川村選手も、自慢の俊足を活かして東地区の盗塁王に輝くなど、デンソーの二年ぶりプレーオフ進出に欠かせない存在。両選手の新天地での活躍だけで無く、デンソーがどうチームを立て直していくかにも注目が集まる。
東京五輪の戦士がまた一人
長きにわたり、女子ソフトボール界に功績を残した選手たちがユニフォームを脱ぐことになった。
東京オリンピックで日本に2大会連続の金メダルをもたらした原田 のどか選手(トヨタ)は、昨シーズンに ”太陽誘電ソルフィーユ” からトヨタレッドテリアーズに移籍。ベテランらしい勝負強い打撃と、ガッツ溢れるプレーで若いチームを牽引して連覇達成に欠かせない選手として活躍した。
今シーズン25年ぶりのプレーオフ進出を果たした “シオノギレインボーストークス兵庫” では、8シーズンにわたりチームを支え続けた戸村 美紅選手が引退。堅実な守備でチームの危機を何度も救った “推しのソ” 白石 穂花選手と共に、プレーオフ進出を花道に新たなステージへと進んでいく。
今シーズン惜しくもプレーオフ進出は逃したものの、2022シーズンのダイヤモンドシリーズで準優勝に輝いた “豊田自動織機シャイニングベガ“。チームの精神的支柱であった4番キャプテンの田井 亜加音選手も現役を退く。
他にも、多くのファンを驚かせる主力選手の引退発表は、トップアスリートが集う “JDリーグ” の厳しい世界を物語る。笑顔溢れる全力プレーで私たちを楽しませてくれたことに感謝し、次なるステージでの活躍を心から祈りたい。
<引退する主力選手たち>
澤田 望愛選手(トヨタ)、白石 千晴選手(SGホールディングス)、黒田 菜那選手(デンソー)、松瀬 清夏選手(伊予銀行)、今村 みなみ選手(タカギ北九州)、田立 梨子・松本 沙耶選手(NEC)、伊藤 梨里花・中山 日菜子・西野 希美選手(大垣ミナモ)、後藤 明日香選手(NSK)
勢力図激変! 注目の移籍選手たち
日本代表選手たちに負けず劣らず、今シーズン各チームの主力として活躍した選手たちの移籍希望もストーブリーグを熱くしている。
川畑選手、川村選手の日本代表が移籍を表明したデンソーからは、扇の要・小島 あみ選手と俊足巧打の中村 優花選手もチームを離れることに。
センターラインの強化は、どのチームにとっても重要な編成事項。デンソー主力選手たちをどのチームが獲得するかで、来シーズンの勢力地図は一気に塗り替えられる可能性がある。
同じセンターラインと言えば、”日本精工ブレイブベアリーズ” の二塁手・沢 柚妃選手にも注目だ。今シーズン、西地区ベストナインに輝いた澤選手は、若手の台頭著しいNSKにおいて率先垂範を貫き、良いお手本としてチーム力の底上げに貢献した。
また、エース級の投手で唯一移籍選手となった “伊予銀行ヴェールズ” の遠藤 杏樺投手も投手力が不足するチームにとっては喉から手が出るほど欲しい選手。昨年のルーキーイヤーにおいては、獅子奮迅の登板で8勝を挙げた鉄腕が、来シーズン復活を期してどのチームに入団するのか気になるところだ。