北海道の新名所で夢の球宴
2023年、NPB(日本プロ野球)北海道日本ハムファイターズの新本拠地として誕生した “エスコンフィールド北海道“。プロ野球の試合はもちろん、夏の高校野球地区予選(北北海道、南北海道)も開催されるなど、北海道野球界に大きな話題を呼んでいる。
地元の高校生たちがプロと同じフィールドでプレーすることで、地域の若者に夢と希望を与えているエスコンフィールド北海道では今年、プロ野球のプロアマ交流戦 “北海道ベースボールウィーク2024″が開催された。
8月30日(金)、31日(土)は、北海道日本ハムファイターズの二軍が北海道社会人・大学選抜チーム、東京六大学選抜チームを迎えてプロアマ交流が行われ、9月1日(日)には東京六大学オールスター戦が北海道内で初開催。北海道日本ハムファイターズファンだけでなく、北海道内の社会人・大学野球のファンや関係者、ご家族、アマチュア野球ファンなどが多数観戦に訪れ、夢の球宴を楽しんだ。
全国大会出場のアマチュア選手がプロに挑む
第95回都市対抗野球大会に4年連続4回目の出場を果たした北海道ガス、第73回全日本大学野球選手権大会に5大会連続20回目の出場を果たした東京農業大学北海道オホーツク(北海道学生野球連盟)を筆頭に、北の大地で活躍する社会人・大学野球のオールスターが集結し、憧れの舞台でプロ野球チームに挑んだ一戦に注目した。
東京オリンピックで金メダルを獲得したSAMURAI JAPAN(野球日本代表)監督の稲葉 篤紀氏が率いる北海道日本ハムファイターズの二軍からは、一軍で活躍している野村 佑希選手、2016年の日本一に貢献した中島 卓也選手など、スター選手も多く出場する。
北海道社会人・大学生選抜の選手たちが目指すプロ野球選手たちを相手に、どのような試合を見せてくれるのか?開門と同時に席に着いたJournal-ONE編集部の目に留まったのは、少し緊張気味な表情ながらも試合前の練習をそつなくこなした後、目の前でプロ野球選手たちの打撃練習、守備練習をじっくりとプレーを見る貴重な機会を得て、真剣な眼差しで観察する大学生選手たちだった。
指導者にとっても素晴らしい経験
「素晴らしいフィールドでプロ選手と野球をやらせていただける機会に感謝です」と話すのは、東京農業大学北海道オホーツクの三垣 勝巳監督。この春、第73回全日本大学野球選手権大会に5大会連続出場を果たした北の名将は、同大学から江川 輝琉亜選手(4年・熊本工業高)、中澤 空芽選手(3年・東海大甲府高)とともに、コーチとして選抜メンバーに選ばれた。
試合前からグラウンドで精力的な動きを見せ、打撃練習でのトス相手やボール拾いなどを行い選手たちをリラックスさせることに努めていた三垣監督は、「勝敗に全集中することなく、エスコンフィールドの雰囲気を楽しめました」と笑う。
高校時代、PL学園高(南大阪代表)の主軸として、1998年夏の選手権大会準々決勝、松坂 大輔氏を擁する横浜高(南神奈川代表)と、延長17回、3時間37分にわたる死闘を演じた三垣監督は、夢の舞台が与えてくれる貴重な経験をしている指導者。
エスコンフィールド北海道という夢の舞台で行われたプロアマ交流。この貴重な経験で得たチームの成果を尋ねると、「夏から新キャプテンになった中澤にとっては、特にとても良い経験になったと思います。4年生が多い大学生選抜、ベテランもいる社会人選抜の選手たちの中に入り、最年少としてかわいがってもらっていました。チームでは最前線に立ってチームを鼓舞する役割ですが、後ろから見たレベルの高い選手たちの振る舞いなどを吸収してくれたと思います」と教えてくれた。