リポビタンD2023| JAPAN vs サモア| レッドカードで退場となたリーチ マイケル選手(W杯2019メンバー)-Journal-ONE撮影
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取材・文:
Journal ONE(編集部)
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ラグビー日本代表が札幌に初登場!

“ラグビーワールドカップ2024フランス大会” 開幕まで1か月余りとなったとなった7月22日、史上初のベスト4以上を目指す桜の戦士・BRAVE BLOSSOMS(ブレイブ・ブロッサムズ)が北の大地にやって来ました!リポビタンD2023| JAPAN vs サモア| 北の大地・北海道初見参のパネル-Journal-ONE撮影

“リポビタンDチャレンジカップ2023 パシフィックネーションズシリーズ” は、この日のサモア代表戦を皮切りに、トンガ代表(花園ラグビー場)、フィジー代表(秩父宮ラグビー場)と3週連続で行われる環太平洋地域の国際試合。この後、8月15(火)には、運命のW杯フランス大会登録メンバー33人が発表され、W杯モードは最高潮に達します。

ますます盛り上がりを見せるラグビーW杯イヤーに、地元・北海道で日本代表の国際試合が観戦できるということで、会場となった札幌ドームには試合開始3時間も前からたくさんのファンが詰めかけています!公式スポンサーの ”リポビタンD” を無料で配布し、熱い声援を送るためのチャージができるブースを始め、グルメ王国・北海道ならではの美味しそうな食べ物やスイーツを売っているお店がズラリと並んでいます。リポビタンD2023| JAPAN vs サモア| 札幌ドームには北海道グルメが集結-Journal-ONE撮影

試合前にスタジアムグルメを楽しみ、ビールを片手にラグビーを観戦するといったスタイルもすっかり日本で定着した光景ですね。

札幌市内から観戦に来たご家族、「リーチ先輩を応援に来ました。」という男性は、札幌山の手高校ラグビー部でプレーをしていたラガーマン!「日本代表・リーチ マイケル選手の凱旋試合でもあるこの試合は、是非勝って欲しいですね。」と期待を寄せます。4歳になるお子さんもラグビーをやっているそうで、「ラグビー観戦は初めてなので、とても楽しみ!」と、キラキラした目で話してくれました。リポビタンD2023| JAPAN vs サモア| リーチマイケル選手の後輩!札幌山の手高ラグビー部出身の親子も応援-Journal-ONE撮影

こちらの女性は大阪から観戦に来られたとのこと!「先週の熊本(vs ALL Blacks XV戦)から、今日、そして来週と再来週も観戦します!」という驚くべき行動力を持つお二人。
ここまでラグビーにハマった理由を聞くと、「私は、大学ラグビーの平尾さん(故・平尾誠二さん)や土田さん(現・日本ラグビーフットボール協会会長)のプレーを良く観ていましたが、ワールドカップ2019(日本開催)を機に再び観戦をし始めました。選手も誠実で男らしいプレースタイルに惹かれます。」「私は、ワールドカップ2019からすっかりハマってしまって。敵味方関係なく応援するスポーツ、ラグビーが大好きです。」と、ラグビーの魅力についても教えてくれました。リポビタンD2023| JAPAN vs サモア| 大阪から駆け付けた熱心な女性ファンも応援-Journal-ONE撮影

対戦相手のサモアは強豪

ここで対戦相手のサモア代表について少し紹介します。

先ずはサモア代表。W杯フランス大会の予選で、日本との対戦が決まっています!1次リーグD組に入る両国は9月29日(金)、日本代表としては予選3戦目(チリ、イングランドとの対戦後)となるんですね。2ヶ月後の本番を占う上でも、この試合の注目度が高まっているのです。リポビタンD2023| JAPAN vs サモア| サモア代表の選手達-Journal-ONE撮影

