ラグビー日本代表、今夏初勝利なるか!
“ラグビーワールドカップ2024フランス大会” 開幕が近づく中、各国代表は強化試合を行い、本番に向け徐々に調子を上げてきています。史上初のベスト4以上を目指す桜の戦士・BRAVE BLOSSOMS(ブレイブ・ブロッサムズ)も7月8日、7月15日の対All Blacks XV(オールブラックス・フィフティーン)、7月22日の対サモア代表と3週連続で国際試合をこなしていますが未だ勝利することが出来ません。
7月29日、日本国内での強化試合4戦目となるこの日の試合は、“リポビタンDチャレンジカップ2023パシフィックネーションズシリーズ” 第2戦。日本ラグビーの聖地・花園ラグビー場にトンガ代表を迎え、今夏初勝利を目指します。
W杯フランス大会までは、残すところ翌週(8月5日)のフィジー代表戦(秩父宮ラグビー場)、更に日本を離れ8月26日にイタリア代表戦(イタリア・トレヴィーゾ)の2試合。9月10日の本番へ向け、8月15日にはいよいよ運命のW杯フランス大会登録メンバー33人が発表されますので、選出の当落線上にある選手たちはここで勝利に貢献する結果を出したいところです。
ますますラグビーが盛り上がりを見せる “W杯イヤー” ですが、先週のサモア代表戦において緊急事態が発生!試合が行われた北海道・札幌で高校時代を過ごした、日本代表の精神的支柱・リーチマイケル選手がレッドカードで一発退場。現在、ペナルティでこの日の戦トンガ代表戦、来週のフィジー代表戦、そしてW杯前の最後の調整となるイタリア代表戦への出場停止処分となってしまいました。
この退場処分により、前半早々に14人となってしまった日本代表。最後の最後まで激闘を演じましたが、あと一歩のところでサモア代表に逆転を許して今夏初勝利を逃すと共に世界ランキングも12位(サモア戦前は10位)と順位を落とす苦しい展開。何とか聖地・花園で勝利し、嫌な流れを断ち切ってもらいたいとこの日も試合開始3時間前から、多くのファンが詰めかけています。
日本中から聖地に集まる!
「愛知県からやって来ました!」と元気いっぱいの皆さん。日本代表 “桜のジャージー” をベースに、日本が世界に誇るゲームキャラクター・スーパーマリオブラザーズのエッセンスを取り入れた応援スタイルの皆さんです!
普段は、愛知県豊田市をホームとする “TOYOTA VERBLITZ(トヨタヴェルブリッツ)” を応援されている職場の仲間たちとのこと。W杯に向けてはヴェルブリッツのユニフォームを桜のジャージーに着替え、ヴェルブリッツから選出されている姫野 和樹選手、福田 健太選手を中心に応援しているとのこと。
皆さん愛知県から来たと思って話しをしてたところ、「いいえ、私たちは京都から来たんです!リーグワンの試合観戦で知り合って、今日のトンガ代表戦に集まったんですよ。」と、ラグビーが繋ぐ素敵な友情も教えてくれました。
「今日は絶対に勝つぞ~!!」と気合い十分の皆さん。この熱い思いがフールドでプレーする選手たちの力になることは間違いナシです。
「横浜から家族でやって来ました。」と教えてくれたのは、4歳と2歳のかわいらしいお子さんを連れた4人家族。お子さんも桜のジャージーが似合っています!普段は、地元 “YOKOHAMA CANON EAGLES(横浜キヤノンイーグルス)” を応援されている娘さんは、「デクラーク選手が好き!」と南アフリカのSH(スクラムハーフ)としてW杯フランス大会に出場する、キヤノンイーグルスのFaf de Klerk(ファフ・デクラーク)選手 “推し”とのこと。
高校時代にラガーマンだったというお父さんは、「W杯に向けて本気モードの日本代表戦を生で観る機会はなかなか無いので、新幹線でやってきました。」と、嬉しそうに話してくれました。
