渋谷のチームが、なぜ有明開催なのか
ただチーム名を見ての通り、サンロッカーズのホームタウンは渋谷であり、本拠地は表参道駅近くの青山学院記念館になる。毎試合約4,000人が詰めかける熱気のこもった会場がある中で、なぜ「ARIAKE SERIES」が開催されているのか。
そのきっかけは、2026-27シーズンよりBリーグが実施する構造改革「B.革新」に向けた取り組みの一環だった。これまでの競技成績による昇降格制度を撤廃し、Bリーグは「売上」「入場者数」「アリーナ」という経営的な指標で現行のB1からB3を再編。サンロッカーズはその最高峰にあたる新B1「B.LEAGUE PREMIER」参入に向けて、昨シーズンは3度の有明開催で30,000人の集客に挑戦し、その他にも様々な準備を重ねて、今秋「B.LEAGUE PREMIER」入りの参入資格を確保していた。

約1万人を収容できる有明コロシアム© SUNROCKERS
そんな中で2季目の有明開催について、興行を統括するアリーナエンタテインメント部門の岡田絵梨子氏は、その意図を説明。クラブとして昨シーズンの知見を活かした効率的かつ、より魅力的な興行・演出を目指したい思いのほか、2シーズン先を見すえて準備の意味合いもあるようだ。
クラブは「B.LEAGUE PREMIER」元年となる2026-27シーズンより本拠地を渋谷区から江東区へ移転し、アルバルク東京が2025-26シーズンよりホームアリーナとして利用する収容人数約10,000人の「TOYOTA ARENA TOKYO」(江東区青海)を共同使用する。それまで青山学院記念での興行がメインになる中でも、新B1に向けて興行のスタンダードを挙げる努力をしていきたいのだ。
岡田氏は「有明での経験はクラブの財産になりますし、そのためにできるだけ試合数を重ねたいと思っています。わたしたちフロントスタッフと協力会社さまも含めて大規模会場での運営、興行に慣れていきたい」と語った。
今節の初めての取り組みのひとつで言えば、ハーフタイムショーでの演出だったという。「SUNDY HYPER NIGHT」というテーマのもと、マスコットのサンディーを筆頭に、DJ KOO(from TRF)が駆けつけ、プロダンスチーム・FULLCAST RAISERZや、幸運を呼ぶゴリラ・ゴリ☆ラッキーズ、さらにはサンロッカーガールズやパフォーマンスチームの428 ROCK CREWが勢ぞろいして、アリーナを盛り上げた。これだけの顔ぶれが共演したのは、今まで無かったそうだ。

ハーフタイムにも豪華な演出で盛り上げる© SUNROCKERS
さらに岡田氏から、試合当日の朝にルカHCと話す機会があったというエピソードも寄せられた。チームはアウェーの2連戦から帰京して、この一戦に臨み、週末に再び試合が控えるタイトな日程の中だったが、指揮官より「すごく良い会場にしてくれてありがとう」と言葉をかけられたそうだ。

428 ROCK CREWの息の合ったパフォーマンス© SUNROCKERS
そして勝利後にはルカHCが選手、ファン、運営スタッフ・ボランティアに感謝を伝える場面もあった。岡田氏はその光景を見て「本当に嬉しかったです。ルカから言われたのも嬉しかったですし、お客様が拍手で称えて下さったのも嬉しかったです。あの1日にみんなの思いが詰まっていました。いろんな企画をして実になり、勝利で終われて、次にすごくつながる試合だったと思います」と振り返った。
次回開催は3月…「ふらっと来ても一緒に楽しめます」
次戦の「ARIAKE SERIES」は来年3月22日(土)、23日(日)に島根スサノオマジックを迎えて開催される。昨シーズンは実施の無かった、週末2連戦で14時5分開始のデーゲームとなる。来場する客層の変化も想定して岡田氏は「ストレスの無い観戦環境をより一層整えたい」と話す。入場してから座席までのスムーズな動線作りや会場案内、試合に没入できるよう空調の温度管理も徹底するなど細部までこだわった運営の実現を目指す。

タイムアウトで戦術を話し合うサンロッカーズ© SUNROCKERS
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