また、サモアは過去のワールドカップにおいて1次リーグを2度突破している強豪。現在の世界ランキングも12位で、日本の10位とその実力差はほぼ互角という立ち位置です。しかも!2022年に新たなルールが適用されたことで、サモア代表の戦力強化が大きな話題となっているのです。
そのルールとは、「選手はプレーする国代表チームを一度だけ変更可能」というもの。ある国で代表歴のある選手が、最後の試合出場から3年以上経過し、変更を希望する国で生まれているか両親・祖父母が希望する国で生まれているなどの一定条件をクリアすれば、プレーする国代表チームを変更できるというもの。

このルール変更を受けて、ニュージーランド(NZ)やオーストラリア代表に名選手を輩出しているサモア代表は、チーム強化を図ったのです。セイララ・マプスア(Seilala Mapusua)ヘッドコーチは、W杯代表候補メンバーとして、元NZ代表のスタンドオフ(SO)のリマ・ソポアンガ(Lima Sopoaga)選手、フランカー(FL)のスティーブン・ルアトゥア(Steven Luatua)選手、プロップ(PR)のチャーリー・ファウムイナ(Charlie Faumuina)選手、元オーストラリア代表のSOクリスチャン・リアリーファノ(Christian Lealiifano)選手を選出。リポビタンD2023| JAPAN vs サモア| サモア代表に選出された元オーストラリア代表のSOクリスチャン・リアリーファノ(Christian Lealiifano)選手-Journal-ONE撮影

今回の来日メンバーにも、元NZ代表のファウムイナ選手、元オーストラリア代表のリアリーファノ選手が含まれていますので、両選手のプレーにも注目したいところですね。マプスアHCも、「得意のフィジカルを生かしたラグビーで勝ちたい。」と試合前に抱負を語っていました。

国の人口はわずか22万人弱(2021年現在)のサモアですが、“マヌ(野獣や猛獣を意味する)・サモア” と呼ばれる人類最強のポリネシア民族の類い希なフィジカルに対し、日本代表の選手たちがどういった戦いを見せてくれるかが楽しみです!

ちびっ子ラガーマンもW杯気分!

試合開始1時間ほど前になり、フィールドに選手たちがやって来ました。随分小さな選手たちですねよ! 少し緊張した面持ちで札幌ドームの天井をキョロキョロしながら入場してきた十数人のちびっ子ラガーマンたち、間もなく始まる日本代表対サモア代表の試合前にフィールドに降り立ち、ダッシュやパス、キックの練習を始めました。リポビタンD2023| JAPAN vs サモア| 試合前のフィールドで体験プレーをするちびっ子ラガーマン達-Journal-ONE撮影

最初は緊張していた選手たちも、身体が温まるにつれて楽しそうな笑顔が見られます。元気なかけ声も出てきましたね。一生懸命にプレーするちびっ子ラガーマンたち、この中から将来のブレイブ ブロッサムズのメンバーが生まれるかもしれません。リポビタンD2023| JAPAN vs サモア| 試合前のフィールドで笑顔を見せるちびっ子ラガーマン達-Journal-ONE撮影

ラグビーワールドカップ2019のレガシーとして、多くの子どもたちがラグビーをする姿を見ることが多くなりました。自分たちのプレーが世界で戦う選手たちと繋がっていることを感じることができる。こういった素敵なイベントを企画することによって、さらにラグビーをしてみたいと思う子どもたちが増えるかもしれませんね。

スタジアムが凍り付く波乱の前半

北海道初見参の日本代表をひと目見ようと、ここ札幌ドームに詰めかけたファンは22,063人!その殆どが、ブレイブ ブロッサムズの “桜のジャージー” を着て声援を送っています。
こう言ったスタンドの光景も、ラグビーワールドカップ2019のレガシーとして国際試合ではお馴染みになりましたね。リポビタンD2023| JAPAN vs サモア| W杯日本大会のレガシー・桜のジャージーを着て応援する多くのファン-Journal-ONE撮影

