネジャー-Journal-ONE撮影

ラグビー リーグワン 優勝したクボタスピアーズ船橋・東京ベイの優勝報告会(船橋市役所)で笑顔を見せる松戸 徹船橋市長-Journal-ONE撮影

千葉県では今年、「ちば夢チャレンジ殊勲賞」を創設。県民のスポーツに対する意識の高揚などに功績があったとして、プロスポーツのトップリーグで特に優秀な成績をおさめたクボタスピアーズが適用第1号に選ばれたと紹介されると、会場からは「おぉ~」と言うどよめきが起こりました。
この賞には、同じ船橋市で活躍するバスケットボール・Bリーグの千葉ジェッツふなばしも受賞とのこと。船橋市が誇る2大スポーツクラブのW受賞は、スポーツが盛んない街・船橋の象徴といえるニュースです。

声援に応える選手たち

優勝報告会に参加したのは、石川GMと5人の選手。最初にマイクを持ったのは、FL(フランカー)の青木 祐樹選手。船橋市と同じ千葉県の柏市出身の青木選手は、「(リーグワンの決勝戦で)国立競技場に初めて立ったのですが、オレンジアーミーの皆さんがいつも通りたくさん応援に来てくれたので、ホームでプレーしているのと変わらない “いつも通りのラグビー” ができたことが優勝に繋がりました。」と、集まったオレンジアーミーへ感謝の気持ちを伝えます。ラグビー リーグワン 優勝したクボタスピアーズ船橋・東京ベイの優勝報告会(船橋市役所)でスピーチする青木 祐樹選手-Journal-ONE撮影

続いてスピーチしたのは、WTB(ウイング)の根塚 洸雅選手です。埼玉パナソニックワイルドナイツとの壮絶な優勝決定戦では、勝ち越しのトライを演出するチェイス&キャッチを見せてくれた根塚選手。
「初めての国立競技場で初優勝できた。オレンジアーミーの皆さんとそれを分かち合えたのは本当に良かったです。」とシーズンを振り返りつつも、「次はチャンピオンチームとして、もっと良いラグビーをお見せできるように頑張ります。」と、早くも来シーズンに向けた新たな誓いをオレンジアーミーの皆さんにした根塚選手。
来シーズンについては、「つぎ優勝したら、パレードがやりたいです!」と船橋市長にしっかりとアピール!オレンジアーミーの皆さんもこの日一番の大きな拍手で応えていました。ラグビー リーグワン 優勝したクボタスピアーズ船橋・東京ベイの優勝報告会(船橋市役所)で笑顔を見せる根塚洸雅選手-Journal-ONE撮影

FLの土谷 深浩選手が、「来年も連覇したい!」と意気込めば、SH(スクラムハーフ)の谷口 和洋選手も、「連覇には今年同様、船橋市の皆さんやオレンジアーミーの皆さんの応援が欠かせないので、宜しくお願いします!」と、これまで以上の応援を期待するコメント。ラグビー リーグワン 優勝したクボタスピアーズ船橋・東京ベイの優勝報告会(船橋市役所)でスピーチする土谷 深浩選手-Journal-ONE撮影

ラグビー リーグワン 優勝したクボタスピアーズ船橋・東京ベイの優勝報告会(船橋市役所)でスピーチする谷口 和洋選手-Journal-ONE撮影

最後に登場したSHの藤原 忍選手は、「今シーズンはこれ以上無い結果が出せて良かった。連覇に向けて応援宜しくお願いします!」と締めて、オレンジアーミーからたくさんのかけ声をもらっていました。ラグビー リーグワン 優勝したクボタスピアーズ船橋・東京ベイの優勝報告会(船橋市役所)でスピーチする藤原 忍選手-Journal-ONE撮影

たくさんのプレゼントに顔がほころぶ

セレモニーに欠かせない花束贈呈では、チームカラーのオレンジを基調にした大きな花束を受け取り、顔がほころぶ石川GMと青木選手でしたが、プレゼントはこれだけで終わりません。ラグビー リーグワン 優勝したクボタスピアーズ船橋・東京ベイの優勝報告会(船橋市役所)で花束を受け取る青木祐樹選手-Journal-ONE撮影
地元のJAからは、お米100kgと特産のニンジン100kgの進呈に驚く選手たち。
さすがに全てを手渡しとはいかず、小分けにしたお米やニンジンを渡された選手たちは、オレンジアーミーからニンジンを使ったパフォーマンスをねだられてこのポーズ!会場は大きな笑いに包まれました。ラグビー リーグワン 優勝したクボタスピアーズ船橋・東京ベイの優勝報告会(船橋市役所)-Journal-ONE撮影

優勝報告会の行われた、船橋市役所1階にある美術コーナーには、100人を超える “オレンジアーミー”(スピアーズファンの呼び名)の皆さんが集結!そのオレンジアーミー全員との記念撮影に臨んだり、特性のタペストリーにサインをしたりと、笑顔いっぱいにイベントに参加している選手たち。彼らの姿を見ると、ファンとの触れ合いを心から楽しんでいることが分かります。こういった選手とファンの距離が近いこともスピアーズが高い人気を誇っている理由なんですね。ラグビー リーグワン 優勝したクボタスピアーズ船橋・東京ベイの優勝報告会(船橋市役所)-Journal-ONE撮影