「高校時代にラグビチームのマネージャーをしていたので、ずっとラグビーファンです!」と話してくれたのは、大阪は枚方市から応援に来た学生2人組み。「ラグビーの魅力は、何と言ってもスクラムでしょう!」と笑顔で話す友だちを横目に、「一緒に付き合っているうちに、私もすっかりラグビーファンになってしまったんです(笑)。」とのこと。
一緒に来られているお母さんも、生粋のラグビーファン!「知り合いにラグビーをしている方がいたことがきっかけで、ラグビーを観るようになったんです。私は高校ラグビー専門だったのですが、娘と一緒にリーグワンも観るようになってこうして日本代表戦にも来たというわけです。」と、“ラグビーファンの遺伝子” の強さを教えて貰いました。
対戦相手のトンガは強豪
ここで対戦相手のトンガ代表について少し紹介します。愛称は “イカレ・タヒ(海鷲)”、エンブレムにも海鷲とオリーブが描かれています。
国の全人口は10万人強(2021年)のトンガですが、世界ランキングは15位と日本(12位)と肉薄するレベル。W杯フランス大会の出場権をかけたアジア・パシフィック プレーオフ(7月23日・オーストラリア)では、香港代表に44-22と圧勝して8大会連続9回目のW杯出場を決めたばかり。
更には、先日の国際試合では、クボタスピアーズ船橋・東京ベイのSO(スタンドオフ)Bernard Foley(バーナード・フォーリー)選手などが出場したオーストラリアAチームにも勝ち、勢いがあるチームです。
大きな話題となった、2022年の新たなルール適用も追い風となったトンガ。「選手はプレーする国代表チームを一度だけ変更可能」というルールが加わったことにより、オールブラックスやオーストラリア代表経験選手が更なるチームの底上げに貢献しています。
今回の日本代表戦にも、オールブラックスに選ばれたことのある #6 FL(フランカー)のVaea Fifita(ヴァエア・フィフィタ)選手、#15 FB(フルバック)のSalesi Piutau(サレシ・ピウタウ)選手、元オーストラリア代表の #8 No8のLopeti Timani(ロペティ・ティマニ)選手など、決して油断できないチームメンバーとなっているのです。
日本代表でも、中島イシレリ選手、ヴァルアサエリ愛選手、ヘルウヴェ選手、アマナキ・レレィ・マフィ選手など、お馴染みのトンガ出身選手も多いですよね。
ちびっ子ラガーマンもW杯気分!
試合開始1時間ほど前になり、フィールドに選手たちがやって来ました。随分小さな選手たちですねよ!
最初は緊張していた選手たちも、身体が温まるにつれて楽しそうな笑顔が見られます。元気なかけ声も出てきましたね。一生懸命にプレーするちびっ子ラガーマンたち、この中から将来のブレイブ ブロッサムズのメンバーが生まれるかもしれません。
ラグビーワールドカップ2019のレガシーとして、多くの子どもたちがラグビーをする姿を見ることが多くなりました。自分たちのプレーが世界で戦う選手たちと繋がっていることを感じることができる。こういった素敵なイベントを企画することによって、さらにラグビーをしてみたいと思う子どもたちが増えるかもしれませんね。
聖地・花園のフィールドに親子でラグビーを楽しむ微笑ましい光景は、CMのワンカットにも登場しそうな絵になるシーンです。ラグビー教室で子どもたちとふれ合っていた、金髪の選手と何やら話し込んでいます。
あっ!あれは、ラグビーワールドカップに3大会連続で選出され、日本代表キャップ75を誇るNECグリーンロケッツ東葛の田中 史朗選手と、息子さんだったんですね!話しているのは、同じグリーンロケッツ東葛のレメキロマノラヴァ選手です。日本代表候補として宮崎合宿に参加しているレメキ選手の激励に訪れた田中選手。お子さんとの素敵なツーショット撮影にも気軽に応じてくれました。
勝利へのプレッシャーとの戦い-前半戦
試合前、トンガ代表の “シビタウ” と呼ばれるWar Cry(ウォークライ)の披露に会場は湧き上がります。秩父宮、札幌と取材をしてきた中、21,138人の花園ファンの盛り上がりはひときわ大きいように感じます!これが、ラグビーの聖地・花園の雰囲気なのでしょうね。
