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阿部 詩選手も絶賛!映画『TATAMI』公開初記念トークイベントで熱く語る
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阿部 詩選手も絶賛!映画『TATAMI』公開初記念トークイベントで熱く語る
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数々の賞を獲得した映画がついに公開!

柔道をテーマにした映画がついに公開!-Journal-ONE撮影
世界中で親しまれているスポーツの一つである柔道をテーマにした映画『TATAMI』がついに2月28日(金)より全国で公開された。『TATAMI』は第36回東京国際映画祭で審査委員特別賞、最優秀女優賞(ザーラ・アミール)、そして第80回ヴェネツィア国際映画祭でブライアン賞を受賞した話題の作品だ。
全国での公開を記念し、新宿ピカデリー(東京都新宿区)では柔道家の阿部 詩選手によるトークイベントが開催された。MCを務める映画パーソナリティの伊藤 さとりさんが、阿部 詩選手とのトークで『TATAMI』の魅力を語り尽くすというもの。
いよいよトークショー開始のアナウンスが流れ、盛大な音楽と共に阿部 詩選手がステージ場に現れると、会場は拍手の渦に包まれる。パリオリンピック後は、柔道衣を着ていない阿部 詩選手をバラエティ番組やファッション誌などで見かけることが多くなったが、“実物の私服姿”で登場した柔道界の若きスターに会場のテンションは一気に上がっていった。
阿部 詩選手といえば半月前の2月14~16日にアゼルバイジャンの首都・バクーで行われた、 ”グランドスラム女子52kg級” で見事に優勝を果たしたばかり。トークショーに先立ち、まずは金メダル獲得を祝う大きな花束が贈られた。

笑顔で花束を受け取り、感謝を伝える阿部詩選手‐Journal-ONE撮影
「7か月ぶりの大会だったので緊張とワクワクが混ざりながら畳の上で戦いました。優勝できてホッとしています」と受け取った花束を抱えながら笑顔で話す阿部 詩選手。
「ロス五輪まで約3年、長いようで短い期間なので、しっかり自分自身を高めて金メダルを目指して頑張ろうと思っています。本日は短い時間ですがよろしくお願いいたします」と挨拶をしてトークイベントが始まった。
リアルな柔道が作中で表現
阿部 詩選手がステージに用意されていた椅子に腰かけると、さっそく予告編で初のナレーションを担当した話題となった。ナレーション初体験の感想を聞かれると「感情を声に乗せるのがすごく難しかったですけど、楽しかったです。自分の声をまじまじと聞く機会はあまりないので不思議な感じでしたが、かっこよくできたと思います」と、自信があり気な表情で答えた阿部 詩選手だった。

『TATAMI』のナレーションでは緊張したと話す‐Journal-ONE撮影
そして話は本編の内容に移っていく。本作はイラン初の世界選手権 優勝を目指す女子60㎏級 レイラ・ホセイニ選手が、敵対国のイスラエル選手との対戦を前にイラン政府から棄権を命じられるも、アスリートとしてのプライドを貫き目標である優勝のために試合に出場するか、国の命令に服従し棄権をするかという人生最大の決断を迫られる選手と監督の葛藤を描いたストーリー。
この作品はイラン出身の男子柔道選手の身に起きた実話をもとに作られたということもあり、「その事件については知っていたけど詳しくは知らなかったので、こんなに壮絶な思いを抱きながら人生や物語を背負って戦っているのだなと感じました」と、阿部 詩選手は真剣な表情で当時の出来事を思い返す。
国家からの圧力が主人公の家族にも及ぶ展開をみた感想を聞かれると、「戦うことで家族に危険が迫るということが想像もできない世界なので、その姿をリスペクトしながら、同時に私は家族を犠牲にして戦えるか?ということを考えました」と神妙な表情でコメントした。
阿部 詩選手は、オリンピック男子66㎏級で2連覇を成し遂げた阿部 一二三選手と世界最強・兄妹として知られている。その活躍の場である国際大会で起こった事実を基にしたストーリーであるからこそ、阿部 詩選手の感想には重みがある。