サモア代表が戦いの舞 “シバタウ” を披露し、観客から大きな拍手が巻き起こります。先週の熊本、先々週の秩父宮と対戦した、ニュージーランドのオールブラックス・フィフティーン(All Blacks XV)でも、マオリの戦士の鬨の声である “ハカ” が披露され、いよいよ迫ったW杯フランス大会へ気分を高揚させてくれます。リポビタンD2023| JAPAN vs サモア| サモア代表が戦いの舞 “シバタウ” -Journal-ONE撮影

開始2分、早くもスタンドから悲鳴が上がります。サモア代表の#14 ネリア・フォマイ(Neria Fomai)選手が右サイドを抜け出してトライ!かと思われましたがスローフォワードの判定で、安堵のため息に変わるスタンド。早速、激しい攻防を予感させるプレーとなりました。

すると直後の5分、キックからサモアゴールライン付近まで攻め込んだ日本代表が、スクラムから素早く供給されたパスに#5 LO(ロック)のアマト・ファカタヴァ(Amato FAKATAVA)選手が反応して先制のトライ!スタンドのテンションが一気に高まります。更に、#10 SO(スタンドオフ)の李 承信選手がGを決めて7-0。日本代表が主導権を握ります。リポビタンD2023| JAPAN vs サモア| アマト・ファカタヴァ(Amato FAKATAVA)選手の先制トライ-Journal-ONE撮影

リーチ マイケル選手がボールを持って突進すると、地元・札幌のファンから一際大きな「リ~チ!」という歓声。第2の故郷・札幌凱旋に地元からの大きな声援を受け、リーチ選手の動きも3試合目で最も良いように見えます。

10分には、コラプシング(スクラムを故意に崩す)の反則から、自陣ゴールライン5mでのラインアウトとピンチを迎えた日本代表ですが、相手のパスをカットして陣地を挽回!すると、サモア代表が堪らずハイタックルでボールを得ます。このチャンスに日本代表は、ゴール5m付近でのラインアウトからトライを狙う作戦。この攻撃を #6 FL(フランカー)のタレニ・セウ(Taleni Seu)選手のハイタックル。更にボールを保持した日本代表は、再びトライを狙ってアタックを試みますがサモア代表の強いフィジカルに押し返されてしまいます。
それでも手を緩めない日本代表のアタックに、堪らずサモア代表が3度目のハイタックル。敵陣22mで三度得たボールを今度はPG選択とし、#10李 承信選手が決めて10-0とリードを広げました。日本代表の波状攻撃が屈強なサモア代表のディフェンスを切り崩し続けるプレーに、札幌のファンも大きな声援で後押し。選手とスタンドが一体となった手に汗握る見応えある展開に誰もが明るい試合結果を予想したことでしょう。リポビタンD2023| JAPAN vs サモア| 6本のゴールを全て成功させた日本代表#10李 承信選手-Journal-ONE撮影

22分にも、自陣22mライン付近で相手のラインアウトボールを奪取!このボールを巡る攻防でノットロールアウェイの反則でボールを得たサモアは、22mラインより少し入ったところでPGを選択。#10 SOのリアリーファノ選手が決めて10-3と点差を詰めてきました。

日本優位で進むゲームが一変したのは29分でした。#15 FB(フルバック)山中 亮平選手のキックを取ったサモアに#11 WTB(ウイング)ジョネ・ナイカブラ(Jone NAIKABULA)が鋭いチャージを掛けボールの奪い合いとなります。そのボールを巡って鋭いタックルを見せたリーチ選手のプレーがビデオ判定となり、しばし静まるスタンド・・・リーチ選手に歩み寄る主審が掲げたカードは何と、レッドカード! ハイタックルの判定は一発退場となった瞬間、スタンドは凍り付いたように静かになりました。相手選手と握手をして痛恨の面持ちで退場するリーチ選手の顔が大型ビジョンに映し出されますが、地元凱旋の活躍を祈っていた北海道のファンたちも声が出ない状況です。リポビタンD2023| JAPAN vs サモア| レッドカードで退場となたリーチ マイケル選手(W杯2019メンバー)-Journal-ONE撮影