この大声援を背にキックオフしたのは、先週の札幌でキック成功率100%と神プレーを見せてくれた#10 SOの李 承信選手です!ところが、勝利へのプレッシャーなのかまさかのキックミス・・・ 弱々しく上がったボールは5m程前の敵が誰も届かない場所へ落ちる珍しいプレーとなり、会場がどよめきます。
これにより、中央でのトンガボールのスクラムから試合が再開されると、左右に激しいアタックを仕掛けるトンガ代表。しかし、日本代表は2人以上選手がタックルに向かう丁寧なディフェンスを見せて進撃を許しません。波乱の幕開けかと思われた序盤も、徐々に落ち着いた試合展開になってきました。
6分には敵陣ゴール前10m程にまで攻め込んだ日本代表ですが、オフサイドでボールを失うと、ラインアウトからアタックを仕掛け、#11 WTB(ウイング)のカイレン・タウモエフォラウ(Kyren Taumoefolau)選手のキック&ランで一気に自陣ゴール手前5mまで攻め込まれます。
ここでスクラムとなりますが、日本代表がコラプシング(故意にスクラムを崩す反則)で再度自陣ゴール手前でのラインアウト。絶体絶命のピンチでしたが、これを凌いで22mラインまで押し返す日本代表ですが、再びトンガ代表の分厚いアタックに攻め込まれます。続けざまのピンチを迎えるも、強烈なタックルでボールを奪った日本代表!ようやく敵陣10m付近まで押し戻し一息つくと、この攻防にファンからは大きな拍手が巻き起こりました。
15分には、ボールを左に展開したトンガ代表。1人余ったところで#2 HO(フッカー)のサミュエラ・モリ(Samiuela Moli)選手にフリーでボールが渡ります!これは抜けたか?と思ったところ、日本代表の#11 地元の花園近鉄ライナーズでプレーしている WTBのセミシ・マシレワ(Semisi MASIREWA)選手の好タックルでボールを奪い返しました!
激しい攻防が続く中の18分、日本代表はハーフウェイライン付近中央で相手ペナルティからボールを得ると、迷わずPGを選択。李 承信選手の成功率100%キックの再来を期待しますが失敗。モメンタムを掴むことが出来ません。しかし20分、敵陣22m付近のスクラムから鋭いパス配球を行うと、トンガ代表がボールを持った選手への対応がわずかに遅れた隙をついて、左サイドにスイッチした#14 WTBのジョネ・ナイカブラ(Jone NAIKABULA)選手にパスを通します。ノーマークでボールを受けたナイカブラ選手がトライ!#10 李 承信選手のGは外れますが、先ずは5-0と日本代表が先制します。
しかし、トンガ代表も黙っていません。すぐさま23分、#15 FBのピウタウ選手の鋭いアタックを起点に、サイドラインいっぱいに飛び出したキャプテンの#9 SH ソナタネ・タクルア(Sonatane Takulua)選手を抑えることが出来ずに同点トライを許します。
今度はトンガ代表のノックオンで、22mラインから日本代表がスクラム。トライを目指しますが、スローフォワードで相手に攻撃権を渡してしまいます。しかし、このスクラムを日本代表フォワード陣のプレッシャーで崩すと、こぼれ球に#9 SH 齋藤 直人選手が素早く飛び込みます、焦った#9 タクルア選手がボールを落としてペナルティを獲得。これを #10 李 承信選手が今日2回目のチャレンジで初めてのキック成功。32分に8-5とリードを広げます。
徐々に好守の流れを掴んできた日本代表は、敵陣22mラインを越えた位置的有利な場所での攻防を続けていきます。すると、40分にトンガスクラムから出たボールをブロック! このボールを #12 CTB 長田 智希選手から #4 LO(ロック)アマト・ファカタヴァ選手に送ってトライ! 李選手はGを外しましたが、13-5と先ずはリードを保った良い流れで前半を終了しました。
