チーム記録への挑戦
女子ソフトボール “ニトリJDリーグ” の第7節。静岡県掛川市にあるいこいの広場野球場で行われた “日立サンディーバ” と ”タカギ北九州ウォーターウェーブ” の一戦。
前日の試合で “伊予銀行ヴェールズ” に対し、“推しのソ” 長谷川 鈴夏、佐藤 真咲の好投で完封勝ちをおさめた日立は、怒濤の9連勝と波に乗る。ここまで日立の好調を支える、地区トップの防御率を誇る田内 愛絵里を先発に送り、チームの連勝記録更新に挑む。
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チーム初の10連勝へ力投する田内愛絵里(日立)-Journal-ONE撮影
一方のタカギ北九州は、接戦からあと一歩の展開でモメンタムを失う惜敗が続き、何とか流れを変えたいところ。この試合、打順を入れ替え、日本代表のエース・鹿野 愛音を先発に掛川ラウンドでの勝利を狙う。
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連敗ストップを託された鹿野愛音(タカギ)-Journal-ONE撮影
チーム状態が対照的な対戦となったこの試合は、紙一重の勝負を掴んだチームに勝利の女神が微笑む結果となった。
初回の紙一重の攻防
先ずは1回表、チャンスを掴んだのはタカギだった。
1死からこの日2番に入った “推しのソ” 細野 摩なが四球を選ぶと、続く兼平 真咲が中前に弾き返して一、二塁のチャンスを作る。ここで豪快なアーチが魅力の4番・樋口 菜美に打席が回るも、ほんの少しボールの下を擦った打球は、スタンドまでは届かない左飛。続く佐藤 果歩も一ゴロと日立・田内が要所を締める。
するとその裏、先頭の藤森 捺未がセーフティバントと盗塁。村山監督が目指す “動くソフト” でチャンスを作ると、1死からこの日3番スタメンに起用された平田 唯花が打席に入る。
「(前日スタメンの)デジャも平田も調子がとても良いので、起用が難しい」と、村山監督の嬉しい悲鳴どおり、171cmの長身から打ち抜かれた打球は飛距離充分の左翼ポール際へ運ぶ先制の特大2点本塁打。
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先発起用に応えた平田(日立)は初回に先制2点本塁打を放つ-Jouurnal-ONE撮影
直後に打席に入った4番・山内 早織も四球を選ぶと、すかさず盗塁を決めてタカギ・鹿野に落ち着く暇を与えない。森山 遥菜の安打と四球で1死満塁と再びチャンスを作ると、日本代表の “推しのソ” 唐牛 彩名がしぶとく二塁手の後ろに落す適時打を放って3点目をあげた。
両チームの調子の良さが紙一重の差となった初回の攻防となった。
覚醒したリードオフマン
昨日の試合でヒロインとなった日立の核弾頭・藤森。,村山監督曰く「昨シーズンと比べると。突き抜けた感じ。レベルが一つ上がりましたね」と、指揮官を唸らせた藤森のバットか2試合連続で火を噴いた。
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「レベルがひとつ上がった」藤森捺未(日立)が2試合連続弾-Journal-ONE撮影
ライトが一歩も動かない程の豪快なソロ本塁打を放って、さらに点差を広げると、中軸の平田、山内が四死球でチャンスを作り、鹿野のモメンタムを奪いにかかる。
ここは、鹿野が意地の投球を見せて追加点を阻むも、この回で気力を使い果たし、マウンドをリリーフに託すことになった。
防御率ナンバーワンに何度も挑む
点差を詰めたいタカギは、3回表の下位打線から始まる攻撃で無死満塁のチャンスを作り、東地区防御率ナンバーワンの田内を攻める。しかし、田内-女鹿田 千紘のバッテリーは冷静にタカギのクリンアップを切って取り、笑顔で互いを称え合う。
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無死満塁を無失点で切り抜けた田内愛絵里-女鹿田千紘の日立バッテリー-Journal-ONE撮影
続く4回表も下位打線が3つの安打で田内を攻め、1死満塁とこの日早くも3回目の得点機をつかむ。すると、タカギの “推しのソ” 1・2番コンビの山根 悠夏の適時打、細野の進塁打で2点を還す。
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山根悠夏(タカギ)の適時打で追いすがる-Journal-ONE撮影