早々に一人少ない状況で戦わなければならなくなった日本代表は32分、中央付近でのコラプシングからディフェンスに回った日本は、ラインアウトから波状攻撃のアタックを見せるサモアの反撃に苦しみます。スカイブルーのヘッドギアが眩しい#13センター(CTB)ウルパノ・ジュニア・セウテニ(Ulupano Junior Seuteni)選手が、日本ディフェンス陣に「ドカッと」いう激しい音共に突き刺さっていく様子は、正に肉弾列車といったところ。リポビタンD2023| JAPAN vs サモア| サモア代表・スカイブルーのヘッドギアが眩しい#13センター(CTB)ウルパノ・ジュニア・セウテニ(Ulupano Junior Seuteni)選手-Journal-ONE撮影

そのまま押された35分、今度はオフサイドから5m付近でラインアウトを与えた日本代表は、サモアの連続アタックに堪らずディフェンスに穴が空きます。そこに低い姿勢で飛び込んできた#7 FLのアラマンダ・モトゥガ(Alamanda Motuga)選手がトライを決め、リアリーファノ選手のGも決まってついに10-10のイーブンに戻されて前半戦が終わりました。

一人欠けても立ち向かう後半

14人となった日本代表ですが、後半最初にメンバー変更はありません。

すると後半2分、ゴールほぼ正面ながらも30m離れた位置で反則を取った日本代表は、迷わずPGを狙います。これを、#10李 承信選手がしっかり決めて13-10と早々に勝ち越しに成功します。リポビタンD2023| JAPAN vs サモア| 6本のゴールを全て成功させた日本代表#10李 承信選手-Journal-ONE撮影

すると7分には、22mライン付近でのラインアウトから攻め込み、#15 FBのダニー・トアラ(Danny Toala)選手のノックオンを誘った日本代表は絶好のトライチャンスを掴みます。10m付近からのスクラムを起点に右に、中央にと再三のアタックを仕掛けますが、サモアの屈強なディフェンス陣に弾き返されます。しかし、この攻撃でオフサイドを得た日本代表は、15m付近のやや右側からPGを選択。これを李 承信選手が鮮やかに決めて16-10と差を広げます。

劣勢でも着実にアタックを起点に得点を重ねた日本代表ですが、このキックオフからのゲインで始まった自陣22m付近からのスクラムで流れが一変してしまいました。リポビタンD2023| JAPAN vs サモア| 創造的なパス供給で攻撃のリズムを作った日本代表#9 SH 流 大 選手-Journal-ONE撮影
#9 SHの流 大選手から配球されたボールに激しいプレッシャーを掛けるサモア代表。自陣ゴールライン付近でのこのプレッシャーに、堪らずキックで逃げる山中選手に激しいチャージ!そのままこぼれたボールを奪ってトライしたのは、#9 SOのジョナサン・タウマテイネ(Jonathan Taumateine)選手でした!
後いう間の出来事にスタンドは騒然、更にGも決まり今度はサモア代表が16-17と試合をひっくり返します。正にビッグプレー一発で試合の流れが変わってしまいました。リポビタンD2023| JAPAN vs サモア| サモア代表のトライシーン-Journal-ONE撮影

必死に反撃を試みる日本代表ですが、アタックするルートに待ち構えるサモアのディフェンスは強力!凄い音と共に、ボールを持った日本代表の選手たちが後ろに倒されていきます。
双方激しいプレーが続く中、13分にはサモアが、15分には日本代表が2選手づつ交代を行い、更に激しい攻防が続きます。リポビタンD2023| JAPAN vs サモア| 日本代表とサモア代表の激しいボールコンタクト-Journal-ONE撮影