ワントライをめぐる激しい攻防-後半戦
キックオフからのゲインで激しいプレッシャーを受けた日本代表は、自陣22mライン付近でノットリリースザボール、後半開始早々からトンガ代表にチャンスを与えてしまいます。このチャンスにキックを選択したトンガ代表は、#10 SO ウィリアム・ハヴィリ(William Havili)選手がしっかり決めて13-8と直ぐに点差を詰めにかかります。
日が落ちて少し気温は下がりましたが、日本特有の湿気たっぷりの蒸し暑さが続く展開に、ボールを汗で滑らせてしまうキャッチミスが続く日本代表。過去3試合とも、ここ一番でボールが手に着かずに攻撃権を手放す展開が続きます。すると7分、自陣22mラインでノットロールアウェイとなった日本代表、再びボールを得たトンガ代表は、#10ハヴィリ選手がまたもやPGを成功させて13-11と肉薄します。
ここで疲れが見えてきた両チームは、選手を2名ずつ入れ替えてギアを入れ直します。すると13分、今度は日本代表が敵陣22m付近でラインアウト。交代したSHの流 大選手から右サイドへ綺麗にボールを展開させると、最後は#11マシレワ選手が右隅に飛び込んでトライ!花園近鉄ライナーズのホームで躍動したマシレワ選手!このトライで18-11と一気にトンガ代表を突き放しにかかります。更に引き離したい日本代表でしたが、交代したSO 松田 力也選手のGは失敗。
しかしトンガ代表も粘ります!直後の17分、中央付近でのノットリリースザボールでボールを得たトンガ代表は、タッチキックで一気に日本ゴールライン5mまで詰めて来ます。日本代表はリードしても直ぐにプレッシャーをかけられる苦しい展開が続きます。このラインアウトをあっさりトンガ代表に取られると、モールを形成されてあっという間にトライ。#2 HOのモリ選手がまたもや押し込んで18-16とあっという間に点差が詰まります。
デビタ・タタフ選手、堀江 翔太選手、クレイグ・ミラー選手、松島 幸太朗選手と4人一気に選手を入れ替えた日本代表は、もう一度フレッシュな状態でトンガ代表を突き放しに掛かります。
19分から長田選手、ファカタヴァ選手の鋭いアタックで徐々にリズムを作ると、23分には中央付近でのスクラムからキックでプレッシャーを与え、トンガ代表のディフェンスを切り崩しにかかります。松島選手から長田選手に素早く繋いでゴールライン5mまで詰め、もう少しでトライ!というところでしたが、トンガ代表も必死のディフェンスを見せて得点に結びつけることができません。
攻めあぐねる日本代表は、27分にペナルティで得たボールに選択したのはショット。今日の試合、ことごとくキックを外していた日本代表ですが、ポスト正面のPGを松田選手が難なく決めて21-16と5点差(トライでも同点)まで引き離します。
29分に4人の選手を入れ替え、逆転を狙うトンガ代表でしたが、キックパスを日本代表がナイスブロック!更に攻め込むトンガの大型フォワードにも当たり負けしていません。ベチッ!ドカッ!という音と共に、トンガ代表のアタック陣がその場に倒れます。一番苦しい時間帯の懸命なディフェンスに会場からは大きな拍手と歓声が巻き起こります。
35分を過ぎて、敵陣15mという絶好の位置でスクラムを獲得した日本代表。トライを目指してアタックを仕掛けますが、またもやパスキャッチをハンブルしたボールをトンガ代表が素早く奪取して、一気に日本人内深くまで戻しての反撃が始まります。
スタンド中央に陣取るトンガ応援団が歌を歌って選手たちを鼓舞する中、38分に抜け出したのは日本でした。#11 マレシワ選手から#13 ライリー選手へトライへのラストパス!かと思われた瞬間・・・ トンガ代表がインターセプト!そのままサイドラインを独走されて絶体絶命のピンチを迎えます!この独走に猛烈なスピードで駆け込んだ日本代表の選手が渾身のタックル!逆転負けのピンチを救ったのは、#23 FBで途中出場していた松島 幸太朗選手でした!!