ラグビー リーグワン 優勝したクボタスピアーズ船橋・東京ベイの優勝報告会(船橋市役所)で笑顔を見せる根塚洸雅選手-Journal-ONE撮影

“ラグビーワールドカップ2019“ をきっかけにラグビーに興味を持ったという足立区から来た会社員の女性は、「W杯で活躍した立川選手が気になって、オンラインイベントに参加してからすっかり雰囲気の良いスピアーズにハマってしまいました。」と気さくなチームの雰囲気がハマった理由だと教えてくれます。
江戸川区から来た女性ファンも横で頷きながら、「“ブライトンの奇跡”(W杯2015)を機に日本代表を応援していましたが、たまたまショッピングセンターで行われていたスピアーズのイベントに参加して、杉本選手にタックルをさせて貰ったあの雰囲気ですっかりファンになりました。」と、スピアーズにハマるファン心理に同調します。
柏市から来た女性も、「大学ラグビーを見たり、子どもをラグビー教室に通わせていたのでラグビーには関わる機会があったのですが、マルコム・マークス選手といった世界屈指の選手や、青木選手のようなご当地選手(同じ千葉県柏市の出身)もいて、自然と引き込まれていきました。」と、紹介しきれないスピアーズの魅力を話してくれました。ラグビー リーグワン 優勝したクボタスピアーズ船橋・東京ベイの優勝報告会(船橋市役所)-Journal-ONE撮影

市内からきた60代の男性は、「おめでとうは勿論ですが、とにかく私たちにこんな素晴らしい経験(優勝)をさせてくれて、ありがとうと言いたい。」と笑顔で話しつつ、「ラグビーワールドカップ2023も間もなく。スピアーズから選ばれた選手を含む日本代表は、レベルの高い予選から厳しい戦いになると思うが、全力で応援したいです。」と、まだまだ続くラグビーイヤーに目を輝かせていました。

怪我を押しての超人プレーに驚愕

この日、選手で一番気になったのは、スピアーズの多彩な攻撃を演出して優勝に貢献した根塚選手の左腕です。肘から下をギプスで固定して登場した根塚選手に話しを聞きますと、「ギプスは決勝直後から付けていて、これでも長さが半分くらいになったんですよ。」と明るく話す根塚選手。
なんと!TFCC損傷(三角線維軟骨複合体損傷)という手首の関節に痛みを伴う症状で試合をしていたとのこと。一般的には、手首をひねる運動、ドアノブを回すような動作に痛みを伴う怪我にもかかわらず、決勝でのあのビックプレーを披露できるなんて想像を絶する超人・根塚選手です。ラグビー リーグワン 優勝したクボタスピアーズ船橋・東京ベイの優勝報告会(船橋市役所)で笑顔を見せる根塚洸雅選手-Journal-ONE撮影

「もう3週間になるので、7月頭には全部取れると思います。リハビリとウエイトトレーニングで筋力を元に戻して、9月にはフルコンタクトできるコンディションに持っていきます。」と、ラグビーワールドカップ2023の追加招集にも対応できるよう回復に努める計画を教えてくれました。

「今シーズンは泥臭いプレーに終始して、ディフェンスの精度もシーズンを追うごとに上げていけたことが収穫。」と振り返りつつ、「ディフェンディングチャンピオンとしては、またもう一段レベルを上げたプレーが必要だと思っている。アタックで言えば、ボールを持った瞬間にスタジアムが湧き上がるような選手になれるよう、課題を持ってしっかり準備したい。」と進化の歩みを止めない根塚選手は、7月中旬から始まる、社員選手中心のチーム合宿にも参加予定。「来シーズンへの課題として挙げている “フィジカル面での更なる強化” を図るつもりです。」と話します。ラグビー リーグワン 優勝したクボタスピアーズ船橋・東京ベイの優勝報告会(船橋市役所)で笑顔を見せる根塚洸雅選手-Journal-ONE撮影

ラグビーワールドカップ2023については、「これをきっかけにラグビーに興味を持つ人も増えてくると思います。こういった方たちに来シーズンは実際に試合を観に来てもらって、選手と選手がぶつかる音や歓声を肌で感じてラグビーを好きになって欲しいですね。勿論、僕の瞬発力あるプレーもね。」と、新たなラグビーファンに向けてメッセージもくれました。ラグビー リーグワン 優勝したクボタスピアーズ船橋・東京ベイの優勝報告会(船橋市役所)で笑顔を見せる根塚洸雅選手-Journal-ONE撮影

創部45周年の節目に初優勝を果たした、クボタスピアーズ船橋・東京ベイ。
オレンジアーミーたちの盛り上がりはまだまだ続きます!来る9月から開催される “ラグビーワールドカップ2023” を控え、話題満載のラグビー界をJournal-ONEは引き続きフォーカスします。

日本代表の強化や、ラグビーによる様々な社会課題の解決に奮闘する “日本ラグビーフットボール協会” の土田 雅人会長スペシャルインタビューも公開したばかり!
こちらの記事も読んでいただきながら、みんなでラグビーのことを知って、好きになって、一緒に応援していきましょう。

アクセス
船橋市役所
  • JR船橋駅-徒歩20分
  • 京成線大神宮下駅-徒歩7分

 

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