ラインアウトからアタックを掛ける日本代表は、敵ゴール前10mでサモアのオフサイドを誘うとショットを選択。このPGをまたもや李 承信選手が決めて19-17と再逆転に成功します。
このキックオフから互いのFB同士のキック対決で陣取りが始まると、中央のラインアウトからボールを奪った日本代表が怒濤のアタックを見せます。キックで一旦ボールを離し、直ぐに選手が集まりボールを奪いに行きます!これに焦ったサモアがノックオン。これで得たPGを李 承信選手がこの日6度目の成功とし、22-17と差を広げます。リポビタンD2023| JAPAN vs サモア| 6本のゴールを全て成功させた日本代表#10李 承信選手-Journal-ONE撮影

全く息つく暇を与えない、両者激しい攻防の中ゲームが動いたのはまたもやキックオフ直後!このスクラムは自陣15mと厳しいポジションです。何とかディフェンスしたい日本代表ですが、サモアのスクラムに押され、スクラムが回転を始めた瞬間に出たボールにコンタクトできません。日本代表は、#11 WTBのトゥムア・マヌ(Tumua Manu)選手に左隅にトライを許して22-22の同点とされてしまいました。左隅の難しい角度となったPGでは、リアリーファノ選手が元オーストラリア代表の本領を発揮してキック成功!22-24と逆転に成功しました。リポビタンD2023| JAPAN vs サモア| サモア代表の元オーストラリア代表のSOクリスチャン・リアリーファノ(Christian Lealiifano)選手が勝ち越しGを決める-Journal-ONE撮影

後半25分と残り時間が少なくなる中、日本代表は3選手を投入して反撃を図ります。逆転を祈る札幌のファンから大きな拍手に後押しされて、タックルからボールを奪うもののスクラムからのパスを取り損ねるなど上手くボールをキープできません。32分には、#14 WTBの松島 幸太朗選手のステップワークでディフェンス陣を切り裂きチャンスをつくりますが、またも反則でボールを失ってしまいます。リポビタンD2023| JAPAN vs サモア| 逆転を狙う日本代表はW杯2019でも活躍した松島幸太朗選手がライン参加してトライを狙う-Journal-ONE撮影

日本ボールでスクラムを組む中、ラストワンプレーのホーンが鳴ってスタンドからはこの日一番の大きな拍手と歓声。これに応えるべく、#21 SH 齋藤 直人選手が自ら持ち出して倒れた場所を起点にアタックしますが、なかなか前に進むことができません。アタックのフェーズを重ねますが、前に進むことが叶わず遂にネックロール(ハイタックル)の反則を犯してここまで。リポビタンD2023| JAPAN vs サモア| 3連敗が決まった瞬間に膝を着く日本代表選手-Journal-ONE撮影

日本が強化試合3連敗となりました。

坂手 淳史キャプテンのコメント

よもやの3連敗、しかも前半でご当地・北海道のスター選手であるリーチ マイケル選手の退場というショッキングな出来事も重なる事態に、「たくさんの応援に感謝します。結果でお返しすることができなかったので。。。」と言葉に詰ったのは、共同主将のひとり・HO(フッカー)の坂手 淳史選手です。リポビタンD2023| JAPAN vs サモア| 3連敗が決まりインタビューに答える坂手淳史共同主将-Journal-ONE撮影
「得点を取って相手にプレッシャーをかける、という当初のプランがありました。得点を重ねて9点差にすれば、相手は強引に攻めてミスが出てくると思っていたが、こちらが簡単にトライを取られてしまった。。。」と、プラン通りに行かなかった試合を振り返ります。この主因となったリーチ選手の退場について聞かれると、「14人になったときのことも想定して練習してきたので、そこは練習通りにできたと思う。」と話すに留まりました。