家族と試合を天秤にかける阿部選手の心理を明かしてくれた© 2023 Judo Production LLC. All Rights Reserved提供
迫真の演技に目が離せない
主人公のレイラ選手を演じたアリエンヌ・マンディは、実は柔道経験がなくこの役で柔道に初挑戦したという。数カ月のトレーニングを重ねて役を作り、挑んだ緊迫の試合シーンについては「柔道という競技をどういう風に映画で描くんだろうと思いながら観ていましたが、組手のやり取りや寝技、豪快に投げるシーンなどがすごくリアルでした」と感心する。
その中で「特に寝技のシーンは荒い息遣いやカメラの動きも臨場感があり、きつい感情が伝わってきました。日々の練習でもそういう場面があるので、それを思い出して苦しくなりましたね」と、自身の厳しい練習の様子と重ね合わせ、本格的な柔道シーンを紹介してくれた。
そんな阿部 詩選手は、試合で大切にしていることを聞かれると「目の前の相手を絶対に倒してやるという気持ち。それだけ長く試合が続いても、最後まで絶対に諦めないという気持ちを持って畳に上がっています」と明かした。阿部 詩選手が畳の上で戦う姿は、”大切にしていること” をそのまま体現しているので会場のファンも思わず頷いていた。
続いて、MCの伊藤さんが映画の中での印象に残ったキャラクターについて質問すると、少し振り返る時間を取った阿部 詩選手。「イスラエルの選手も同じような状況にあったのかなと考えてしまいましたね。でも畳の上は相手の人生や思いを考えて立つ場所ではありません。互いにリスペクトもありながら畳の上では全員平等な相手になるので、そういうシーンに柔道のいいところが出ているなと思いました」と、柔道家として試合に臨む心理が良く表現された試合の場面全体が強く印象に残ったと話した。

時より笑顔でトークを交わす阿部選手‐Journal-ONE撮影
更に、作中にはイスラム教の女性が着用する ”ヒジャブ” を外し試合に臨むシーンがある。 ”ヒジャブ” を外すという行為は罪になるとされているが、そのシーンを見て「全女性の自由になりたいという気持ちを背負って戦っているのを感じ、私にはそういう強さってあるのかなと思いました」と、常に金メダル候補の一番手とされる最強の阿部 詩選手も、別の部分の強さに感化されたと振り返った。
これまで阿部 詩選手のプレーや活躍を見て、元気や勇気づけられている人は多いはず。そんな阿部 詩選手も「人としての自由を求めて夢を追いかけるレイラ選手の姿に、私も人として女性として強くありたいと思いました」と話し、「畳の外ではまだまだ強くはないので成長したいです」と更なる向上心を見せてくれた。
MCの伊藤さんは阿部 詩選手に対して「くじけそうになったことはあるんですか?」と聞く。すると阿部 詩選手は少し苦笑いしながら「常にくじけそうなんですが、くじけていると追い求めているところには辿り着けないと思うので頑張っています」と答えた。「練習に行きたくないと思う日はもちろんありますが、目標があるので気持ちが上回りますね」と、そのモチベーションの高さに改めて感心した。
最近のリフレッシュ方法について質問を受けた阿部 詩選手は、「美味しいものをたくさん食べています。特にラーメン、焼肉、韓国料理が好きでいろいろなお店を巡っています」と、体重管理が必要不可欠な大きな大会を終えた直後ならではリフレッシュ方法を笑顔で話すと、会場も思わず笑顔になった。
阿部 詩選手の素敵な笑顔に会場も和らいだところだったが、約20分間のトークイベントもあっという間に終わりが近づいてきた。
今後の活動について聞かれると「4月5日には福岡で世界選手権の最終選考会があり、そこで優勝すると6月にハンガリーで開催される世界選手権に出場できます。そこでもう一度世界一になり、一歩一歩ロスに向けて歩んでいきたいなと思っています」と、3年後のオリンピックまで意気込みも教えてくれた阿部 詩選手。

阿部詩選手も絶賛の『TATAMI』トークイベントは大盛況だった‐© 2023 Judo Production LLC. All Rights Reserved提供
最後には「『TATAMI』を観て、人として、また女性として国を背負って戦う者としての強さや、自由を求めて戦う姿に心を打たれました。わたし自身もそのような強い人間になりたいなとすごく感じましたね。皆さんもぜひこの映画を観て、少しでも感じるものがあれば嬉しいなと思います。そして、この映画を観て柔道にもっと興味を持っていただけると嬉しいです」というコメントでトークイベントを締めくくった。
スポーツは本来、政治を超越し人種的差別なく世界を一つとして行なわれるものだ。世界大会や国際親善のスポーツ大会が数多く開催され、多くの日本人が世界中の選手たちとプレーし、またそれを観戦する機会が増えている現代。こういったスポーツの精神と相反する場面に遭遇することも益々増えてくるだろう。
世界中で親しまれている日本のスポーツ・柔道を題材にした『TATAMI』を観ることで、こういった事実が存在することを”先ずは知る”。ルールに則り、相手を尊敬し、自身の全力を尽くすフェアな場に、決して“存在してはならない何か”が存在することを知る。そして、“存在してはならない何か”がどんな理由で、誰が持ち込んでいるのかに興味を持つことがこの映画最大の見どころではないだろうか。
世界の各地域がどのような問題を抱えているのか。それに対し、日本人の私たちはどう考えるか。自分はどういった行動を取るべきか。つい最近の出来事を基に作られたストーリーから、ひとつ考えてみたいと思うばかりだ。
『TATAMI』は2月28日(金)から全国で大ヒット公開中。ぜひ、映画館に足を運んで「世界中で今も起きている現実」を知って欲しい。
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