土壇場の絶体絶命のピンチを含め、数々のトンガ代表の激しいプレッシャーを防ぎきった日本代表。ラストワンプレーとなったラインアウトでしっかりとボールを保持し、最後は松田選手が外に蹴り出して試合終了!無事に今夏初勝利を果たしました。
トンガ代表のコメント
トウタイ ケフ(Toutai Kefu)ヘッドコーチは現役時代、オーストラリア代表・ワラビーズのスター選手(60キャップ)で、日本でもクボタスピアーズ船橋・東京ベイの選手・HCとして活躍した日本を良く知るHC。
「非常にエンターテイナー性の高い試合だった。観ていた人は楽しかったのではないでしょうか?負けてはしまいましたが、トンガ代表の状態は徐々に上がってきています。」と、今日の試合を振り返りました。
先週のサモア代表も恩恵を受けた新ルール(ある国で代表歴のある選手が、最後の試合出場から3年以上経過し、変更を希望する国で生まれているか両親・祖父母が希望する国で生まれているなどの一定条件をクリアすれば、プレーする国代表チームを一度だけ変更できる。)により、元ニュージーランド代表や元オーストラリア代表が集結してきているチームの仕上がりを聞かれると、「まだ60%~70%といったところです。特にフロントラインが6~7人欠けているので、彼らが戻ってくればまた良くなってきます。」と、まだまだギアを上げていく道程だと教えてくれました。
日本を良く知るケフHCに、日本代表の印象について聞かれると、「個人的にですが・・・」と前置きしつつ「3~4年前の方が強かった。ジェイミーもトニーも良いコーチですので、チーム強化はしっかりしていると思います。しかし、日本が世界に与えたインパクト、2019年のW杯から比べると・・・ まだハードワーク中だと聞いているので、これから良くなるのではないでしょうか。今までトンガは、対日本戦ですと50点差くらいで負けていました。その点差とまではいきませんでしたが、とにかく日本は勝てて良かったのではないでしょうか。」と、日本代表へのエールを送ります。
「新ルールは私たちにポジティブな変化を与えてきました。世界的に最も恩恵を受けた国のひとつです。でも(チームを成熟させるには)もっと時間が欲しい。もっと選手たちの振る舞いやプレーに代表らしさが出てくるような時間が欲しいですね。」と、本番までにチームが一体となるために必要な時間こそがトンガ代表躍進のファクトであると話してくれました。
今日の試合で、代表50キャップを達成したキャプテンのソナタネ・タクルア選手も、「今日は非常にポジティブに試合できた。日本のディフェンスが前に来ていたので、自陣でプレーする機会が多かったが全体的に良いプレーができた。」と振り返りました。
日本代表のコメント
先ずは今夏初勝利を果たしたジェイミー・ジョセフ(Jamie JOSEPH)ヘッドコーチは、「試合開始の入りが良かった。ディフェンス強化にフォーカスして取り組んだ効果が出て、トンガのフィジカルを小さい選手が絶えず止め続けたことは賞賛に値する。」とホッとした表情で試合を振り返ります。
「結果(勝利)を追いかけ過ぎるとプレッシャーになってしまいます。今はW杯の準備プロセスと思っている。オールブラックスXVの様な質の高いチームと試合を行って合宿の成果を測りつつ、サモアで更に進化を見せる予定だったが、リーチ(マイケル選手)のレッドで機能できなかった。自信をなくしてしまうところだったが、あの松島のタックルで勝てて良かった。」と、一連の国内での強化試合も振り返りつつ決して悲観するような状態では無いことを伝えます。
「一方で雑なプレーもあったし、後半の入りが良くなかったのでトンガ代表に突かれてしまった。それでも80分、プレッシャーをかけ続けたのは良かった。」と、次週のフィジー代表戦に向けて改善すべきポイントを話してくれました。
この試合でキャプテンを務めた、#8 姫野 和樹選手もホッとした表情で試合を振り返り、「自分たちのラグビーを楽しんでやることが出来た。ただ、後半の入りで相手に主導権を与えてしまったのは良くなかった。」と話します。
「自分たちのプロセスである、基本のプレーを忠実にやり抜くことを試合前から言ってきたことができた。」と、日本代表らしさを貫いたことが勝因だったと分析しつつも、「オフに宮崎の合宿地でトンガボーイズ(ヴァル・アサエリ愛選手など)が、(トンガのソウルフードである)豚の丸焼きを振る舞ってくれてリラックスできたことも良かったです。」と、チームを一つにしてくれたトンガ出身選手たちの心遣いが、それが最後の良いディフェンスに活きてきたのだと笑顔で話してくれました。
先ずは今夏初勝利で胸を撫で下ろした日本代表は、W杯フランス大会を控えた日本国内最後の強化試合に臨みます。“リポビタンDチャレンジカップ2023パシフィックネーションズシリーズ” 第3戦は、8月5日(土)にフィジー代表を迎えての一戦。秩父宮ラグビー場に場所を移して連勝を狙います。
W杯フランス大会に向け、直接声援を送る最後のチャンスです。さぁ、皆さんも史上初のベスト4以上を目指すラグビー日本代表・ブレイブ ブロッサムズを応援しよう!