セイララ・マブスアHCのコメント

セイララ・マプスアHCは接戦を制した試合後の記者会見冒頭、「みなさんこんばんは。」と流ちょうな日本語で報道陣に挨拶をしてくれました。それもそのはず、マブスアHCは現役時代の2011年から3シーズン、今年 “JAPAN RUGBY LEAGUE ONE(リーグワン)” で悲願の初優勝を果たしたクボタスピアーズ船橋・東京ベイに在籍していたのです。2016年まで日本でプレーしていただけあって、日本語はもちろん、日本のことを良く知っているHCなんですね。リポビタンD2023| JAPAN vs サモア| 勝利しインタビューに答えるセイララ・マプスアHC(サモア代表)-Journal-ONE撮影

冒頭、マブスアHCは「非常に接戦でタフな試合でした。今年の初の代表戦でスゴいプレッシャーを受ける中での戦いではあったが、勝てて良かった。」とホッとした表情で試合を振り返ります。涼しいドームでの試合については「(気温というよりも)非常に湿度が高く、ボールが滑る状況だった。(ボールを落として度々プレーが止まる)とても難しい試合展開であった。」と、多湿な天候がチャンスやピンチでノックオンなどの反則を犯した試合展開の最大の理由を教えてくれました。

自チームのパフォーマンスについて「新しく代表に選出された選手が多い中、選手たちが大きなプレッシャーを受けながらもしっかりとチャンスをものにした選手もいました。この大会では、勝つことが最優先でしたので、この目標が達成できたことはとても良かった。」と振り返る一方、「山中がフルバックだったので、もう少しキックを多用してくると思った。リーチ、姫野などを中心に攻めてくる予想もしていた。ここ数週間でも日本は成長を続けているチーム。とにかく今日勝てたことは本当に良かった。」と日本代表のパフォーマンスにも敬意を表していました。リポビタンD2023| JAPAN vs サモア| 勝利しインタビューに答えるセイララ・マプスアHC(サモア代表)-Journal-ONE撮影

「4年前(W杯日本大会)時の調整がどうだったかは知らないが、今回のサモア代表は良い状態で調整が出来ています。あと2試合、確りと備えていきたい。」とW杯フランス大会に向けた抱負も話してくれました。

クリスチャン・リアリーファノ選手のコメント

「残念ながら1人少なくなってしまったが、日本はとても良いチームだった。」と開口一番に日本代表への敬意を表したリアリーファノ選手は、「ボールが滑るコンディションでの試合となりましたが、しっかりとボールを運ぶことができた。」と、勝利したポイントについて話します。リポビタンD2023| JAPAN vs サモア| 勝利したサモア代表で元オーストラリア代表のSOクリスチャン・リアリーファノ(Christian Lealiifano)選手-Journal-ONE撮影

「各代表チームも準備時間が限られている中、今日の日本戦のようなプレシャーのかかる試合ができたことは有意義だった。」と、W杯を直前に質の高い戦いができた意義を教えてくれます。「サモア初キャップは、本当に素晴らしい経験。言葉にしがたい気分であり、特別な気分です。家族に国に支えられ、祝福されているような感じです。」と元オーストラリア代表で経験豊富なリアリーファノ選手であっても、サモア代表に選出されプレーすることの価値をしみじみと話していました。

徐々に主力メンバーが顔を揃えているとはいえ、“勝ち星” の無い日本代表を心配するファンも少なくありません。日本での調整も残すところ2試合!7月29日(土)には、ラグビーの聖地・東大阪市花園ラグビー場にトンガ代表(世界ランキング15位)を迎えます。リポビタンD2023| JAPAN vs サモア| 日本代表の選手達-Journal-ONE撮影

札幌よりも高温多湿でよりボールの扱いが難しくなる花園で、日本代表がどう言った対応力を見せてくれるのか。W杯フランス大会に向けて、良い結果となるように皆さんもラグビー日本代表・ブレイブ ブロッサムズを応援しよう!

アクセス
札幌ドーム
  • さっぽろ駅-地下鉄東豊線・約13分-福住駅-徒歩約10分

 

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